OTT でピアノ音色を明るくする

Xfer RecordsのOTTの使い道を探っていく中で、LogicのEXSに収録されているような”悪くない音だけどなんか濃い”Steinwayのピアノ音色をOTT経由で加工すると意外と馴染ませやすくなることに気づきました。

OTT過去記事とClean XOVに関する補足

と、その前に過去記事ぺたり。

OTTで調整可能なパラメーター

上の記事で触れているClean XOVのパラメーターの件、Logic以外での操作方法を記しておきます。

  • Cubaseだと一般エディターに切り替えるかトラック上にオートメーションを明示的に入力しておくことで設定が可能。
  • StudioOne 3だとエディターの画面切り替えがないようなので、オートメーションを明示的に入力しておくことで設定可能。
  • Ableton Liveはオートメーションやマクロコントロールのパラメーター一覧で設定可能。
  • Reason 9.5だとCVパラメーターで設定可能

🔔 値0がOFF、1がONといういわゆるToggleスイッチ(boolean)でありながら、DAWによってはオートメーションを0〜127で呼び出す懐かしい設計になっているので若干注意です。

手持ちの音色群

うちのLogicのサンプラー音色群には、LogicがEXSの機能を搭載したころの音色がまだ残っていて、それらは当時の常識に合った軽量設計のため今使う場合には軽くて便利なのだけど、それにしたって音が古めかしい。帯域が狭いというか。
Logicの最新版をクリーンインストールしたときのEXSの音色はどうなんですかね…。

そのLogicのSteinwayの音色、Steinwayらしく硬めで華やかで悪い音ではない。
弱めのベロシティでもけっこうしっかり存在感があります。
データを見ると2013年に音色データが更新されているようなのだけど、でもやっぱり重心が低めなので、J-Popに使うにはバタ臭いし、派手なEDMに使うにもちょっと厚すぎて音圧を上げにくい。

こういう、打ち込みらしい曲調を作るにあたって使いやすいピアノ音色は…ベロシティレンジがさほど広い必要もなく、お蔭で軽量で、音質はといえばジャリジャリにサンプリングレートが低いのも悪くないけどなるべくなら高いほうがよく、妙にステレオ感が強いわけでもなく(Stereo Widthを狭めると位相の関係で音痩せしやすい)、高域の金属感が響いたものが都合いいと僕は考えていて、手持ちの中でいろいろ試してもビンゴといえるものがなかったので、一時期はEXSのSteinwayの音をSpeakerphoneに通し、マイクをSH52に変更してカリッカリの音にしていました。
結果としては、音の伸びが逃げていく印象の音で、微調整をSpeakerphone上のコンプで行うのは難しいので、仕方なく別にコンプをもう1つ挿して潰してました。
そのうち煩わしくなってきて、次第にそのジャンル自体作らなくなっていきました。

Nu Disco、一部のFuture Bass、Chill Wave辺りがまたピアノ音色をフィーチャーし始めたくらいの時期、「Ableton Liveのピアノ音色くせえの使ってんなあ」とは思ってましたが、それならと言ってこれだけのためにLiveをたとえReWireでも立ち上げるかっていうとしんどいし、Liveのピアノ音色も読み込みが遅いし、もっと手軽にできないかなと。

方針と現状の最適解

上記のスクショ群と下記プレイリストについて補っておくと、まず音源に関しては…

  • Rolandの例のピアノ音色はこの手のジャンルだと使いやすいのだけど、Concertoに入ってる音色はフィルターが閉じていくような音になっていて全然ダメ。かといって、SoundCanvasのピアノ音色はループが見え見えで、サンプルレートも低く、ステレオ感もないので、わざわざ古めの音にしたいとき以外には向いてない。
  • KORG GadgetのDARWIN(M1)は例のM1のピアノらしさあるけど、なんか違う(KORG Legacy CollectionのM1と比べると謎のステレオ感がある)。Italo HouseやRave辺り作るにはいいんだろう。
  • HALion 5は起動に時間がかかるのと、Logicのプロジェクトを一度閉じてまた開くとHALion 5が起動しなくなる問題があって、便利とは言い難い。
  • Ableton Liveは既述の通り、ピアノの読み込みが遅く、ReWire使うのは邪魔くさい。
  • Reason ID8とNN-XTは、音色は嫌いじゃないがReWireで立ち上げると音が鳴りっ放しになりやすいのでなるべく使いたくない。Spikey Pianoはちょっとわざとらしい。
  • NI Kontaktの中でもAlicia Keysは硬めで使いやすいが容量がでかい。各拡張設定(ペダルのノイズなど)を全部外せば320MBくらいでロードできる。

エフェクターに関して…。

  • EQは一辺倒にかかるのでこういうケースでは按配が悪く(機会あれば改めて書く)、やるならアナログのEQを通すほうがよさそう
  • Exciterは中高域に元気は出るけど、高域の華美さを作るには向いていない

つまり何らかのシミュレーターを通すか、流動的に変化するインテリジェントな仕組みのエフェクトもしくは擬似的に高域を付加するRoth-AIRみたいなエフェクト(声やドラム、ストリングスなどもともと高域にノイズが交じる音色には効果抜群だけど、もともとチャリチャリでないピアノ音色に使っても効果は薄い)を使うのがこの場合はよさげ。
軽量で一定のシズル感と金属感が保たれているとなるとEXSのSteinwayに緩めのOTT設定を施してやるのが現状では最適解かなというところ。

OTTってことはMultiband Compressorなので、OTTを使わずとも意図的にキツめに設定したMultiband Compressorを薄めにかけてもいいのかなあとは思います。

なおドラムパートはLogicのDrummerのプリセット。