SWAMとGPU Audioがコラボ

Audio Modeling & GPU Audio To Accelerate SWAM Products
Audio Modeling & GPU Audio To Accelerate SWAM Products

今年4月にVSLのMIR Pro 3Dすなわち立体音響の処理への協力を実現したばかりのGPU Audioが、次にSWAMで知られるAudio Modeling社とのパートナーシップを実現するようです。

この日記では何度もお伝えしているので耳タコかとは思いますが、GPU Audioは、サウンド関係の作業時に力を持て余しがちなPCのグラフィック能力をサウンド処理に使ってしまおうというもので、まずはWindows環境でのエフェクト関連の処理について一般化し、続いてmacOSに対しても最適化が進められてきました。何らかのトレードオフがありうるにせよ、制作におけるCPU負荷の大幅な軽減によって得られる恩恵は計り知れません。特に作業時間の大幅な短縮ですね。
SWAMのほうはというと、アコースティック楽器の物理モデリング音源として以前から知られているもので、特にウィンドシンセのユーザーからの評価が高い。

GPU Audio自体は、この日記で話題として取り上げてまだ2年半ほど。当初は「それがどうした」くらいにしか正直思っていなかったのですが、少しずつ実用的な領域を侵食してきているのを見ると、次はいよいよ自分の制作環境にも恩恵がもたらされるのかなと期待しちゃいます。

で、ここまでのところ、もっぱらプラグインエフェクトだけって印象だったのが、遂にプラグインシンセまで支えるようになってきた、と。
たしかに、以前も記したように物理モデリングの領域は負荷がボトルネックとなってリアリティに限界があったわけで、それゆえ現在の状況でPhysical AudioやChet Singerのプログラムがあそこまでのリアリティを実現させていることに驚きを隠せなかったのであります(SilverwoodがReaktorのライブラリから無くなってしまって心底残念)。

特に負荷が問題となりやすいコンボリューションリバーブ、物理モデリング界隈にとって、今回のコラボ製品が朗報…というか試金石となるのはほぼ確実でしょう。倍音、共鳴、ノイズ成分がより正確に算出できるようになると、ユーザー側の制作面も大きく変わってくるでしょうね。
AASやUVI、あとIRCAM系といった、演算系を主戦場とするデベロッパーも動く可能性が出てきます。名機のシミュレーション界隈も。サンプリングライブラリー界隈には影響ないかも(ロード時間を圧倒的に短縮する革命的な技術でも登場しない限り)。

くしくもAvenger 2のレビュー記事中でもGPU Audioの名前を出したばかりですが、あながち可能性のない話ではなくなってきたのかなと思います。

AI方面もそうですが、グラフィック能力への依存度が増している昨今です。