Logic Pro : Binaural Pan の使い方など

Binaural Pan とは

Binaural Pan とは、ひっそりとLogic Pro Xに備わったPanモードの1つ。

立体音響チックなミックス

Logicのアウトプットリスト
Logicのアウトプットリスト

久しぶりにニセ立体音響チックなミックスをしている最近です。
昨夏iMac環境に移行し、以前よく使っていたWave Arts Panoramaが使えなくなってしまった(そもそも64bit対応してないので時間の問題だった)ので、何かそれに変わるものはと探していたんですが、Noise Makersくらいしかありませんでした。

ニセ立体音響チックなミックスが久しぶりとは書いたけど、Stereo Spreadや遅いModulationエフェクトで定位を遊離させるのはちょくちょくやっていました。
ちなみにStereo Spreadとよく似た効果を出すNugen AudioのStereoplacerというのもあります。

実はLogic Pro Xに標準で備わった Binaural Pan

そういやLogicのチャンネルストリップのStereo Outputって箇所はBinaural Panを含むアウトプットモードの選択ができたのだと思い出しました。
Logic Pro Xヘルプには「『詳細』環境設定で、『サラウンド』を選択すると表示されます。」とあるが、少なくともうちでは「サラウンド」のチェックが外れていてもバイノーラル・パンを選択できます。

Binaural PanモードにするとPanノブの表示が切り替わり、そこをダブルクリックすると制御ウィンドウが開く流れ。

操作方法と注意点

Binaural Pan(バイノーラル・パン)のウィンドウ
Binaural Pan(バイノーラル・パン)のウィンドウ

現バージョンではスクショのような画面でPlanar(平面)とSpherical(球面)の2つのモードを選択します。
印象としてはSphericalのほうがよさそうですが、このモードはSizeと位置のみがマウスでコントロール可能(Control画面に切り替えればもう少しパラメータが増える)で、平面の傾きや距離も簡単にマウスコントロール可能なPlanarのほうがミックスやお遊びとしては扱いやすい。

⚠️ Sphericalモードの描画は正距方位図法のようなもので、示された円の最も外側は南極…とはいかないまでも下20°までであることに注意が必要。
いずれのモードとも、Option+ドラッグで値が初期化され、Shift+ドラッグで円周を描くような移動が可能になります。

Dopplerは、距離によって遅延が発生する文字通りドップラー。遠ざかるとピッチが下がり、近づくと上がります。
なので、ES2かなにかで少し高めの音程の鋸歯波を鳴らしながらBinaural Panをグリグリドラッグしたら、蚊が飛んでるような効果を簡単に作れます。
音楽的には少々邪魔な機能だけど、使い方次第で少し違った印象を与えることができます。
たとえばこのBinaural Pan自体はプラグインエフェクトではないのでDry/Wetのバランスを取ることができないので、Busセンド先のみをBinaural Panに設定して元チャンネルの音と同時に鳴らせばDry/Wetに似た処理になり、結果、定位を伴ったフランジング効果が得られます。実用性としてはいかがなものかって感じだが小ネタとして備えておくにはいいかもしれない。

Interactive Audio Software | Noise Makers
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