Toontrack “Superior Drummer 3”

Superior Drummer 3のインストールと動作確認をざっと行いました。

Superior Drummer 3 | Toontrack
Superior Drummer 3 | Toontrack

メーカーサイトでの購入時の注意

このメモを書き始めたときから1週間経ったのでもしかしたらもう修正されているかもしれませんが、メーカーサイトでアップグレード価格で購入ボタンを押してカートに入れると、カート確認画面のすぐ上部に新規購入価格のリンクが表示されてうっかり踏みそうで非常に紛らわしい

DLの遅さ

海外の幾つかのメーカーのサポート情報を読むかぎり提供側の問題であることも多いそうです。
DLに膨大な時間を費やされたSpitfireやThree-Body Tech “Heavier7Strings”同様、このSuperior Drummer 3(以下 ‘SD3’)も、極端にダウンロードスピードが遅い場合はサポートに連絡すると別のダウンロードURLを用意してもらえるようです。

では国内代理店から購入して同様のケースにエンカウントした場合は…というと不明。
どこで購入しようが結局専用ソフトを通じてインストーラーをダウンロードするということであれば、代理店に問い合わせても効果ない可能性があります。

Product ManagerによるDLとは別にサイトから直接DLする選択肢もありますが、ここでDL可能なのはソフトウェアのみで、肝心の重量級ライブラリーはあくまで Product Managerを通じてのみのDLとなるっぽいです。

Product Managerって形式やめてくれんかなあ

Product Manager
Product Manager

ダウンロードやライセンス管理に使用するマネージャーソフトってスタイルが業界で流行っていて、確かに便利ではあるんですが、たとえば初めて聞くメーカーによるマネージャーソフトなんてどんな動作不良があるかわからんのでハッキリ言ってやめてほしい。
国内代理店もそのソフトにマルウェアの疑いがあるかどうかまで確認していないんじゃないかと思いますし。

ひとまずToontrackのProduct Managerについては、いちおう老舗なので信用しています。
他メーカーのそれと比べて情報が見やすいのはGood。

Superior Drummer 3 アップデート&インストール

アップデートを通じてSuperior Drummer 2が使用できなくなるかどうか。これは大事なポイント。
サイトトップにこう記されています。

LEGACY VERSION DISCONTINUED.

Now that Superior Drummer 3 is released, the legacy version is discontinued and removed from the Toontrack Superior Line. It will however still work and be supported throughout the transition.

Content from the S2.0 Producer Presets Line can be opened in Superior Drummer 3 but is discontinued and no longer supported.

Superior Drummer 3 | Toontrack

つまり「当面、今まで通りお使いいただけますが、サポート対象外」なので、たとえば勢い余って SD3 コンテンツもしくは SD3ソフトだけ先行してアップデートしてしまったとしても、制作中の楽曲データに影響が出るということはなさそう。ただし当面
SD3アップデートさえしなければSD2のまま使い続けられるとも言えます。

SD3 アップデートにあたってのライブラリの追加と更新

SD2でのインストール先(デフォの場所かどうか記憶にない)
SD2でのインストール先(デフォの場所かどうか記憶にない)
SD3でのインストール先
SD3でのインストール先

上掲 Product Managerの画面でも見えますが、 SD3に対応するSDXライブラリーが一部アップデート対象になります。
うちでは Avatar S2.0(現在は商品名が変更されているはず)、The Metal FoundyおよびThe Progressive Foundryもアップデート対象になり、EZXエクスパンションは対象外。

コアにあたるライブラリーは、Basic Sound Library, Room Mics, Surround Setup, Height Surround, Additional Bleedの5つに分かれていて、それぞれ分割してDLされます。

なお、インストールはかなり時間がかかります。

旧ライブラリを使用したユーザープリセットは、ものによっては機能しなくなります。
これはSD2のライブラリがSD3のライブラリに置き換わってしまうためで、以前のSD2のライブラリをそのまま新たに設定に加えることのできない仕様である(っぽい)以上、現バージョンではどうしようもないと思われます。
サポート外とされつつも意外と打撃としてはデカそうなので、いずれアップデートで対応されるのではないでしょうかね。

初代dfhのパーツは今のところ一切ロード不可です。したがってCocktail、PercussionistもSD2で読み込むしかありません。

The only exception is the original DFH Superior 1 library. This library is incompatible with Superior Drummer 3.

Superior Drummer 3 FAQ | Toontrack

画面、操作感

わかりやすいようでいてパッと見は慣れませんが、大まかな部分は部品の配置が変わっただけなので、数回使ったら慣れそうです。
前のバージョンで画面が窮屈になってしまっていた箇所が見やすくなっています。

配置は変わっているが基本機能はそんなに変わっていない
配置は変わっているが基本機能はそんなに変わっていない
妙ちくりんなセットもこのように表示(EZdrummer準拠?)
妙ちくりんなセットもこのように表示(EZdrummer準拠?)
地味に嬉しい一覧機能
地味に嬉しい一覧機能
あちこちページを切り替えなければいけなかったものが右側のペインに集約
あちこちページを切り替えなければいけなかったものが右側のペインに集約
インサートやエフェクターが複数ウィンドウで開けるようになった
インサートやエフェクターが複数ウィンドウで同時に開けるようになった

