Logic Pro X : シンセでの音作り(ビギナー向け)

Logic Pro Xでシンセ使いたいけどよくわからんって方向け。


仕組みが簡単な順に。

ES M < ES P < ES E < ES1 < ES2 < EFM1 < Retro Synth < Sculpture < EVOC 20 PS < Alchemy

以下のソフトは仕組みが違う(操作はほぼ一緒)ので今回は無視。

EXS24、
Studio Horns、Studio Strings、
Drum Kit Designer、Drum Machine Designer、Ultrabeat、
Vintage B3 Organ、Vintage Clav、Vintage Electric Piano、Vintage Mellotron

プリセット音色いじり

3つの音作り要素

ノブ/フェーダーは大きく分けて3種類(「音程」もあるが少し特殊なので除外)。この3つが見当たらなければ面倒なシンセと考えるとよい。

基本となる音色オシレーター(Oscillator)
音量アンプリファイア、アンプ(Amplifier)
音の鋭さフィルター(Filter)/カットオフ(Cutoff)

※フィルターとカットオフはほぼ一緒。

フィルターとレゾナンス

フィルターの定番は次の3種類で、よく使う順にローパス、バンドパス、ハイパス。

ローパス(Low Pass, LP)指定値より高い周波数帯域をカット
ハイパス(High Pass, HP)指定値より低い周波数帯域をカット
バンドパス(Band Pass, BP)指定値周辺を除いて周波数帯域をカット
バンドリジェクト(Band Reject, BR)
バンドストップ(Band-stop)
指定値周辺の周波数帯域をカット
ピーク(Peak)指定値周辺の周波数帯域をブースト

カットする勾配の強さに応じて6dB、12dB、18dB、24dB、フィルターの癖にはclassic、fat、smoothなどと記されます。
フィルターで削るその境目の周波数の強調度合いをレゾナンス(Resonance)といい、この値が高過ぎるとハウったような音になります。

一般にローパスフィルターで音をこもらせることを「フィルターを閉じる」といいます。

時間に伴って変化を与える仕組み

鳴らしながら音を変化させる仕組みは大まかに2つ。

1回こっきりエンベロープ(Envelope)/エンベロープ・ジェネレーター(Envelope Generator/EG)/ADSR(Attack/Decay/Sustain/Release)
周期的LFO(Low Frequency Oscillator)

※エンベロープ、エンベロープ・ジェネレーター、ADSRはほぼ一緒。

エンベロープは、アタック、ディケイ、サスティン、リリースの4点で形状を指定します。

アタックタイム鍵盤を押してから最大音量に達するまでの時間
ディケイタイム最大音量に達してからサスティンレベルに達するまでの時間
サスティンレベル変化が安定したときの値
リリースタイム鍵盤から指を離して音が消えるまでの時間
よく見かけるエンベロープ図
よく見かけるエンベロープ図

以上が基礎知識で、これらを把握していれば、ソフトシンセも市販のハードウェアのシンセも基本的には使いこなせます。

Logic Pro Xのシンセ

チャンネルストリップで読み込むと他のエフェクトもまとめて読み込まれちゃうので、「Instrument」をクリックしてメニューを辿ります。

ES M, ES P, ES E

Logicでたぶん最初に搭載されたソフトシンセ3兄弟で、それぞれMono, Poly, Ensembleを指すと思われます。近い将来、無くなるかも。

配置

ノブやフェーダーの配置が異質ですが、冒頭に挙げた要素は略されながらも見つけることができます。

オシレーター

一般に用いられることの多い4種類の基本波形。
一般に用いられることの多い4種類の基本波形。

オシレーター波形について。
ES MにはSaw(鋸歯波)とSquare(矩形波)という標準的な2種類が備わっています。
ES Pではプラス山型のTriangle(三角波)と、1オクターブ下のSquareと2オクターブ下のSquare、さらにNoiseが加わっています。
ES EではTriangleとNoiseが無くなり、Squareは天井側と床側の比率(デューティ比)が変わる仕組み(PWM)になってます。
Overdrive、Chorus/Ensembleは味付け要員。

