Native Instruments “Jacob Collier Audience Choir”

Native InstrumentsがJacob Collier Audioence ChoirなるKontaktライブラリーを無償で配布しています。Kontakt Player対応で、NIアカウントとNative Access 2が必要。
Jacobについてはもはや説明不要。
大谷選手と並ぶ、常軌を逸したレベルに達してなお意欲を絶やさない現在の双璧と言ってよいかな。若い時分に才覚を発揮しながらもどこかで息切れして常人の域に収まる例のほうがわりと多いので、もはや唖然としますよね。
というより、同じ部類の達人はたぶん人知れず大勢いて、メディアに取り上げられることはないけど偉業を達成していると考えるほうが正しいんだろうと思います。
閑話休題、Jacobがライブで行うオーディエンス・クワイヤをKontaktで味わいましょう、という製品ですね。XYパッドで母音のコントロールができます。クワイヤだとクロスフェードでそれらしく聞こえるというのは一つのポイントと言えるでしょうけども。
製品については、大体こんなとこ。
ボーカルハーモニー徒然
最近YouTubeでSophie Aprattというシンガーが目に止まりまして、多重録音によるクランチ・ハーモニーの実演が非常に素晴らしい。アップロードされた動画は8つのみですが、どれも完成度が高い。経緯は知らんですけど。
何度か書いたことあるように、ボーカルハーモニーではうねりを無くすよう喉で精密に調律することで、より美しい和声が生まれます。リアルでハーモードチューニングするようなものですが、喉なので楽器より調律がラクといえます。
バーバーショップハーモニーの面白さの一つがそこですね(演技の面白さももちろんあるけど)。
これも以前書いたように、見事にハーモニーがピタッとハマると、異なる音程同士の倍音が積算されて楽譜にない音程として出現することがあり、これを「天使が加わる」と称えたりします。
Sophie Aprattも言及しているEric Whitacre。Spitfire Audioのサンプルライブラリーでもフィーチャーされているように、コーラスをフィーチャーした表現を行う作曲家です。
彼をオマージュした次の動画でも、音符にない高い音程が聞こえる瞬間があります。
やはり一度この共鳴現象を体験しちゃうとのめり込む人が出てくるのも宜なるかな。
むろんボーカルハーモニーに限らずあらゆる楽器で倍音が積算されるわけですが、元がボーカルハーモニーだからこそ神秘感を与えることができてるわけですね。
闇雲にハモれば天使を呼び込む神秘を得られるわけじゃなく、相応に音響物理の知識があってこそ呼び込みやすくなるわけです。巷で話題になるオカルトと突き合わせると皮肉めいたものを感じます。