今年に入って久しく出会えてなかった、文明を感じるソフトの登場。Klevgrändの Skaka 。
要はシーケンサー内シーケンサーってやつで、XLN AudioのXOなど類するものが幾つかあるのですが、説明動画の最初のほうで取りざたされている振りもののグルーヴ、これが僕もかねてより気になっていたところでして、振りもののオンタイムはノートオンとイコールじゃないのですよ。予備動作で音が鳴り始めちゃうから、それを踏まえてMIDIデータでは少し突っ込み気味に打ち込まないと心地よさが出ない。
VocaloidやMelodyneを使う人はおわかりでしょう、サ行の文字の実際の音は音符の位置より早めに鳴る、それと同様。
そうしたもろもろと、複雑でややこしいパーカッション・グルーヴの打ち込みおよびループをもっと扱いやすくしようというのがSkakaのコンセプト。
比較的似たことはLogicのLive LoopsのパターンセルやXLN AudioのXOのシーケンサー部、Spectrasonics Stylus RMXのTime Designerでもできるんですが、Skakaがピクトグラムばりに視覚優先デザインになっていて、言語中枢働かさずに作業できるように設計されているところはさすが北欧デザイン。
トラックやリージョンごとの微調整は各DAWでもできたりします(下スクショ)。ミックス時にピークをズラしてクリップを避けたり、トラックごとのわずかなレイテンシーを調整するために使われることが多い機能ですが。
![Logicのリージョンディレイとトラックディレイ](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/2020/10/20101306.png?resize=211%2C672&ssl=1)
![Ableton Liveのトラックディレイ](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/2020/10/20101307.png?resize=388%2C429&ssl=1)
![Cubaseのトラックディレイ](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/2020/10/20101308.png?resize=178%2C570&ssl=1)
ちなみにパーカッションは8種類内蔵されていて、オクターブ12音内に適宜割り振られ、ラップアラウンド状態で使える(かつてのEmuのドラム、FXマップと同様)のがにくい。
グルーヴ・プリセットもわりと充実していて、単純な8ビートや16ビートなどの他にラテンやエスニック、モータウン、Hip Hop辺りまでカバーされています。
今後のバージョンアップには正直あまり期待できないのですが、現状で一般的に使う範囲の機能としては充分と感じています。
価格は、Mac/Win版が定価$49.99でセール価格$24.99、iPad版が定価$19.99でセール価格$9.99と、だいぶ手頃な印象です。