最近積極的に新製品を放り込んでくるように見えます、Tracktion から Dan Dean Essential Bass Collection 。サンプルベースのベース音源ですね。トライアル版のダウンロードがまだ終わらないので、いずれ書きますけど、紹介動画を見た第一印象としては、魅力的な見た目をしています。音の面でいうと、ピック弾きの音なんかはかなり良いけど全体としてフェイクっぽさが残ってる感じ。むろん、他パートと合わせて鳴らしてみないと正しく評価できませんが。
追記
DL完了まで4時間くらい。やっと動作を確認しましたので追記の形でレビュー。
WashburnやAlembicのFretlessなどをはじめとした、シックなモデルのチョイスが魅力。
雰囲気溢れる個々のサンプルもちらほら聞かれ、ピッチベンドやポルタメントによるよくあるケロ化が起きないのは大したもの。
アンプのモデリングもエフェクトも嫌味がなく自然。サウンド面は好感触です。
しかしながらミュートやデタッチノイズを加えるといった「機微」の部分がなかったり、リアリティを演出できるようなアーティキュレーション用のキースイッチもなく、万能とは言いにくい。特に、スラップ音色では今どきサムピングとプルとが別プログラムという、まさかの設計。今や昔のTrilianですらマルチティンバーにすることで自由度の高い共存が可能なのに。
サウンド的には他の競合ソフトを充分に脅かす存在でありながら、設計がボトルネックになってサウンドを活かしにくい。これはどうにももどかしい感覚であります。
ここまでのところ、ナマ系ベース音源としては次のようなものが出ていて、
用途によるので一概に言えませんが、製品紹介動画を見たりデモ版やNFR等で試してみた感じでは、EZbass が使いやすさと質感でアタマ一つ抜けてる印象があります。
MODO BASS 2 は音色の多さ的に抜群だけれども、例えば自分が曲作りに使うベースをこれ!と一つに決めた場合、思ったよりバリエーションに乏しい。また音が安定している反面、物理モデリングっぽさも強くなってます。
EZbassは、となると、拡張ライブラリーが高価なので悩ましい面もあります。
ベース音源で楽曲をドライブしていこうとしたら、「スライド」と「ノートのカブり」を使う必要があると自分は思っています。ギターも同様。だから弾いたほうが早いって話になってきちゃうんですよね。
処理すべき情報量の多すぎる(ゆえに取りこぼしが発生しやすい)ピッチベンドをスライド表現に使うのは、あまり効率的でない。また、たとえば勢いのある曲では異弦をキビキビ乗り換えて演奏するよりだらしなく聞こえるほうが印象がいい。この2つがカブる瞬間も必要。
…要は、こうした望む表現のために効率的に手抜きできる仕組みが備わっていることが自分にとっては大事。