Softubeからソフト音源、 Monoment Bass 出ました。
Rekkerd.orgのVirtual Instrumentsって言い回しを見ると、”この見た目なのにMODOBASSみたいな物理モデリング”なのかと思っちゃいましたが、”エフェクターの印象の強いメーカーであるSoftubeがソフト音源を出した”ってニュアンスっぽい。
Softube : Monoment Bass(Plugin Boutique)
Rekkerdからのリンク先はPlugin Boutiqueになってるけど、Plugin Boutiqueではデモ版を落とせず、Softubeから落とす必要があります。
Softubeも他メーカーに倣ってSofttube Centralなるソフトウェアマネージャー方式に切り替えている最中のようで、Macの人は(アカウントを作った上で)ベータ版のSoftube Centralをダウンロードし、それ経由でデモ版をインストールすることになります。
デモ版は20日間動作します。
![](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/pz-linkcard/cache/e7aa36dd77469b51342fd47fa7708da96665ad218d2f3066bef0e1246a2f0b63.jpeg?resize=100%2C108)
![Softube Central | Softube](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/2019/06/19061203.png?resize=840%2C656&ssl=1)
実際デモ版を試してどうか。
いわゆるEDM系のガツガツビリビリした音ってより、Synthwave系のレトロでどっしり太い音を奏でるのに向いていて、
- オシレーター波形のエディットはできず、大量のSOURCEから選ぶ
- EGらしいEGは見当たらないが、点在するパラメーターを組み合わせて音を作る
ただしSpectrasonics Trilianのように、エンベロープのディケイ込みでサンプリングされた波形データがあるようで活用上悩ましくはある - 名機のフィルターを掻き集めたフィルターバリエーションなど一切なく、用意されたフィルターカーブから選ぶのみ
- SOURCEのバランスや発音に対するコントロールを持つ
- シンセベース音源にうってつけのドライブ、アンビエンス、EQ、マルチバンドコンプ(細かい設定は不可)、イメージャーを搭載
と冒険的な構造になっていて、もどかしい部分はあるものの(この時点では)好印象。
たしかに最近、EDMじゃないベース音色を曲に馴染ませるためにチャンネルストリップをエフェクトで目一杯埋めてしまうことが立て続いていたので、強力な環境が整ってほしいと思ってたところでした。
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しばらく使っているうちに、僕の環境というか制作習慣の面で決定的に受け付けないことが何点かありました。
- 鳴らせる音域が3オクターブくらいとけっこう狭い
- LogicのMIDIリージョンの継ぎ目で何かがリセットされる(おそらくRetriggerに相当するもの)
- Parallels同様、一覧性の低いPresets方式
![Softube : Monoment Bassプリセット画面](https://i0.wp.com/www.makou.com/wp-content/uploads/2019/06/19061206.png?resize=840%2C687&ssl=1)
音程ジャンプをギミックとして使うことの多い僕としては音域の制約は痛手で、せっかくのオイシイ音を活用し切れず悔しい。
Parallelsとあわせて考えるとソフト音源の在り方に対する現状のSoftubeのスタンスが見えてきます。
一般的なトラックメイクがMIDIデータ等でフレーズを打ち込んでからインサートエフェクトでサウンドメイキングしていくのに対し、Softubeのそれらは、フレーズを作る前に音色を充分に加工しようとしてますね。
この方式は従来のシンセのノブ/フェーダーやらルーティングやらの仕組みに慣れている人にとってはもどかしそうですが、逆にそうした仕組みがストレスだって人には便利な手法になるかもしれません。
従来のシンセに慣れていても、その仕組みのせいで制作がマンネリ化してると悩んでたり、いっそ脳みそ挿げ替えて新境地をって考える人にとっては足掛かりになるかもしれません。
定価は$99で、Plugin Boutiqueでは7/12まで20%OFFで購入できます。