雑記 160529

Plugin Research and Development at iZotope: An Interview with Matthew Hines | Designing Sound

おっと、10日間も日記を書いてなかったですね。あれこれの準備や連絡などで思いの外すごい勢いで日常が過ぎていきました。

最近の出来事としては…WOMのM3の打ち上げがあったけど肉を食うのに夢中で結局次回の話をしていないってのと、正式な告知はまだ先ですが某海外初見のゲームに1曲楽曲提供したのと、島みやさんとこのM3打ち上げにも顔を出して学校的には他校となる先生方のお話を聞かせていただいたのと、実はいまだに話がどう進んでいるのかわからないミク本改訂版用の資料を集めてたのと、クリプトンさんのサイトに提供するコンテンツ作ってたのと、あとアレンジのご依頼対応、ライブ準備、ミックス準備など。
日記の過去記事もほんの少し統合などしつつ。

日常的にチェックしているサウンド関連のサイトは、特に今年に入ってからアツいニュースがあまり見かけられなくなってきた印象。何か注目に値するものを取り上げてこの日記で言及するってことも少なくなりました。
突飛で斬新な多彩さよりも深く手堅くモノづくりをしていくほうにシフトしていってるんでしょうね。もちろん昔からその主義はあったと思いますが、わりあい新しもの好きの僕自身でも少なからず(押されて)重心がそちらに傾きつつある自覚があります。

Plugin Research and Development at iZotope: An Interview with Matthew Hines | Designing Sound

Plugin Research and Development at iZotope: An Interview with Matthew Hines | Designing Sound

前の日記でVocalSynthをうっすらレビューしましたが、iZotopeの技術者であるMatthew Hines氏のインタビューがDesigning Soundに掲載されています。
昼は技術者、夜はキーボーディスト、と冒頭で紹介されているように多才。また多くのiZotopeの同胞が同様にミュージシャンであったりエンジニアであったり、と記されています。思えば、ボーカロイドの父といわれる剣持氏にもバイオリニストとしての活動(あとベルギービールの愛好家とか)があるように、面白いものを作り出す人は活動分野が広いなあと思わされます。
とすると、僕自身の近年の傾向、先ほど書いたような押されての状況は実は持ちこたえるほうが後々いいのかなとも思わされたり。
それはともかく、Matthew氏のようなお仕事をされている方が何を考え何を楽しんでおられるのか、さらっとでも読んでみるといいかもです。

DS: What happens once an iZotope product is launched?
(製品がローンチされたあと、何が起きるんでしょう?)

MH: We drink beer. We run a victory lap around the office, which is generally as loud and as obnoxious as possible. Sometimes it involves trumpets, vuvuzelas, whistles… whatever we have to hand. Did I mention we’re pretty creative?
(ビールを飲んでから騒々しくオフィスを駈けずり回るよ。さながらウィニングランだね。うちら自身がスマートなどということはないよ)

Review ❦ iZotope VocalSynth

iZotope VocalSynth

VocalSynth Vocal Effects Plug-in | iZotope

iZotope VocalSynth

iZotope VocalSynth

ただのボーカルエフェクト系のプラグインであればスルーしてたとこですが、iZotopeだってのと、十何年も前のmda-vst.com以来まともなTalkboxエフェクターを見かけていない(それ、TalkboxじゃなくてVocoderやないか!みたいな)のとで、トライアル版をひとまずダウンロードして動作を確認などしてみました。

結論としては、簡易版的な位置づけのものにしては出来過ぎかなと。
ただインターフェイスはNative Instrumentsを意識しすぎな感も…。

ぱっと見で中段に4つのパラレルなモジュール、そしてそれぞれにノブが3つほど。上段にいわゆるオートチューン、下段に5つのエフェクターと、かなりシンプル。
これまで幾つかレビューという名目であれこれ意識して見てきて、シンプルでわかりやすいインターフェイスは難しい、というのを非常に強く思ったものですが、この点でVocalSynthは冗談みたいにわかりやすく、模範的といってよいかと思います。

wavemeterでの表示(入力の有無を確認する用途なら必然性あるかも)

wavemeterでの表示(入力の有無を確認する用途なら必然性あるかも)

