Toontrack “Disco Pop EBX”

ToontrackからEZbass用のエクスパンション、Disco Pop EBXがリリースされてます。
僕自身はディスコ世代じゃないのですが、巷では何度も流行が再燃していたり、クラブ向け等でも依然売れてたりするようです。
で、触れなくてもいいつもりではありましたが、NFRをいただいたのと、Toontrackサイト上の説明ではちょっと誤解を招くのではと思った部分が何点かあったので、補足する意味でもしたためとこうと。

ベースの音色(ねいろ)については、どっしり感よりもクッキリ感が圧倒的に強く、単体で聞くと心細い。でもオケと合わせた時や、EZMIX 2を介した時(これは動画で確認できます)の質感は文句なしで、ABBAを生んだスウェーデンだからってんではないですが、きちんとプロの手が入ってるなと思わされます。
収録されたMIDIフレーズに関しては、いわゆるディスコ調の典型的なフレーズや、おそらく原曲から抽出したフレーズじゃないかと思われるものがちらほら。自分じゃ思いつかないリフも多いので、アーカイブとして結構秀逸だと思います。少しPファンクっぽいものも幾つか。

誤解を与えそうだなって言い回しは3点あります。

一つめは同社の昔の製品(Disco EZbass MIDI | Toontrack)にも見かけられる「double-note-infused」で、これ、たとえば「ダブルノート」と日本語でググると2つの音程を弾くことと説明するYahoo!知恵袋が引っかかりますが、それは一般に「ダブルストップ」と称されますね。ここで言われてるdouble-noteは同じ音程を連続で二度弾くこと、つまりディスコ調でよく弾かれるズンデケズンデケのフレーズを指します(参照:Disco Bass Octaves – TalkingBass)。

二つめは「Muted Slap Articulation」って言い回しで、おお、そんな不思議な奏法があるのかと思っちゃいました(実際あってもおかしくはない)が、EZbassで通常ならスラップ奏法に割り当たっているキースイッチが、この製品ではミュート奏法に割り当たってることを指しているようです。実際のこのミュートがパームミュートなのかネックミュート(ギミック系ベーシストや、ここんとこ注目されているギタリストMatteo Mancusoが使用しているような、ヘッドの部分に巻きつけるパーツは「Fretwraps」と言う)なのかはわかりませんが、打ち込みだと速いパッセージを弾かせられるので面白いことができると思います。

最後、こちらはニュースレターのほうだったか「Flatwound」と書かれていましたが、正確には「Faux Flatwounds」つまり擬似的にフラットサウンドっぽくフィルタしたと思われる音色にあたり、プリセットとして収録されています。ホントのフラットワウンドのベースをお求めであれば、うちではNFRも所持してないため不確実ですが、もう一歩前時代をフィーチャーした製品にあたる「Session Player EBX」のほうがいいのかなと思います。


ドイツのVienna Symphonic Libraryや、このスウェーデンのToontrackは、英語が少し読める人でも「ん、どういうことだ、それは?」と思える言い回しが目立ちますね。もしかするとドイツ語、スウェーデン語の文章を自動翻訳で英語にしているのかもしれません。
マニュアルの翻訳など手伝ったりしていますが、独特な言い回しを理解するのにちょっと時間がかかることが多い(なので、そこに気を取られて誤字脱字が発生しちゃってたらご容赦いただけると有り難い)。必ずしも日本語翻訳されたマニュアルさえあれば安心と言い切れないところではありますが、なおさらわかりづらい英語説明を読むよりはマシじゃないかと、そう自分に言い聞かせながら翻訳作業してたりします。