検索流入の記録があったので NI ReaktorのRazorについて、モノとしては若干古いですが、おさらいしつつ簡単なレビューをば。
ド頭で簡単にまとめると、他に類を見ない金属的で鋭い音色が出ますがそれなりに重く、和音での再生や複数起動は鬼門、そんな感じです。
NIの今年のクリプレとしてのTRK-01 PLAY同様、ReaktorのPlayerから読み込んで使用します。
KontourやPolyplexにしてもReaktor Blocksにしても、DAWで表示されるプラグインインストゥルメントのリストには現れないので、わりと存在を忘れがちであり、起動までの流れに慣れないとつい”例の面倒なシンセ”という認識になってしまいそう。
- Native Instruments “TRK-01 PLAY” – makou’s peephole
- 音作りの記録 aka お勧めプラグイン – makou’s peephole
Razorの画面で印象的なのはもちろん中央部のインジケーター。
ただまあ、ここはRazorのさまざまなパラメーターを設定する際にも用いる多用途な画面なので、この流れるような美しい描画は常時表示されるものと考えないほうがいいです。
基本的なサウンドメイキングの流れとしては、OSCILLATOR 1, 2に割り当てる波形(Wavetable)を指定して、FILTER 1, 2に割り当てる特殊なフィルターを指定して、倍音配列に特殊な係数をかけ、ステレオ化し、コンプまたはウェーブシェイパーで変形する仕組みで、個々のパラメーターに対してEGまたはLFOでうねりを加えると。
もちろん不要ならFILTERやDISSONANCE FILTER、STEREO EFFECTS、DYNAMICS & SHAPINGはオフにしてかまいません。
FILTERよりはDISSONANCE FILTERのほうが存在アピールは強いかな。
基音や倍音の軽減、補強するには、右上に位置するSPECTRAL CLIPやSAFE BASSを調整します。
金属的、鋭いといった特徴は、OSCILLATORとして用意された波形種に結構キツいサウンドのものが多いことと、倍音配列にかける係数の影響がでかいです。
そうした仕組みである以上、負荷が高めになってしまうのもごもっともなので、目玉音色としての利用が多くなるかと思います。
なので個人的には、気に入った音色ができたら書き出してSerumなどのWavetable音源に格納してしまうのがいいんじゃないかなと思います。
こちら、参考までにどうぞ(Serumの Wavetable作成手法 – makou’s peephole)。