X/Yパッド;パラメータのアサインはかなり自由

X/Yパッド;パラメータのアサインはかなり自由

拡大してもらうと随所に▼があってプルダウンの多さがわかります。
プルダウンを開くと選択肢が少ないってことがよくあってそういう製品には騙された(おっと…)感を覚えてしまうんですが、Vocal Synthはscaleを除けばいずれも10個くらいの選択肢があり迷う喜びがあります。
一方で選択肢が少ないものはノブになっていて、騙された感が全くない。この設計はとても大事。

随所にdry/wetのバランスがあるのも有り難い。
ふだんLogicを使っていて、純正エフェクトにdry/wetが無いときにBUSを用意せざるを得ず、そのたびにイラッとしてしまう自分は、こういう何でもない設計にもウヒョッとします。

各モジュール

最上段のpitch correctionはほんと簡易的なもの。でありながら最低限最大限の効果が出るので、「困ったらこれを使おう」という気には充分なります。
中段polyvoxは見たままなのでスルー。
vocoderは入力された音声のピッチを拾ってくれるので、サイドチェーン信号を用意しなくてもまあ使える、というのがなかなかありがたい。かかりはLiveのVocoderの感覚に近いので、これでわざわざVocoderだけのためにLogicを終了してLiveを立ちあげなくてもよくなるのが嬉しいところ(といっても、LiveのVocoderのあのかかり方は他に代えがたい部分もあるのだけれど)。
compuvoxはiZotopeの紹介ビデオだとわかりにくいのですが、Sonic ChargeのBit Speekみたいな合成音声っぽく加工するもので、たぶんこれがいちばん楽しい。特にbatsというパラメーターを全開にしたときのなんとも言えない気持ち悪さはたまらんです。
課題のtalkbox。ここは期待し過ぎてしまった面もありますが、vocoderと違ってうまいこと子音の効果が弱まっていてtalkboxらしい味わいが出てます。もうちょっとオエッとするような声でもいいと思いますが。talkboxごときにといっては言葉が悪いですが、先述のバリエーションが豊富ですね。
各モジュールとも、サイドチェーンで音程をコントロールでき、レスポンスもとても早い。仮にReaktor上で同様のものがあったらたぶん重くて話にならなそう。

下段のエフェクターはコーラスとかリバーブとかそういう汎用的なものではなく、かといってマニアックでもない絶妙なチョイス。distortionはなかなかパリッとしたかかり方になりますし、filterにはscreamという選択肢があってわかってらっしゃるし、transformは何者かというといわゆるラジオボイス加工できるもの、shredはグリッチというか音飛びっぽくするもので、delay…これだけはベタですが、でもwidthがあるのでステレオ感を簡単に調整できてよろしい。
この手のエフェクトを施そうとしたらこれまではSpeakerphoneを使うなり何なりしていたのだけど、こういうオルタナティブなものが出てきてくれたのは負荷コントロールができて嬉しい。
ただ、そうなると不満になってくるのは、加工に欲が出て、たとえばfilterとtransformの間にサードパーティ製エフェクトを挟もうとしたら、実現方法としてはVocal Synthを二重にインサートするしかなくなる点。もっとも、これはVocal Synthに限られずマルチエフェクター全般にいえることなので、いつかこうした欲に簡単に応える仕組みが登場してくれたなら、個人的にはブラボーを叫びたいところ。

用途としては…?

