LogicのKlopfgeistはクリック用のシンプルな音源。
klopfgeistとはいわゆるポルターガイスト(poltergeist)つまり「ドンドンと騒々しい幽霊」で、コツコツいうノックの音(klopfgeräusche)のklopf-を受けた合成語。
Klopfgeist の鳴らし方
基本パターンとしては、たとえば…
4/4のときには4分音符ごとに低めの音が、1小節ごとに高めの音が鳴り、
6/8のときには8分音符ごとに低めの音が、1小節ごとに高めの音が鳴ります。
ミキサーのすべて(All)を選ぶとClickチャンネルにKlopfgeistという音源がささっていて、Klopfgeistはソフト音源の一つなので、Clickのラベルを右クリックして「トラックを作成」すれば自由にフレーズを打ち込むこともできます。
クリックONになっているとバウンス時に(オフラインバウンスでも)音が入っちゃう点に注意。
音程や音色を変えたい
Klopfgeistを別のお好みの音源に差し替えて、次の「鳴らし方のカスタマイズ」に書いたメトロノームのノートを調整します。
鳴らし方のカスタマイズ
プロジェクト設定のメトロノームでクリック動作を設定できます。
グループは、たとえば7拍子を4+3や2+2+3といった複合拍子でとらえたときに区切り位置で鳴るもの。
つまり4拍子でも2+2と記せば、2拍子っぽくクリックが鳴ることになります。スコアでの記譜にも影響するので必要なら活用しましょう。
グループのチェックボックスの2つ下にあるディビジョンとは、ノートを入力したり移動したりする際のグリッドを単位としてクリックを鳴らすもの。
外部に接続したMIDI機器を通じてクリックを鳴らすときにはポート(Port)で設定。
出力(Output)はオーディオ出力先。
たとえば客席にクリックが聞こえないようにオケと別出力にしたい場合に使います。
Klopfgeist のプラグインウィンドウ
たいていはプロジェクト設定の画面内で済んでしまいますが、必要なら調整するといいでしょう。
プロジェクト設定の内容とKlopfgeistで設定した内容とが食い違わないよう要確認。
クリック出力の注意点と応用
既述のように、クリックOnの状態でトラックダウン/バウンスすると、2mixにクリックの音が混ざった状態でバウンスされます。
サラウンドで2mix+αに
サラウンドバウンスすることによってクリックだけ別出力することも一応は可能ですが、再生可能な設備はないと思います。
曲中の予告テンポチェンジ
曲中でテンポが変わる場合のクリック出しは厄介です。
原則、慣れてもらうしかありませんが、「テンポチェンジ後のクリックを1小節前倒しで出せ」とゴネてくるようであれば方法が無いわけではありません。
1つ目はクリック用のMIDIトラックを表示して、クリック用のノートを打ち込みいったんテンポチェンジを1小節前倒しにしてSMPTE位置をロックしたあと、テンポチェンジを元の位置に戻してSMPTE位置のロックを解除、そして位置を微調整します。
このとき実際にテンポチェンジが起こる箇所のクサビとなるようにMIDIデータには1個多めにノートを打ち込んでおくといいです。
もう1つはオーディオデータに変換しちゃう方法。
クリックとして打ち込んだMIDIデータをインプレイス(ファイル>バウンス>リージョンを所定の場所に)し、テンポチェンジ後のクリック1小節分のオーディオリージョンを1小節分ズルっと前にドラッグコピーします。このとき、ドラッグモードをシャッフルRに変更しておくとバッチリな位置にドラッグできますんでお試しを。
わかりにくそうなので、動画にしました。