Klevgränd “Gaffel”

Gaffelは、スウェーデンのKlevgrändというメーカーからリリースされた、ユニークなサウンド処理を行うプラグインエフェクトの1つ。
単純に言えば帯域を4つに分けるだけのもので、たとえばDAW上で各パートからセンドした各バスに挿しておくとバンドスプリットするポイントが連動する。非常に扱いやすい。

Gaffel - Klevgränd produktion
Gaffel – Klevgränd produktion

帯域ごとに分けてエフェクターを別々にかけられたらいいなと思うことはあったが、自力でやってみるとスプリット・ポイントの設定を調整する時点で既にだいぶ手間がかかる。

Gaffelがどういう動作をするのか、メーカーの動画ではわかりにくかったので、試用版をインストールして画面収録した。
真ん中のトラックに使用しているのは先日アップデートしたKomplete11に入っていたFlesh(by Tim Exile)。
Komplete11についてはもう少し落ち着いたら感想をまとめる予定。だけど正直あまりいい感想にはならないと思う。

Gaffel すなわちフォーク、分岐

試用版なので途中で音が途切れた…。各バスに挿したGaffelのスプリットポイントが連動した効果はわかるはず。
なお、この動画では各チャンネルスプリットからバス・センドしたのだが、トラックスタックでまとめてしまえる状況ならそのほうがさらにラク。
これが簡単にできるということは、もともと単一のトラックにあったキックをサイドチェーンの信号として用い、同じトラックのキック以外にコンプをかけてサイドチェーンを拾うということが可能になる。
まあ本来使わなくてもそれは可能だけど、視覚的にこちらのほうがわかりやすいのではないか。

単純にバンドごとにエフェクトをかけるのもよいのだけど、画面収録中いちど試したように、特定帯域だけパンを振ったり、他にLRひっくり返したり、逆相にしたり、Stereo Widthを狭めたりというのも当然可能で、発想次第で可能になることががぜん増えそうだ。DJやライブでのギミックプレイもラクそう。
またLogicだと最近のアップデートで単一のチャンネルスプリットの中でのプラグインのDual Mono処理が可能になって、つまり1つのチャンネルスプリットの中でLRやMSを別々に扱えるようになったので(表示も分かれたほうがいいとは思うのだが)、MSで別々のバンド処理を連動させて行うことも可能だろうと思う。…って書くとわかりにくいか。でも全部は説明しないでおく。

Klevgränd製品は、実験段階のものが多いか

自分の環境に導入するかは考え中。今そんなに必要に駆られてはいないので。

Klevgränd製品はJussiなんか見ると「いやぁ、どうだろ…」と思ってしまうのだけど、Røverb辺りはイカしてる。
北欧という先入観もあるかしらんけど、デザインがシンプルで惹かれる。

Estonia Grand Pianoも気になる

Klevgränd以外の話題もついでに(何かの機会に別記事に分けるかもしれない)。
ゲームや映画の音響に向いた秀逸なライブラリーを扱う8Dio.comの1971 Estonia Grand Piano for Kontakt VST-AU-AAXも素晴らしい製品だと思った。

1971 Estonia Grand Piano for Kontakt VST-AU-AAX
1971 Estonia Grand Piano for Kontakt VST-AU-AAX

ただ惜しいかな、ピッキングとされる音色のノイズが気になって導入を検討するには至らなかった。
製品もよいのだがデモトラックのクオリティがなかなかで、音の分離、空気感、その他こまかな処理が非常に自分好み。
Gaffelを見るより前に8Dio製品を見ていたので、Gaffelを使ったらどんな問題が改善できたり新しい手法を作ることができるかとすっかりクリエイティブな気分になってしまっていたかもしれない。
会社の所在はどこなのかとメーカサイト内を探して回ったのだけど、すぐ見つかるところには書いてないみたいだ。