フィルター

1つのエンベロープが音量とフィルター両方に働きます。

ES 1

Logic : ES 1
Logic : ES 1

配置

音色は左上側、音量は右上側、音の鋭さは中央上側に位置、エンベロープは右下側、LFOは左下側に位置しています。

オシレーターとSub

ES M、ES P、ES Eを統合したようなオシレーターの波形セット。
Subとは1オクターブ低い音程(Subharmonic)のことで、ES 1では独特な幾つかの音色から選択でき、実音と混ぜて鳴らす仕組み。

フィルター

1つのエンベロープが音量とフィルター両方に働きます。

ES 2

ES2なんかに後で差し替えてもOK
Logic : ES 2

配置、部品

ES 1と同じく、音色は左上側、音量は右上側、音の鋭さは中央上側に位置、エンベロープは右下側、LFOは左下側に位置しています。

エンベロープは3種類、LFOは2種類あり、それぞれ微妙に性質が異なります。
ENV 3は音量に対するエンベロープですが、他2つのエンベロープと2つのLFOは中央のルーティング(Routing)で設定します。

オシレーター

オシレーターは3機あり、それぞれ微妙に性質が異なります。
ES 1に無かったFM、リング(Ring)、シンク(Sync)およびシンプルなウェーブシェープ(Wave Shape)、ノイズが準備され、オシレーター間で影響を与え(変調)合うことが可能。
各オシレーターの音量バランスはその右にある三角形の中をクリックすることで決めます。

※ウェーブシェープは64種類の波形リストで、いわゆるウェーブテーブル(Wave Table)と考えちゃってもよい。

フィルター

中央部の大きな円状のフィルターに2種類のフィルターが準備されていて、その右下にある小さなボタンで直列(Serial)と並列(Parallel)に切り替わります。

ルーター、ルーティング、パッチング

どのエンベロープ/LFOの信号をどのパラメーターに送るか決めるのがルーター。
送る強さをさらに別の操作で補助的に変動させることも可能で、信号の送信元がfrom、送信先がto、補助がviaの項目に該当します。
Key(鍵盤の高低)、Wheel(鍵盤に装備されたモジュレーションホイール)、Rnd No1(ランダム、2種類あるうちの1つ)など設定可能な項目を一通り見てみるといいでしょう。

このルーターは他のシンセやサンプラーにも備わっていて、見た目は若干違っても使い方と効果は同じです。

EFM1

ES 2までのものと違い、金属的な音を作るのによく用いられるFM合成のシンセです。

Logic : EFM1
Logic : EFM1

配置

左やや上のつり目と右やや上のつり目で2つのオシレーター、中央がFM合成の強さ。
右下に音量用のエンベロープ(Volume Env)、中央上にFM合成の強さ用のエンベロープ(Modulation Env)があります。
左上に音程に関する設定、右上に発音に関する設定、左下にSub(既述)とうねり用設定、右下に音量に関する設定があります。

エンベロープは3種類、LFOは2種類あり、それぞれ微妙に性質が異なっています。
ENV 3が音量に対するエンベロープである以外はすべて未設定で、中央にリスト状に表示されているルーター(Router)で設定します。

オシレーター

左側、Modulatorの文字の上のWaveは波形の種類を変えるもので、ES 2のウェーブシェープと同一(たぶん)。一方、右側はサイン波のみ。
Harmonicのノブで合成用の音程(倍音)を設定します。

フィルター

存在しません。FM合成の強度をフィルターと考えるとわかりやすいでしょう。

Retro Synth

ES 1、ES 2、ES 2、EFM1がAnalog、Sync、Table、FMとして別途まとめられた簡易版のようなもんです。
発音中に(オートメーション等で)シンセ方式を変更することはできず、決め打ちとなります。