出番や用途という意味の実用面では限られてきて万能ではないのは事実。
が、それこそ用途を達成するのに一手間二手間かかっていたのが軽減されるのはとても有り難い。
6/16のキャンペーン終了までに手を出すか、もうちょっと悩んでみようと思います。

操作性 ★★★★★
レスポンス ★★★★★
音質 ★★★★☆

Making ❦ もろもろ進行中

おおむね完成。要:キー確認。
おおむね完成。要:キー確認。

おおむね完成。要:キー確認。

進捗は半分くらい。活動当初のようにポップ・フォーク路線。

進捗は半分くらい。活動当初のようにポップ・フォーク路線。

ちょっと前にアレンジの依頼あったもの。生楽器寄りで構築したが、よーく依頼内容読むとR&Bテイストということだったので急きょ随所修正施したもの。

ちょっと前にアレンジの依頼あったもの。生楽器寄りで構築したが、よーく依頼内容読むとR&Bテイストということだったので急きょ随所修正施したもの。

手を付け始めたばかり。ブラジリアンジャズ(ただし日本人が勝手にそう解釈して流行ったもの)にしていく予定。

手を付け始めたばかり。ブラジリアンジャズ(ただし日本人が勝手にそう解釈して流行ったもの)にしていく予定。

先日ボーカルレコーディングを行なった、ゲーム用提供曲。97%くらい完成。

先日ボーカルレコーディングを行なった、ゲーム用提供曲。97%くらい完成。

個人作の制作をスタートしました

天候のせいもあって寂しげに映ってしまったベンチ。
天候のせいもあって寂しげに映ってしまったベンチ。

天候のせいもあって寂しげに映ってしまったベンチ。

だいぶ早いですが秋M3向け。迷った挙句、始動しました。

瞬間的にEnty越しに募ってみたりしましたがあちらは退会済みで、通常通り自腹の制作形式です。

少しずつほうぼうにラブコールという名のご協力依頼を送り付けています。曲ありきなのでまだご依頼できていない方もおられますが。
基本は歌モノで、ボーカリストをフィーチャーする感じ。たぶんあまりエレクトリックな方面には振らない。
何人かに話したところ、最近(これから?)親しくなれるかなって方にもご協力いただけそうな気配。未確定ですが。

当初の予定ではクリエイター数人での合作と考えてましたが、リミックスで参加いただくライトな感じに方針転換しました。こちらもいま頼み先を考え中。


踏み切ったキッカケとして…。

秋M3はWOMのシリーズがついに10枚目、つまり一区切り。
春M3の打ち上げを来週行うのですが、来年以降、色んな面で不透明で、その辺りを話し合うと思います。
個人的には別口からも打診をいただいたりしてるのですが……自分主体のものがあってもいいんだろうなと。

かつてボカロのコラボでご一緒していた作詞家の方と春M3で予期せずお会いしました。超びっくり。
このタイミングで出会うってのも時機なのかなと。

始動と言いつつ、まだ3曲ほど手をつけただけ。要検討なことが山ほどあるので、悩ましい日々が当分続きそうです。


今日日中は某お仕事用の曲のレコーディングに行ってました。
その成果物に関しては夏ごろアナウンスできると思います。しばしお待ちを。

iZotope PAE

iZotope - Pro Audio Essentials

RekkerdでもCDMでも伝えられていますが、iZotopeが自身のサイト内にPro Audio Essentialsとするチュートの集大成を設置したようです。

iZotope - Pro Audio Essentials

iZotope – Pro Audio Essentials

クイズ的なコーナーについては、EQ以外まだ準備中らしい。
それよか、解説ビデオがこうして一箇所にまとめられて、その知識がオーディオ知識のどの辺りを占めるのかを知ることができるのが良い。YouTubeチャンネルをフォローしても一覧性が低いですからね。

この手のビデオチュートって英国産が多く、個人的にはイギリス訛りの聞き取りが苦手なのだけど、iZotopeのものに関しては(ナレーターの声質はあまり好きじゃないけど)訛りが無くて聞き取りやすいですよ。

ちなみに基礎知識のビデオチュートとして優れてると思うのは、このiZotopeとFabfilter。二強。双璧。

何度か書いていることですが、音楽の分野って外来語が特に多いので、英語の解説動画を見ても言わんとしてることが大体わかるはず(中国に行って何となく看板が読めるのとあまり変わらない)。

It really isn’t an advertisement for iZotope products. It’s really something you could apply to anything; it’s just likely to build your hearing confidence in such a way that might make you a better customer.

