連日「6/8 スコア Logic」という検索流入があって、以前に記事として書いたような気がしたけど見当たらないので改めてざっくり記しておきます。
僕がやっている方法であって、もっといい方法もあるんじゃないかとは思ってます。
まず、こちらも一応参考までに。
スクショに記した番号を参照いただくとして、
- 拍子を書き込む際、複合拍子の欄を使うと桁を多少扱いやすくなります。この例では複合拍子を使いつつ非表示にしたので、PDF書き出し時や印刷時にこの(2+1)/4の表記は現れません。
- 小節線をまたぐ連符の入力はLogicでは行えません。
せめて少しわかりやすくなるように桁をつないでやりました(後述)。 - 連符に示す数字は非表示にしたり、比の形式で示したりできます。
- どうしても小節線をまたいだ連符にしたいときは、2小節をくっつけて1小節扱いにし、小節線を手動で入力してやる手もあります。
ちなみに左側インスペクタの④の前にある短い小節線は「半小節線」とtip表示され、ググっても出てこない言葉なのですが、英語メニューでは「half bar line」と表示され、古いネウマ譜等で使われるという説明がWikipedia(英語)にありました。 - 3拍子の4分割はたしかにこの表示で割り切れるのですが、次の小節のように4連符として表示したほうが見やすいという方もおられるかと思います(┌n┐というマークを音符にドラッグしてくる)。
また⑤の小節の3拍目のような、16分音符+付点8分音符のような表示はデフォルトでは表示できず、メニューの「解釈」(後述)を変更することで表示できます。 - 4拍子での3連符の表示状態。6/8拍子を12/8拍子にし、いっそ4拍子として3連符で表現したほうがラクって方もおられるかと。
- ドラマーがよくやるメトリックモジュレーションというか、ターゲット理論的な手法(着地点のタイミングさえ合えば途中の正しさは犠牲にしてよい的な考え方)はスコア化が非常に困難で、④で行なったように小節線を手動で書き込むほか現状は術がなさそう。
以前、このサイトで採譜を宣言しておきながら、ターゲット理論的な演奏内容だったためLogicでのスコア化が不可能で採譜を諦めた曲があります。 - この「クオンタイズ」パラメータは、フレーズ内で最も細かい音符の単位を指示するもので、表示内容に大きな影響があります。
古くからLogicを使ってる人はここを必ず確認する癖がついているでしょう。
PDFとして書き出した場合はこんな感じ。
非表示とした複合拍子はご覧の通り現れません。
全体として満足できる表記かというと満足はできんです。が、Sibelius使おうがNotion使おうがDorico使おうが何かしら不満はあると思うんで、Logicの個性と思うほかないでしょうね。
後述とした部分。
桁の連結や解除は「音符の属性」メニューから行います。以前よりメニューが深くなってしまっていちいち辿るのは面倒なのでキーボードショートカットを使ったほうがよさそう。
桁の連結と解除を端々で使って、実際の拍子とフレーズの区切りが違う場合の表示を見やすくすることができます。典型例として、右手と左手とでポリリズム的なフレーズになってるときなど有効に活用できると思います。
解釈については、Logicも良かれと自動解釈してくれているものの、要らないのに休符を入れてくれたり、必要なのに休符を排除してくれたりと、だいたいの場合「そうじゃない」のでこれを補正するために頻繁に出番があります。こちらもキーボードショートカットが便利。
メインウィンドウのグローバルトラックでのキー/拍子はデフォルトでは1行で表示されてしまって編集しにくいので、クイッとボーダーをドラッグして2行で表示されるようにしたほうがやりやすいと思います。
拍子の変更は、変更したい小節に再生ヘッドを移動してトランスポートでの表示値をいじることでも行えますが、拍子の分母と分子を別々に調整する仕組みのせいで面倒なことが起きやすいので、グローバルトラックに新しく追加あるいはダブルクリックしてダイアログウィンドウ内で分母分子まとめて入力/変更するのが安全だと思います。あとから変拍子を途中に挿入したい場合、「編集」の「無音を挿入」と「セクションをカット」するのも(コツが要りそうですが)有効な手法かもしれません。
「面倒なこと」というのは、編集中にたとえ一瞬でも後続の拍子と同じ値になる瞬間があると自動的に後続の拍子と連結されてしまい、その後ろの拍子挿入位置が軒並みズレ得るという事例。
参考になるかどうかわかりませんが、ここで使ったLogicのデータとそのまま書き出したMIDIデータも置いておきます。
スコア機能に関してはちょくちょくAppleにフィードバック送ってるんですが、なかなか反映してくれませんねえ…。