JMG Sound “Cryostasis”

Cryostasis | UnitedPlugins
Cryostasis | UnitedPlugins

先月から数えると3回目の三連休の3日目にして、ようやく休みらしい日を迎えられたので、遅まきながら、ほうぼうで取り上げられていた JMG Sound の Cryostasis をデモってみました。

搭載パラメーターに特に斬新な部分はないのですが、中央のノブが、下部のPITCH, FILTER, LOFI, SHIFTの各コントローラに対してダイナミック(連続的)なマクロ操作に自動的になるのが面白いですね。
ただ、スペクトラルエフェクトに関しては以前取り上げたGS DSPの製品がもう一歩先を進んでる気がします。UI面のわかりやすさはCryostasisに軍配上がりますが。

GS DSP “MagicBlur” – 好奇心くすぐるスペクトラルエフェクト

United PluginsをディストリビューターとするJMG Soundは、過去作ではMirror, Expanse 3D, Nanopulseといった製品をリリースしていて、個人的には、それぞれ面白いエッセンスを感じるけれども他社を大きく引き離すほどの特色を持ってはいないという印象。

JMG Sound “Mirror”

JMG Sound “Expanse 3D”

JMGSound “Nanopulse”

そうした流れで出てきたものにしては、Cryostasisは、何か掴んだっぽいぞと思わされる出来に感じます(偉そう)。
とはいえ、ノブに表示される氷の結晶の絵がキュートではあったり、変化時間の設定がトリッキーで面白いものの、値入力やプリセットメニューがMelda Productionチック(パテントでも関係しているのだろうか;不便ですよね)だったり、ダイナミックに変化するパラメーターに物足りなさを感じたり、実際に活用される場面がパッと思いつかないなど、United Pluginsといって期待してしまう製品ラインとは少し毛色が異なって実験テイストがかなり強め。
こういった、ちょっとでも面白そうなものを形にして出すのは本当に大事なことなのでもちろん大歓迎なのですが、だとしたら機能の見せ方などに「うーん…」となってしまいます。
UIがシュッとしてるだけに、売りとなる機能と有効な使用例が目立つ形で提示されてないと、ちょっと手を出しにくい。この製品でいえば、たとえばLOFIを設定することでノブ中央の絵がLOFIっぽく描画されたり背景色が変化されたりすれば、ぼーっと紹介動画を眺めるような、好奇心のそんなに強くない人でもハッとするんじゃないかと。
…むろん、そうした、説明されないとわからない面白みを紹介するのが僕らの役目なので、こうして言語化しているんですけどね。でも充分に伝わってるとは思わないし、文章読むのが好きな人ばかりでもない。だから一目瞭然なUI面の工夫も欲しい、って話。

情報

  • Windows, macOS対応(Silicon対応)
  • VST, VST3, AU, AAX対応
  • 定価€79、イントロ価格€19