Logic Pro 11の記事に追記していましたが、ごちゃごちゃしてしまったため、スピンアウトして整理しました。
目次
【追記】【解決】
6/7の11.0.1アップデートでついにこの問題が解決されたようです。
Rosetta環境下での起動が遅い問題
Rosetta環境での起動の遅さが話題になっており、5/15現在、まだワークアラウンドが見つかっていないようです(Appleには報告済みとのこと)。対応を後回しにしていたプラグインデベロッパー、ユーザーともに差し迫った課題になると予想されます。
Anyone else having an issue opening Logic 11 with Rosetta enabled?
byu/oliverdtsmith inLogic_Studio
急な仕様変更でプラグインデベロッパーを右往左往させるAppleのやり方を眺めるに、プラグインソフトのサブスクを年額で支払うのって、急な非対応に直面したときにデベロッパーを信用する以外方法がなくなるので案外リスキーだと気付かされました。
目下、国内だと影響が大きそうなのは、Melodyne, Piapro Studio, Vocaloid Editor辺り。
- ボカロ絡み
Piapro Studio, Vocaloid EditorともにSilicon対応していないとのことで2024年5月現在行き詰まりかも。 - Melodyne
以前も取り上げたようにARAでの連携動作に問題が起きているらしい。3年ほど前の下記FAQも更新されておらず、ちょっと心配なところ(Celemony: FAQ)。Melodyne(ARA)を使わないなら心配なし。
Logic Pro 11 not opening in Rosetta mode – Bugs & Workarounds – Logic Pro Helpによると、Melodyne(ARA)自体の動作には問題ないらしい。ただ非Rosettaで一度でも起動すると修正結果がデフォルトに戻ってしまう可能性はいまだ残っているのではないかと思っています。 - AudioSourceRE
ステム生成系のソフト中心なので、今回のStem Splitter機能で代用が利くようになったので見切りをつけていいかも(ただし返金されるわけではない)。
不安定になる可能性がある問題
Audio Unitプラグインから、システムが不安定になる可能性がある問題が報告されました。Logic Proを終了してから再起動してください
Audio Unit plug-in reported a problem which might cause the system to become unstable Please quit and restart Logic Pro”
このダイアログが出る場合、Silicon非対応のプラグインを使用して不安定の引き金になっている可能性があります。
Rosetta環境であれば問題ありませんが、上述の通り、Rosetta環境では起動が遅くなりますので、これを機にお使いの環境内で使用されている非互換プラグインを特定されることをお勧めします。
タイミングによっては問題なく読み込まれる場合もあります。また、Logicを英語モードで起動すると、この問題が起きにくくなりますが、いずれにせよ起きにくいだけで問題は解消されませんので、根絶するならこの追記の最後に記した特定プロセスと復元プロセスを試してみてください。
旧バージョンのOzoneに注意
非Rosetta環境で古いOzone(Ozone8, 9)を使用しているなら、iZotope Updaterなる古いアップデートチェッカーが問題の引き金になっている可能性があります。なるべくなら、最新版にアップデートするべし。
Logic Proで”Audio Unitプラグインから、システムが不安定になる可能性がある問題が報告されました。”と表示される
その他の非互換プラグインの特定
上記ページのリストは、Supportedの見出し行をクリックすると要注意なものが優先表示されますので確認してみてください。ざっとまとめると、こう。
- Positive Grid
- Audio Ease
- Boss
- Boz Digital Labs
- Cable Guys
- Cranesong
- Dear Reality
- Expert Sleepers
- GForce
- Iced Audio
- IK Multimedia
- Joey Sturgis Tones
- Kiive
- KIT Plugins
- Krotos
- Kush
- Line 6
- MAAT
- Nugen Audio
- Numark
- Output
- Overloud
- QuikQuak Audio
- Signum Audio
- Sknote
- Soundmorph
- Source Elements
- UJAM
- Unfiltered Audio
- Vengeance Sound
- Vienna Symphonic Library
- XILS-lab
⚠ リストにはない、すでにデベロッパーが開発/更新を放棄したプラグイン等にも注意してください。草の根を含めたすべてのデベロッパーが、Siliconに対応する体力を保有しているわけではありません。
上記リストがいま現在の状況に必ずしも即しているとは限らない点にも注意。
不安定になるプラグインの特定とプロジェクトファイルの修復
- Logicで空のプロジェクトファイルを開き、
- Logicのブラウザから該当のプロジェクトファイルを1トラックずつ追加(取り込み)してみるなどして、危険なプラグインを特定することができます。
- 特定できたら、一度Logicを終了させ、(該当のプロジェクトファイルをダブルクリックするのでなく)Logicのみを起動し、プラグインマネージャーで該当のプラグインのチェックを外し、再度Logicを再起動して(ここ大事)…
- 該当のプロジェクトファイルを開くと、いったん「不安定」ダイアログが出るので[復元]。すると、該当のプラグインが除去された状態でプロジェクトファイルが開かれるはずです。
ささやかなチート
該当プラグインをどうしても使用したい場合は、以下の方法が安全かと思います。
- Logic起動後にプラグインマネージャーで一時的に有効にしてbounce in place(「リージョンを所定の場所に」)して代替プロジェクトを作成(つまりバックアップ)
- 次回同じプロジェクトファイルをロードするときまでにうっかり該当プラグインを無効にするのを忘れてしまうと堂々巡りになってしまうので、代替プロジェクト上の該当プラグインを使用したトラックを削除しておく。以降は、代替プロジェクトのほうで制作を続行。
そうでないならば、起動の遅さを我慢しながらRosetta環境で使い続けるほかないかと。
その他、関連情報