IK Multimedia “MODO DRUM”

IK Multimediaが新製品 MODO DRUM を発表しました。

IK Multimedia - MODO DRUM
IK Multimedia – MODO DRUM

ニュースにない情報を提供できるわけではありません(予防線)。
価格については下記のように記されています(ハイパーリンクは除去したので、詳細な情報はIK Multimediaのニュースページでご確認を)。

価格と購入方法

MODO DRUMのダウンロード版は2019年8月にリリース予定です。IKオンライン・ストアおよびbeatcloud.jpでは、本日よりプリオーダー特価にてご注文いただけます。Crossgrade版は、€99.99以上のIK Multimedia製品登録ユーザーの方がご購入いただけます。

MODO DRUMプリオーダー特価
– IK Online Store:€299.99
– beatcloud.jpストア:35,630円(税込)

MODO DRUM Crossgradeプリオーダー特価
– IK Online Store:€199.99*
– beatcloud.jpストア:23,750円(税込)
* MODO BASSの登録ユーザーには€50.00の割引が適用され、€149.99にてご注文いただけます。

通常価格(2019年8月リリース後)
– MODO DRUM :€399.99 / beatcloud.jp 43,991円
– MODO DRUM Crossgrade :€299.99 / beatcloud.jp 32,991円

先立つMODO BASS(IK Multimedia “MODO BASS” – makou’s peephole)は、音程の連結の部分でどうしても打ち込みっぽさを脱しにくかったり、フレットレスベースやアコースティックベース、エレアコ、チャップマン・スティックなどモデルにリストアップされてない音を出し得なかったものの、モデリング対象のベースの特性、とりわけピックアップ、弦、奏法の再現率が非常に高い逸品でした。
MODO DRUMの紹介動画を見る限り、これが実際に音源の音だとすれば、これまでのドラム音源は一体何だったのかという気分。
設計へのこだわりを持つ人のためのもの? そうじゃない。既に他社のドラム音源をお持ちの方ならおそらく痛感されているでしょう、数GB、場合によっちゃ数10GBのサンプルを読み込むのを待った挙げ句に理想の音ではなかったみたいなメモリ消費と時間の問題が霧消します。代わりに凄まじい演算能力を必要とするかもしれませんが。

個人的にはジャズ系のドラム音源で気に入るのがずーっと無く、しいていえばBattery 3に収録されたキットが比較的理想に近くて、大掛かりなソフトを使うでもなくBattery 3を使うことにどことなく罪悪感を覚え続けてまして。
アクセスが殺到しているようでなかなか製品ページの音源を聞けず結局ダウンロードして聞いたMODO DRUMのジャズ・ドラムのデモは理想に近い音色で、そう、たかだかこのバスドラやスネアのリンギングを得るのにどんだけ散財したことでしょう。
期待して買ったSuperior 3およびエクスパンション、AD、AD2およびエクスパンション、BFD3およびエクスパンション、いずれも実際に鳴らしてみたら欲しいものとは違って、元を取ろうとどんだけあくせくしてきたか。
ただ、このジャズセットのタムの音はMODO DRUMをしても思い描いてたのとちょっと違うかな…。表ヘッドと裏ヘッドのテンショントリックまでは再現できないのかもしれない(その辺は後述のReasonのKong内の物理モデリングのほうが向いているかも)。

で、懸念があるとすれば、先ほど書いたように、モデリング対象でないパーツは鳴らせない可能性が高いというとこ。
たとえばロートタムやオクトバン(キャノンタム)なんかはプログレやメタル好きなら配置したいでしょうけどたぶんない。
近年よく使われるスパイラルシンバルや、これまた最近よく見かけるタオルミュート(Big Fat Snare vs. Wallet and Towel – YouTube)も、雰囲気醸成には本来おいしいギミックで、だけどこれもアルゴリズムとして搭載するにはそこまでの認知を得られてなさそう(NIのAbbey Roadのセットにはタオルミュートの音が収録されている)。
挙げ出したらキリがないのだけど。
シンバルがね、MODO DRUMにおいてはモデリングじゃなくオーディオ収録素材だそうですから、奇っ怪な設計のシンバルを鳴らすことも、奇っ怪なシンバルスタック(アーカイブ)をするのもほぼムリでしょうなあ。
他の音源に収録されたパーツも読み込めるとラクかも(最近の音源は他社フォーマットのものも読み込めることが多いのだけど、Superior 3のように自社の過去製品のパーツすら読み込めないものもあるので、なんとも言えない)。

その他のタオルミュートの例

そういう点で考えると、オーソドックスな音楽をストレス無く作りたい人や、音楽的には一風変わっていてもドラムはスタンダードなのがいいなぁんて人にとって垂涎の代物だろうなあと思います。
と他人事のように書いたものの、僕だってこだわりたい場面はもちろんあるし、だけどさっさと仕上げなきゃいけない曲ならばそのドラムのパーツを読み込むのに何分も待ちたくはない。
何とかしてうまい方法で(不正にという意味でなく、さらに安くなるタイミングとかね)手に入れたいというのが率直な感想です。

ドラムのモデリング、残念ながらここまで素晴らしくはないけども、ReasonのKongに入ってるアレも一応はモデリングですよね。Simmonsのドラムみたいなアルゴリズムで結構面白くて稀に使います。

Kong Drum Designer | Reason | Propellerhead
Kong Drum Designer | Reason | Propellerhead

まずは続報に期待しましょう。