nih-plug “Spectral Compressor”

nih-plugから凄まじい設定幅を持ったSpectral Compressorがリリースされています。
たぶんgithubのアカウント持ってたらダウンロードできるはず。
私が見たバージョンではVST3とCLAPのみ対応。

macOS環境ではGatekeeperをオフにする必要ありそうです。
うちではxattr -rcで各vst3ファイルをスルーさせました。

Permanently disable or bypass Gatekeeper by following the instructions on this website.

ゆるい設定にすればふつうのSpectral Compressorとして、ややキツめならOTTのようなコンプとして、もっと強烈に設定すると…爆音ではないが特殊なcodecを通したような、一切遠慮のない歪んだサウンドが得られます。
非常に軽量、高速。

Thresholdのシェイプはスロープかカーブを係数として与えることはできますが、複雑な形状はModeでサイドチェーン(SC)を選択して引っ張ってくるしかなさそう。逆に言えば、それを使えばSootheの代わりにも使えるのではないかと。

間違っても一般的な名機エミュレーション的なコンプではなく純粋な演算による出力なのですが、キツめの設定にすればするほど、どのパラメータが何をもたらし、どのパラメータ”同士”がどういった関係性を持つのかが露骨に現れるため、改めてコンプレッサーの各パラメータの影響を目で確認してみたい人にとっては参考になるかなと思います。

何にせよ、レイテンシーを犠牲にすることを厭わなければWindowサイズを32768まで上げたり、Window overlapを4まで落としたり(この場合「上げる」というべきか)、AttackやReleaseを上のスクショのように0にしたり、UpwardにせよDownwardにせよRatioを500:1まで詰めたりなど、攻めた設定にできるのは面白い。オートメーションもいいかも。
一般的なコンプやディストーションでは得られない、極めてデジタルな歪みをあえて作りたい場面はわりとあるので、そういうときに思い出して使ってみようかなと。