Wavelet Audio “Secunda”
ロシアのデベロッパー Wavelet Audio から、カルギラー(Kargyraa, каргыраа)方式の喉歌をフィーチャーしたKontaktライブラリー、Secundaがリリースされています。いわゆるネイチャー系の生き方をしつつ芸術活動に勤しむRen Vas Terul氏をフィーチャーした製品。定価が$199で、イントロ価格$159。Kontakt Player対応。
Wavelet Audioは映画音楽、トレーラーなどでの使用を想定した製品開発をしており、本製品もその一部。各製品名の由来には意味がありそうでなさそうで、ちょっとわかりませんが。
クオリティ
サウンドについては上記映像で見られるとおり。
少し荒れて聞こえる部分もあり、Kontaktのタイムストレッチング・アルゴリズムの臨界に達しちゃうのかなと。
ベースくらいの音域だと基音のサイクルが長くなり、倍音やノイズ成分が多いとなおさら、音程抽出やタイムストレッチの正確さが落ちるので、荒れて聞こえるようになっちゃうのも仕方ないとこはあります。歪ませたり、ほかのパートで意図的にマスキングすることである程度目立たなくすることは可能ですけども、単体で聞かせようとすると無理は出ちゃうかな。
そういった意味で、あくまで個人的な意見ですが、製品のクオリティとしてはあと一歩。
ただ、そうして収録したサンプルを組み立てるべく実装された幾つかの手法は新鮮に見え、マンネリ化しつつあるサンプルライブラリーの在り方に一つの突破口を与える可能性があります。
なお、製品説明によると収録内容は喉歌だけではない、と。
じゃあ具体的に何が収録されてるのかというと…製品ページに記されていません。
マニュアルを見てもハッキリとは記されておらず、上記映像で聞かれるうめき声やリズミックなフレーズを指すのかなと思います。
カルギラー方式とは
カルギラー方式の喉歌とは、痰を切る「ん、ん゛ー」のような音声を持続させる手法で、うまく制御すると基音のオクターブ下の声を発することができるというもの。
Kargyraaで検索すると訓練方法の動画がいくつか出てくるので、ホーミーやホーメイとまた異なる喉歌に挑んでみたい人はどうぞ。