OTTで調整可能なパラメーター

追記:
SonicwireでOTTの日本語マニュアルが公開されています(私が関わったわけではありません)。

ダウンロードどこから?ってなりますが、メールの指示通りに「『OTT』日本語インストール&ユーザーガイド」をクリック。

上記ページの製品の行「サポート」に、当該製品に関する
サポートの件数(テキストリンク)が表示されておりますので
件数表示をクリックすることで、マニュアルPDFの取得ページが表示されます。


OTTとは、EDMの今や代名詞とも言えるプラグインシンセSerumを作り出したメーカーXfer Recordsがフリーで配布している、マルチバンド・コンプレッサーのプラグイン。
よくできてるのは確かで、EDM以外の音楽のミックスにも活用したいところ。

マニュアルがないか探してみたところ、3年前のxferのforumに同様の質問があって、開発者であるSteveからこう回答がついていました。

Ableton LiveのMultiband DynamicsのOTT.advに似せたものであり、マニュアルなんぞ読まずに可能性を探ってくれ

実際のところLiveのそれとは微妙にかかり具合が異なる気がするので、インスパイアと考えたほうがよさそうですよ。
「謎なものとしていじくり倒したほうが意外な発見がある」というのも一理あり。

OTT = Over The Top

そもそもOTTというのはOver The Top(限界超え)の略で、過度のコンプレッションを意味しています。
LiveのOTT.advの設定値はこの通り。

なお、XferのOTT自体がVSTやAUに対応したフリーウェアなので、わざわざ他社のMultiband DynamicsでOTTの設定値を真似て代用する必要はないと思ってます(反応速度の違いは興味深いが)。

パラメーターおよび操作

さて、XferのOTTに備わっている機能は、Logic Pro XだとPluginのコントロール表示にしたり、オートメーションパラメータのリストを見たり、Smart Controlを表示させたりするとわかりやすい。

各バンドのアタックタイムやリリースタイム、入力出力値は、細かく設定できない(それができちゃうとOTTのシミュレーションとは言えないしね)代わりに、Ableton Liveのオーソドックスな機能であるTimeDepthが取り入れられています。
TimeもDepthもいわば縮尺で、たとえばTimeを変更すれば各バンドのアタックタイムやリリースタイムに一定の比率で影響が出ると考えられます。

InGainOutGainはその名の通りなのでスルーして、最下段のUpwd%Dnwd%
ハッキリとはわかりませんが、Thresholdを下回ったときと上回ったときの効果に対して低域/高域強めの係数をかけるもののように見受けられます。
Upwd%とDnwd%はShift+クリックで0%と200%が切り替わります(うまく利かないときもある;IKMultimediaのMODOBASSもそうだが、Retinaに対応しきれていない?と思うときがたまにある)。

H, M, Lはそれぞれ入力ゲインかな。
このノブもShift+クリックで0%と200%が切り替わります。

目立たないのがインジケーターで、それぞれ横方向にドラッグすることでThresholdを調整可能(SerumのMultiband Dynamicsも同様)。
多くのプラグインやLogicのパラメータ等は通常、⌘+クリックやoption+クリック、ダブルクリックで設定値がデフォルトにリセットされるのですが、OTTはプラグイン画面ではリセットできず、コントロール画面でoption+クリックするしかなさそう。
全設定値をリセットしたいならファクトリープリセットをLoadするとOK。
各バンド(High, Mid, Low)のBelow(赤部分)とAbove(青部分)を⌘+クリックするとその箇所がバイパス状態になります。
残念ながらそのバンドだけ活かすSolo機能はないようです。

コントロール表示もしくはオートメーション表示には存在するのに通常表示ではOn/Offの切り替え方がわからないClean XOVは「クリーンクロスオーバー」と読むか、Xが掛け算の意味か(Xferはトランスファーと読むんだろうけど)。
Steve曰く、LiveのOTT.advにもあるパラメータとのことですが、そのおっしゃるLiveの画面上で僕には見つけることはできませんでした。
少し古いバージョンのLiveに備わっていたのか、ソースコードの中にしかないのか、単に僕が見落としてるだけかもしれません。
本来こういうソフトでの「クロスオーバー」とは帯域を指すと思うのだが、実際の機能はいわゆる2倍のオーバーサンプル、つまりいったん内部的に倍以上の精度のデータとして扱うことで加工時に発生しがちなエイリアシングノイズを軽減するもの。
好みでOn/Offを切り替えるといいと思います。