先日のMODO BASSがいま求めている音と若干違ったので(もちろんもう少し工夫してみるつもりではあるが)、 Ample Bass Y II はどうなんだろうと。
12/13にリリースされたばかりらしい。
モデルはYinYang
ボディが太極(中国語のピンイン表記はtài jí)マークのFoderaのBass、陰陽(同様、yīn yáng)で、Victor Wooten(以下、Vix)が使用しているモデル。
Foderaといえばお高いベースの代名詞みたいなもんで、本当に上手くないといい音が出ないとかどうとか。
つっても、イケベのハイエンドベースのページ見ればわかる通り、お高いベースはFoderaに限らんのだけども。
デモの音源はVixのこの動画の1分辺りからを拾ってるっぽい。
1分20秒辺りのとこはこうじゃないのかな。
デモのほうは「カバー」と言ってるから、ツッコんでもしゃあないか。
シリーズものは少し安く買える
Ample Soundの製品としてはAmple Guitar Mってのを使っていて、多少の重さは気になるものの、ここぞというときに投入できる安心感のあるブリリアントな音が魅力だった。
製品を一つ既に所有していて、かつPaypalもそれなりに設定しているので、Yinyangは7,000円半ば程度で買えた。
Ample Bass Yinyang II 操作感
さて使ってみての感想というと、ハッキリ言ってAmple Guitarから機能を削ってBassのサンプルが埋め込まれた印象しかなく、「これがあれば、こんなこともあんなこともできるようになる」的な期待が全くない。
MODO BASSにあったようなピックアップバランスの仕組みは無いに等しい。
ツーフィンガー、パーム・ミュート、ハンマリング・オン、スラップといった奏法の違いは網羅してくれているし、特定の条件下における弦のビビりなど細かい部分でリアリティを追求していてすごく感心するのだけれど、あくまで本質はYinyangの4弦ベースを幾つかの奏法で弾いた音をサンプリングしたパッケージに過ぎず、たとえばE弦より低い音程なんかはツーフィンガーなら鳴るのにスラップだと鳴らないなど、プラグインを使う自分が曲を選ばされてしまう煩わしさを感じてしまう。
その点で考えると、ピックアップバランスを変えられ、弦の本数やドロップDの設定もできて、曲にある程度合わせることのできるMODO BASSのほうが印象がいい。
先のフレーズを打ち込んでみるとこんな感じになったが、はたしてこれは便利かというと…ダメだろ、これ。
もちろんじっくり作りたい人にとってはいいのかもしれないけど、いい音を使ってざくざく制作を進めたいという人にとっては二度手間と言って過言じゃない。
キー・スウィッチ手法はそろそろ限界か
MODO BASSも似たような打ち込み方になる。
Trilianにおいては、ベロシティが120や127になるとプルになったりスライドになったりするから、キー・スウィッチを打ち込まなくてもわりとサクサク作業を進められたものだ。
Vixばりのカッコいいフレーズにしようとしたらサムピングとミュートとプルが忙しく切り替わる奏法になってしまうのがほぼ自明であるにも関わらず、キー・スウィッチで行わせようというのは残念ながら工夫が足りないなと思う。
そして前の記事に書いたようなアーティキュレーションIDでもこの場合、手間はほとんど減らない。
さっきも書いたように、お仕事でざくざく仕上げていきたい人にとっては、ベロシティ・スウィッチで切り替わるTrilianを必然的に選んでしまうと思う。
Foderaの音をDTM環境で鳴らせるぜというのは魅力だけれども、たぶん買っても次第に使わなくなるんじゃないかなと思うので、もしもMODO BASSとどちらにするか悩んでいるならMODO BASSにしておいたほうがストレス少なくていいと伝えたい。
※Logicの場合はアーティキュレーションマップを作成することでキースイッチ手法を活用できるかもしれない。