W.A. Production “InstaChord 2”
やること多すぎて動作確認できていないのですが、WA Productionのコードパート制作補助ツールが InstaChord 2 アップデートされ、70%オフになってるようです。
コードと称するものの、どちらかというとスケール補助ツールの印象が個人的には強くて、ちょっとマニアックな音階も備わってます。
ちょっと画面がわかりづらいのと、このソフトはどうだったか定かじゃありませんが、コード表記が日本風じゃなく海外風なのが紛らわしく感じるかもですね。
SONICWIREのほうはまだリリースされてませんが、来週半ば頃には来るんじゃないですかね。
InstaChord用のサンプルパックも多々あるようなので、突然、作ったことないジャンルの制作依頼があったときなんかの支えになるかもです。
追記:デモ版を試す時間ができたのでイジってみました。
本バージョンではコードの鳴らし方にバリエーションが増え、Instacomposer由来のAIによるパターンジェネレーターを搭載。総合的に見て、そこまで印象は悪くありません。
UIの残念さは変わらず
ただ、前バージョンからデザインの古臭さと窮屈さをそのまま引き継いでおり、少なくともビジュアル的には導入意欲をそそりません。
相変わらず圧迫感のある情報密度で、機能の重要度や利用手順が、ぱっと見じゃまるでわかりません。
機能に面白みがあるだけに、インターフェースがもったいない。
AIの力を借りたパターンジェネレーターはいい感じ
他のソフトのアルペジエイター(パターンジェネレーター)のスクショも載せてみましょうか。少なくとも自分は、編集/表示部分が小さくなるほど意欲が萎えて感じます。
現行のDAW純正および他社製品(内蔵含む)のほとんどが4声を限界とするのに対し、Instachord 2はいちおう7声までサポートしており、ReasonのDual Arpeggioのように声部の分離が可能。ベースとルートとを特別扱いしているため、声部の勘定方法をどうしたもんかとは思うのですが。
Instachord 2のパターンジェネレーターは、“あるある”な範囲内で毎回異なる結果を吐き出してくれるので、マンネリに困ってるときにはヒントになりそう。
エディター部分も、現行のDAW純正および他社製品(内蔵含む)のそれが特に各デュレーションのバリエーションがせいぜい3,4段階止まりであるのと比べると、手に余るくらい。いや、少々細かすぎか?
多重和声、複雑な曲構造とフレージングの幅
あくまで、自身の作風との兼ね合いになるのですが、多重和声を用いることが多い身としては7声まである程度制御下に置きつつフレーズ自動生成してくれるのは結構ありがたい。現状はコードノートの範囲内に限られますが、他のソフトのように半音上やら1音下やら動かせるようになってくると、より楽になる可能性があります。スケールの概念を内包しているのだから、その機能は搭載されてもいいんじゃないのかなと思います。ただしそもそもが、ギターを奏でるようにコードを楽に鳴らしたいというモチベの賜物なので、この機能の搭載は望み薄か。
もっぱら、ラクをしたいのと、手癖を出したくない(=インスパイア元として扱いたい)のとが自分にとってはポイントです。
語弊のないように書いておくと、「ラクをしたい」というのは、どうもしっくり来ないシーケンスフレーズを変えようってときに一旦作ったものを1〜数小節規模ちまちま変えたり、それもイマイチだったときに元に戻すのがべらぼうに時間がかかってしんどいから「ラクをしたい」って話。
リトリガーやラッチに対してもアルペジエイターやパターンシーケンサーは今のところ総じてあまり反応がよくありませんね。こういう制御はReasonが非常に巧い。
もう一つ欲をいえば、コード進行が複雑だったりキメやブレイクの多い邦楽方面では、現行のアルペジエイターやパターンシーケンサー、ひいてはコードバンク(たとえばAmple Guitarに内蔵されたコードメモリー)じゃまだ保存箇所が少なすぎます。転調をオートメーションできれば多少楽になるかもしれませんが、実用に堪えるには至ってません。
Instachord 2のパターンジェネレーターがフレーズの発想にヒントを与えてくれるとはいえ、少なくとも僕の作風においては、「欠かせない」ものにまだなりそうにないかなと思いました。