Ólafur Arnalds 事故と自動演奏

An injury left Olafur Arnalds unable to play, so he turned to machines - CDM Create Digital Music
An injury left Olafur Arnalds unable to play, so he turned to machines – CDM Create Digital Music

タイトルが気になったので読んだところ、どうも事故による神経の損傷で1年〜1年半の間ピアノを弾くことができなくなり、和音は弾けてもフレーズを弾けないことから、Ólafur Arnaldsはフレーズを背景音として捉えるに至り、友人とともに開発したStratusというソフトを使ったre:memberを制作したということらしい。

一応、iTunes Store(この言葉いつまで使えるんだろうなあ)へのリンクも貼っときます。

この事故が最近の話なのか昔のエピソードなのか、叙述トリックばりに判然としないんですが、Stratusに関わる少し前のことかなと思いました。
ちなみに日本語版Wikipediaの記事には2016年以降特に更新がなく、RA Newsの記事も日本語版には存在しません。
CDMの記事で最初に紹介されているGreat Big Storyの動画の中で本人の口からさらりと語られている程度。

Following an accident, musician Ólafur Arnalds suffered nerve damage that left him unable to play the piano. That’s when he discovered the power technology granted him in innovating on the classical form. He got to work with a programmer to create a software called Stratus that controls self-playing, semi-generative pianos. It’s all supported by some complex mathematics and a wildly creative vision. While Ólafur plays an electronic keyboard onstage, the two upright ghost pianos accompany him, creating a cascade of complementary notes. It’s an incredible system that fuses the physicality of classical music with the ingenuity of electronic music.

In this episode of SOUNDWAVE, Ólafur delves into the creation of his Stratus software and walks us through how he composed the song “unfold” from his latest album “re:member.”

Creating Music With “Ghost Pianos” | Ólafur Arnalds – YouTube

この日記で何度か取り上げてきたコードアシスタントソフトウェア、あれらは伝統的な音楽理論上望ましいものをチョイスしてくれるように進化中なのですが、彼用のソフトウェアではいわばエラーが加えられ、結果、YouTube動画の解説欄でいう「fuses the physicality of classical music with the ingenuity of electronic music(伝統的技法と電子音楽のアイディアの融合)」が実現されている、と。
メタ視点というか、ツールに使われずツールを使うというか、考えさせられるとこがあります。
にも関わらず収録曲 “ekki hugsa”、アイルランド語で「考えるな(don’t think)」とはずいぶんな頓知じゃないかと思わされますけども。

CDMの記事中で余談として紹介されているパウル・ヴィトゲンシュタインは、哲学者として有名なルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの兄で、戦争で右腕を失ったピアニスト。Wikipediaにもありますが、片腕のピアニストとしては日本人だと舘野さんが高名です。

it’s a new kind of piano idiom

An injury left Olafur Arnalds unable to play, so he turned to machines – CDM Create Digital Music

「新たなピアノの(特定の領域における)表現法」とウィトゲンシュタインを称えつつも、元記事筆者は音楽からエモーショナルな部分を取り除いてしまったようなÓlafurの今作に複雑な思いを抱いているご様子です。
ただ、もともとパンクバンドでドラム叩いてたÓlafurがパンクな面を蘇らせ、新たな領域に進むのもまんざら悪くもない、とも。

最後に紹介されている演奏動画は2019年に入ってのもので、既にStratusが導入されている気配。
以前この日記でも紹介した2012年の同じくKEXPでのパフォーマンスから、どういうふうに進歩したのか眺めるのも一興です。

【参考】

My name is Ólafur Arnalds and I make music. Ask me anything. : electronicmusic
My name is Ólafur Arnalds and I make music. Ask me anything. : electronicmusic

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