ここまで読み進めてくださったなら、ほぼ説明不要かと思いますが…。

配置

上段、左からオシレーター2機、合成用コントローラー、フィルター、エフェクト、音量。
下段、左からグライド、LFO、フィルターと音量それぞれのエンベロープ。
右下のSettingsボタンを押して発音数やコントローラーアサインを設定。

オシレーター

Sync音色についてはこちら参照のこと。
TableのSHAPE 1, 2およびFMのSHAPEもES 2のウェーブシェープと同一と思われます。

フィルター

EFM1では出来なかったフィルターがFMで使用可能。
フィルターは後述するAlchemy由来かと。

Sculpture

楽器の素材や形状を想定して鳴らす物理モデリング(フィジカルモデリング)という仕組みのシンセで、かなり特殊。解像度(RESOLUTION)の設定がありますが、BODY EQを使う限り解像度がフルに活かされることはほぼありません。
Native InstrumentsのReaktorにあるPrismがかなり似た位置づけのもので、あれもあれでかなり特殊です。

Logic : Sculpture
Logic : Sculpture

配置

上段左側に3機のオシレーター、中央に材質の設定、その下部にフィルター、右側に音量とエフェクト、EQ。
下段にLFOとエンベロープとモルファーが並んでいます。

オシレーター

それぞれ性質が異なり、奏法(叩く、爪弾く、擦る、吹く、止める)の違い。音の明るさも個々に設定しますが、ハウリング起こしやすくもなるので注意。
オシレーター群の真ん中にあるのはピッキングポジションのような奏法の位置設定と、ピックアップポジションのような音を拾う位置の設定。倍音の音量バランスが変わります。

フィルター

フィルターの位置付けにあるのがMaterialで、ナイロン、木、金属、ガラスのマトリックスになっていますが、あくまで目安。
これに加えてその下部にシンプルなフィルターが1つあります。

EVOC 20 PolySynth

ヴォコーダー(Vocoder)専用のシンセで、サイドチェーンにボーカルトラックを指定します。EVOC 20も解像度が高くないので地味な音になりがち。

Logic : EVOC 20 PolySynth
Logic : EVOC 20 PolySynth

配置

左側にオシレーター、その上にサイドチェーン入力音声の反映度、中央にサイドチェーン入力音声の分析密度とその変形、右側に音量。

オシレーター

フェーダーの上方向Wave1は鋸歯波、下方向Wave2は再三ここまで登場してるWaveShape32種です。Noiseを加えることも可能。

フィルター

5〜20までのバンド数(分析密度)、80〜8,000Hzまでの帯域を設定可能。粗めと言って過言じゃないでしょう。
FormantやResonance、LFOは特に説明不要と思われるので割愛。
Modeでサイドチェーンヴォコーダーを有効にします。その下のU/V Detectionは入力された音声のノイズ成分の透過率です。
Signalは名前のせいでわかりにくいですがいわゆるモニターモード。

Alchemy

もともとはサードパーティが作ったシンセなので、コントローラの配置等が他と著しく異なります。
ある程度詳しく説明したものは、Logic Pro : Alchemy ざっくりガイド – makou’s peepholeをお読みください。

Logic : Alchemy
Logic : Alchemy

配置

上段左から4機のオシレーター、2機のフィルター、マスター音量。
中段左からルーター、各種エンベロープとLFO。
下段左からパフォーマンスモードとアルペジオ、エフェクター。
細かくいじらないならパフォーマンスモードにあるノブやXYパッドだけいじればOK。

オシレーター

アナログのオシレーター波形以外にPCM波形を加工して鳴らせます。
オシレーター内にもフィルターが3機備わっています。

フィルター

なかなか効きの良いフィルターが数種。LogicのPhat FXやStep FXといったプラグインエフェクトとしてスピンアウトしています。