Lunatic Audio “NARCOTIC”
ドタバタやっている間に日数あきましたね。Superboothの開催が近いってことで、比較的Eurorack関連などハードウェアシンセのニュースが多かった近頃です。
Lunatic AudioはAudio Plugin Dealsの姉妹サイトで、以前ビデオゲームのピンポンがプレイできるRetro Pongをフリーで配布して、「んー…?」と思った記憶があります。
今回の NARCOTIC というのは打って変わって実用性に期待のできる真面目なマルチエフェクターのようで、OutputのThermal(Plugin Boutique)やPortal(Plugin Boutique)のようなインタラクティブなビジュアルが目を引きます。
デモ版は…ないみたいですね。
プラグイン画面上部のキノコの絵が気になりますが、「幻覚」を示すものではないかと憶測。
ちなみにAPDでもメーカーサイトでも価格とイントロ期間(2週間)は一緒のよう。
定価が$149で、イントロ価格が$99となっており、Mac(VST/AU/AAX)、Windows(VST)対応で、スタンドアローンもあり、とのこと。
追記
動作チェックをさせてもらう機会が得られたので感想など。
マニュアルを見ずに使い始めて機能を把握するまでは7,8分くらい。画面の切り替え方や各機能のつながりが少しだけわかりにくいと思います。
まず記すべきはグラフィックによるCPU負荷がかなり高く、DAWで全トラックを再生しながら調整する手法は、しっかりパワーに余裕のあるPCでないとキツそうです。その代わり、プラグインウィンドウを閉じてしまえば超軽量に動いてくれます。
上にも記した、メイン画面の右側のビジュアルは単なるビジュアライザーではなく機能を割り当ててXYパッドとして使用します。
ソフト内で使用できるエフェクトは比較的豊富で、そのうち6つを連結し、その内部パラメーターをステップシーケンスさせられ、メイン画面下部のノブで各ステップシーケンスをまとめてバイアス等を操作できる、大雑把な操作方法としてはそのように理解いただいてよいと思います。
自由なようで、各エフェクトを鳥瞰できるわけでもないので、たとえばエフェクトの連携で作れる効果(たとえばフィルターをかけてビットクラッシュをかけて疑似フォルマントっぽくするみたいな)を狙い通りに出すのはかなり難しい。ただ、それ以上にぶっ飛んだ効果を出せるポテンシャルを持っているので、いっそマルチエフェクターってよりもFSUと考えたほうがいいです。
ステップシーケンス部ですが、今どきはAudiomodernのGatelab(スクショ)のように1グリッドを2つ3つに細分できるものが標準的なのに対し、ただただ制御点を打っていくのみであり、SerumやVitalのように描画用のペンでざくざく曲線をかけるものでもなく、数値が見えるわけでもないので、正直なとこ仕様としては1世代古い印象があります。ただ、実はオートメーション項目がべらぼうに多く(スクショ)、何ならオートメーションで書いたり、別途パラメーターコントロールが可能なMIDI FXか何かがあればそれを使っちゃったほうがガチな使い方をできるのではないかと思っています。
一応、このほかRX9が告知されていたり、SonicwireでGlitchmachines, Devious Machines等かなりおいしいメーカーの取り扱いが始まってるなど、ソフトウェア関連でのニュースがまったく無いわけではないのですが、記事にはうまくまとめられなかったので本日は省略します。
200422 過去記事
この日記でたびたびセールの紹介をしてるAudio Plugin Dealsから、姉妹サイトとして Lunatic Audio が最初の製品とともに1週間後にローンチ予定とメールニュースが届きました。
具体的にどういう製品が扱われるのかまったく情報がないので紹介してよいものかちょっと迷いましたが、ささやかに期待を込めて取り上げさせていただきました。
ちなみにルナティックって言葉は日本語だとメルヘン気味に聞こえますが、あちらだとイイ意味にはなりません。だからスクショに見えるロゴがこういう系統なわけです。
おまけでいうとメンタルって言葉も、あちらだとよくない意味になりやすいので注意が必要ですね。
追記
なんかフリーで配布が始まった!と思ったら、プラグインで遊べるいわゆるピンポンゲームらしく(FREE DOWNLOAD – Retro Pong by Lunatic Audio – Audio Plugin Deals)、上に載せたYouTube動画の評価はなかなかアレなことに。
今後もこのブランドがこういったソフトをリリースしていくのかはまったく不明です。
DAWで動作するプラグインの形式でのミニゲームって、実は昔からそんなに珍しいものでもなく、Klevgrändもテトリスなど(DAW Games – Just for play)、またCinematique InstrumentsからはKontakt上で動作するピンポンゲームがたしか配布されていたはず(CINEMATIQUE INSTRUMENTS – Free Instruments Overview)。
制作中の張り詰めた神経を解す狙いなんでしょうね。
今回は残念ながら拍子抜けしちゃいましたが、次は驚くような製品をリリースしてくれるよう祈りましょう。