IK Multimedia “MODO DRUM”

そんなに切迫してるわけではなかったけど、ちょうどいま作業中の曲のドラムパートが行き詰まってたってことで、 MODO DRUM を入れてみました。
MODO BASSを所有しており、クーポンも利いたので1万円半ばくらい。

総評としては中の中。悪くないけど、物理モデリングとして素晴らしいという以外に飛び抜けた要素はありません。
プリセット数はMODO BASS同様にけっこうな数が揃っていて、全体的なトーンは暗め。

先の記事(IK Multimedia “MODO DRUM” : 気になる – makou’s peephole)で記した通り物理モデリングの対象はバスドラとスネアとタムのみで、それなりに細かく設定できてリアリティはかなりあるものの、奇抜な音を作るのは無理。ピッチもそんなに大きく変わりません。
何でも出来る強い音源ってより、オーソドックスなセットを微調整して使うことが可能なドラム音源ととらえるのが順当でしょう。
スネアを連打した瞬間にリアリティが無くなるようなこともなく、物理モデリングだけあってイイ感じに出音にムラが出ますし、リリースを短くしたせいで嘘臭くなるようなこともありません。
仕組み上オーディオデータで鳴らされる各種金物がメモリを消費します。キックやスネア、タムが物理モデリングに置き換わったくらいじゃメモリの劇的な節約にそもそもなりませんからね。

鳴らせるパーツ数は、バスドラ×2つ、タム×5つ、シンバル×クラッシュ5枚(16″が2つ、18″、17″ or 19″、20″で定位固定)、スプラッシュ1枚(10″)、チャイナ2枚、ライド1枚、ベル1枚がリミット。
サブスネアは不可。近年海外でちょくちょく見かける、ローピッチのスネアをフロアタムとして使うような手法も無理ですね。
スティックは2種類から選べます。ここまでできるんなら、マレットや素手、ロッド(竹ひごスティック)やブラシも実現できるんじゃないのかなあ。
ちなみにPlexiのセットに見えるドラは実際には鳴りません。

物理モデリングの出来は重ね重ねすこぶるいいのですが、実用性重視で機能の幅を絞ってしまったようなのがつくづく残念。
物理モデリングって点だけでいえば、バスドラのヘッドを外すとか、多種多様なスティックとか、タムにスナッピーとか、数え切れないくらい大量のパーツを且つロクでもない配置に設置とか、(MODO BASSの弦の設定のように)ドラムヘッドの疲れ具合とか、昔のスタジオドラマーみたいにストレイナーを1箇所だけ緩めておくとか本来は設計できたはず。
売り言葉に期待をageすぎないほうがいいと思います。

セットそのもののバリエーションはそこそこあり、切り替えに何故か長大な時間待たされますけど、デフォのオーソドックスなサウンドでいま作ろうとしている曲のジャンルをカバーできない場合に追加パックを買うなんて必要がないのは(人によると思うが)大きなポイントかも。

キー配列はGM準拠で、C1より下はハイハットとライドのバリエーション、A#2から上は右手打ちゾーンおよびシンバルのチョーク用。
ということは、他社のドラム音源を使っててイマイチだなあなんて思ってMODO DRUMに切り替えるときには、やっぱり大々的にMIDIの打ち込み内容を調整する必要が出てきます。お手軽とはいえ、こういう部分にはもう少し配慮が欲しい気もします。BFD、Superior、Addictive Drummerはキー配列を変更できますからね。

ということで、決定的によいという点が現段階では(個人的には)みとめられなかったものの、MODO BASSがバージョンアップで2種類のモデルを追加したように、MODO DRUMも次のバージョンアップで変化球的要素を多少加えてくる可能性があると思います。
そこに期待していま買うのが正解かどうかはわかりませんが、ある程度安く変える間に買っちゃうのは大きく間違ってないんじゃないでしょうか。