前のバージョンでは左クリックでドロップダウンが出ていた、ドラムパーツの入れ替えアクションは、右クリックもしくは画面上部のドロップダウンで行います。
そうしたマウスの移動距離や画面切り替えに関してはBFD3やAddictive Drum 2と比べると幾分マシで、どちらかというとNI Kontaktのドラム音源の操作感に近い。

サウンド感

こんな感じで打ち込んでみました。
 こんな感じで打ち込んでみました。

何かが格段によくなったという感じは今のところありませんが、個人的にはスネアのボトムがステレオチャンネルになったお蔭で、デッドなミックスにしてもチープにならなくて助かります。
Indie系(インディーズってのとは別)の若々しいラフなサウンドがだいぶ作りやすくなりそう。

ブラシのサウンドも少し聞こえやすくなりました。ただし相変わらず曲中でのスティックの持ち替えは無理っぽい。
自分が頻繁に使っているタムのリムショットは効果的になるものとそうでもないものと結構差が大きいかもしれませんが、BFD3ほどではなさそう。

起動直後のデフォルトセットがGretchになっているためか、Lo-Fi趣味に聞こえちゃいますが、Pearlが比較的J-Pop向きで使いやすそうなので良しとします。

最終出力が奏者視点とオーディエンス視点、要するにハイハットが右から聞こえるか左から聞こえるかって点にこだわる人いますね。
前バージョンはリバースボタンついていましたが、本バージョンではMIXERメニューにStereo Reverse Mixerという項目があります。

旧版ではSonorのドラムセットが大きくフィーチャーされていたのですが、SD3のライブラリーからはほぼ消え去り、Ayotte率が高くなっています。
Sonorから物言いが付いたのかも。

GROOVES機能

GROOVES機能
 GROOVES機能

早い話、よくある「打ち込み面倒なのでプリセット使う機」で、これまでDAWの画面にドラッグしていたのがプラグイン画面の中で扱えるようになってます。
打ち込むのが面倒なときや、リズムパターンに揺れが欲しい場合には重宝ですね。

テンポ追従モードがあるので、安定動作するのか確認も兼ねて書き出してみました。


今のところまだ濃い制作作業には使っていませんが、実際の作業で使ってみて改めて本レビュー記事に書き足しを行うかもしれません。


1.0.2 Update

アップデートが出たよとメールが届いたのですが、何がどう変わるのかProduct Managerを見ても書いていません。
調べてみたところ、アップデートが出る際にはforumにてアナウンスされるようです。

内容

主にクラッシュ対策がポイントで、他にサウンドカードやDAWのサンプリングレート変更がクラッシュを引き起こしてたり、新しいTracker機能周りが結構不安定だったらしいです。

Superior Drummer 3.0.2 is now available to download using the Product Manager or from the ‘My Products’ area in your Toontrack account. Please note that version 3.0.2 is required for the support of Superior Drummer 3 products released from this point forward (Q4 2017).

New:
– MIDI files can now be dragged to the result area in Grooves, provided that a single path is selected within the User MIDI folder.
– More tooltips have been added in the grid editor.

Fixed:
– Selecting certain sounds from certain libraries (in Search for Instrument, for example) could cause a crash.
– The Tap2Find player could crash when you changed presets that remapped the drums.
– It is no longer possible to MIDI learn the pitch wheel.
– Loading or saving Velocity Curve presets on a stack could cause a crash.
– Choosing “Select Parts” in the library preset menu could end up selecting the wrong preset.
– If ‘undo’ changed number of instruments and Edit Play Style was open, it could crash.
– A crash and a bug in text search has been fixed.
– A bug with copying notes in the grid editor has been fixed.
– Changing presets while having Song Creator open with a source loop could cause a graphical glitch.
– Right click in the time signature editor no longer deselects all other regions.
– A change of sample rate on the sound card should now get correctly handled by the standalone.
– The favorite setting (star on/off) in Grooves was not loaded properly from projects.
– Browser settings in Search for Instrument (visible columns, etc.) were not saved in projects.
– Bounce would never use processed pitch.
– Undoing stack manipulation with inactive stacks could cause a crash.
– Adding new mics or opening Search for Instrument while sounds were being loaded could cause a crash.
– It was not possible to add a groove from the song track to User MIDI if it was an altered version of something already found in the browser.
– The graphics of Electronic and Southern Soul EZXs have been adjusted.
– Dragging a custom song block (with no file path) to Song Creator made the “Source File” unplayable and undraggable and it also incorrectly had “Show in Browser” enabled.

Fixed in Tracker:
– The playhead position in the scrollbar was not updated while playing.
– Buffer and sample rate changes were not handled correctly.
– Files with the extension “.midi” can now be imported as tempo maps.
– The tempo map is now cleared when New Project is selected.
– The sample position did not get synced when a track was added while playing.
– Find Tempo did not always work with multiple time signature changes.
– Some precision could be lost on found hits when loading a project.
– When looping, the triggered MIDI and the original sound could become unsynced.
– Selecting New Project while having the Tracker tab open could cause a crash.

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