(訳:固有製品の宣伝にとどまらず汎用性がある。よりよい関係を築きつつ、自分の耳に対して自信を養ってもらおうとしているのだろう。)

Learn audio skills as a game, free, with your ears as guide – cdm createdigitalmusic

Review ❦ AkustiX Enhancer

Tone2 AkoustiX Enhancer

製品自体はけっこう古いのだけど、ずっと気になっていたTone2のAkustiX Enhancerを導入してみました。

Tone2 AkustiX Enhancer

Tone2 AkustiX Enhancer

Electra2のSound Mode

Electra2のSound Mode

Tone2製品についてはちょくちょくこの日記でも取り上げているようにElectraX(Electra2)を愛用していて、ポリ数を消費せずに良質のSuper Sawサウンドを生成できるUltrasaw機能はもちろんのこと、出音の質感を調整できるSound Modeも実によくできていて有り難いなあと常々感じています。
その他の部分はどれももう一息な感じがしますが補って余りある両機能。
なのでSound ModeやUltrasawアルゴリズム部分だけでも切り出されて単品のプラグインになっていれば、結構な数の人が喜んで飛びつくのではないかと。
実際にはMulti FX、Ultra Spaceといったエフェクトが単品プラグインとしてリリースされているのだけれども、リリース後に精度を上げたり時代に合わせるようなタイプの更新が施されていないところを見ると、ちょっとポリシー的には残念なメーカーなのかなという気もしないではない。

さてElectraXの時にSound Modeに備わっていたPsychoacousticsという項目、これはElectra2だとDynamic loudに相当するかと思うのですが、このパラメータは聴覚の特性に合わせて質感を調整するものと思われます。
ちなみにElectraX (Electra2)にはこの他、オシレーターごとにtone(最近のソフトシンセでも見かけることが多くなってきた)、サブミキサーに歪みの設定がありますね。
ElectraX (Electra2)の説明に偏ってしまいましたが、ともかく、他のパートに比べると浮いて聞こえるというデメリットもありますが、折よく「Sound Mode部分が独立した」的な謳い文句で登場したAkustiXは、可能性を備えたものとして当時、期待を込めて見つめざるを得なかったもんです。

Tone2 AkoustiX Enhancer

Tone2 AkoustiX Enhancer

そもそも高域補間的に使えればという目的で導入したものなのですが、結論的には、汎用的なエンハンサー付きのグラニュラー風のイメージャーとしてよく出来ているぶん、高域補間には適していないという印象を持ちました。
ゆえに合目的的ではない

↑「汎用的なエンハンサー」と書いたのは、エンハンサーをググればわかると思いますが、入力の帯域の倍くらいまでが出力の限界なようだから。

たとえばKorgのLegacy Collectionみたいなレートが低く聞こえる音に対しては、擬似的な補間的効果があって、パラメータ設定次第でザラザラ感も多少軽減できるものの、かりそめである印象は拭えません。
またナイキスト周辺が重なって耳障りに聞こえてしまうのでマルチバンドコンプか、iZotope Ozone 7にあるようなダイナミックEQみたいな処理の併用も必至になります。

つまり上のスクショのようなささやかな設定で合目的的な結果は得られるけれども、それ以上は原理上無理で、ならエンハンサーでいいよねと。
やっぱりモノが古いんだろうなと。

低域で淀みやすいLogicの低域の情報量を削るには使えそうです。

操作性 ★★★☆☆
レスポンス ★★★★☆
音質 ★★☆☆☆

参考:サンプリング周波数の定義