iZotopeのオススメする5曲って記事(削除済み)のときに Snarky Puppy のCulcha Vulcha中の曲がリストアップされていて、でもどういうミックスがなされてるか知ることができたらもっと収穫大きいのになあと思ってました。
そうしたら冒頭に挙げた動画のように、MixConでそのミックスエンジニアの方が、当該の曲に対してではないのですが同じアルバムの曲について講演されてるじゃないですか。
前半は録りをどうするかって話、後半はその加工とアイディアについての話。
マイクは格別いいのを使っているというわけではなく、でもひたすらカブりを避けることに重点を置いて、それでいてアンビエンスも有効に活用しているとのこと。
中盤から、使用したプラグインの話をしていて、そこで出てくるのが僕でも使うような容易に入手可能な代物、FabfilterのSaturnやNIのGuitarRigの中のOctava、NIのTransient Masterなど。
何を使うと音が良くなるとかって話ではなく、絶対的に録りの環境に配慮することと、エンジニアの経験値や知識、知恵がいいミックスをもたらす証左と捉えるべきなんでしょうね。
言い換えれば僕自身がそれら”ふつうのソフト”の力を発揮させられていなかったり、使うべき場面で使えていないということも意味するんでしょう。
もちろん、クリエイティブなミックスという論点で講演で話すために、ミックス技術を支える重要なプラグインを取り上げていないだけであるとも考えられる。
で、Nic Hard氏がこれらのソフトで加工した音が流れていて、「いや、どうかなあ…」と思う場面があるにはあったのですが、曰く「やってみて判断してもらうのが大事」と。ホントにね…。
昨年のMixConでの別の人の講演(↓)でも登場しているSoundToyのDecapitatorは、活用できそうな気がしてきたら手を出してみようかと思います。
あとUADがやはり大活躍と。
こちらの方は、ふだん耳が音楽をどう聞いているかをライブブリーなミックスを実現させる手法に反映している、という話をしています。
たとえばスネアの音はオンマイクでなんて人間は聞かないから、アンビエンスのチャンネルでしっかり音作りをしてさえやれば、サウンドに充分なリアリティを持たせることができ、ラウドに聞かせることもできると。
いずれも”事細かく”というほどの講演ではないので、アイディアの得方やミックスコンセプトの築き方という方向性で視聴すると楽しいかと思います。