しばらくアップデートがないので、ここいらで目立たぬ便利機能を挙げておこうかななんて。
目次
Panic、All Notes Off
トランスポートの下半分をシングルクリックするとMIDI Resetを、ダブルクリックするとPanic(All Notes Off)を発効します。必ず効くというわけではありません。
再生、録音、サイクル設定へのショートカット
トランスポートの再生、録音、サイクルボタンはクリックホールドで設定メニューが表示されます。
小節の挿入
少しややこしいのですが、たとえば3〜5小節目をロケータで選択しておいて、この挿入を行うと5小節目より後のリージョン群が後ろにごっそり移動します。変拍子やテンポチェンジもきっちり移動します。フリーズトラックのみ対象外なので注意。
ほかに一定のリージョン群を選択、かつ一定範囲をロケータで選択しておいて該当範囲をコピーペーストすることも可能。ループやエイリアスを多用した作り方をする人にとってはこれなしだと結構つらい。
プラグインの表示名変更
Plugin Manager (プラグインマネージャ)とは、インストールされたAudioUnitsプラグインのValidation(検証)や、AudioUnitsプラグインの読み込みのOn/Offを指定するのに用いられます。
左上のカラムで「すべてを表示」を選択すればInstrument(音源)、Effect(エフェクト)、MIDI-controlled Effect(MIDI 制御エフェクト)、MIDI FXの区別なくずらりと一覧で表示されます。
Escを押すと初期化されてしまうので操作に注意。
最上段「名前」「タイプ」「製造元」などのラベルをクリックするとソート(並べ替え)されます。
shiftや⌘キーを活用して複数選択し、On/Offのトグルスイッチを切り替えられます。スペースキーで切り替えられます。
検証
新しいプラグインをインストールした直後やプラグインをアップデートした直後など、Logic Pro Xに限らずDAWは起動時にその動作検証が行われます(新しくインストールしたプラグインが認識されにくいときは 【小ネタ】Mac動作に関する小ネタ集 – makou’s peephole を参照)。
プラグインマネージャを使用して手動で検証を行う場合には、対象となるプラグインを選択して「選択項目をリセットして再スキャン」を行います。
マウスポインタが虹色クルクルのまま終わらないものは十中八九使用できないので、⌘+option+escで「アプリケーションの強制終了」ウィンドウを表示させ「auvaltool」を強制終了させちゃいましょう。
UADなど、インストール/アップデート時に大量のプラグインがインストールされるものは、起動時の検証をキャンセルしまくって、起動後に検証するとラク。
あるいはインストール後に、”使わないもの”をComponentフォルダから移動するスクリプトを書いておいてもいいかもしれません。このとき、”使うもの”に対して”使わないもの”が多すぎる(または”使う”ものを購入するペースよりも、”使わないもの”がアップデートのたびにインストールされるペースが速い)場合、「”使わないもの”を移動する」のでなく、「”使うもの”をいったん移動して、その場に残される”使わないもの”を手動で捨てて、”使うもの”を元に戻す」というふうにあえて手順を増やしたほうが案外継続的にスクリプトを使い続けることができる点に注意。
カテゴリへのカスタム追加
リストアップされているプラグインを「カテゴリ」に放り込むとリストに変更が加わります(10.4.5(だったかな?)以降はプラグインの遅延読み込み機能が搭載されたので、変更の反映を待つことがなくなりました)。
メーカーとプラグイン名で辿らずとも、既存のカテゴリから辿れるようになるわけです。
スクショでは、サードパーティ製プラグインの「カスタム名」の頭に👽を付けて表示するようにしました。
これで純正プラグインと明確に区別できるようになりました。色をつけられるともっといいんですが、それはたぶん今後も難しいと思うので、❤️💛💙や🔴🟡🔵、🟥🟨🟦みたいなカラーバリエーションのある絵文字を活用すると多少ラクになるかもしれません。
カテゴリの追加
「カテゴリ」右側の+マークでカテゴリを追加できるので「お気に入り」など新設してもいいでしょう。
カテゴリ名に「:(コロン)」を使うと階層を作れるようで、うちではInst:Guitar、Inst:Drumなどと種類で分けました。
カテゴリの削除
「カテゴリ」を削除したいのに削除できない場合、Plug-in manager! – Page 3 – Logic Pro Helpに対処法の説明があります。
- Logicを終了し、MacのFinderで「MusicApps.tagpool」を検索
- テキストエディットなどのエディタで開く
- 該当する行(<key></key>とその直後の<integer></integer>)を削除し上書き保存
- Logicを起動し、Plugin Managerで該当のカテゴリを削除してみる
プラグインの表示名が気に食わないときは変えちゃうことができ、また自分用のメニューを作成することができます。
ベロシティ変更
オートメーションレーンでただドラッグすれば勝手にラインツールになってベロシティを編集できます。アコースティック楽器のベロシティを細かく調整したいときにはちまちまやるよりこちらのほうが効率いい。
またOptionを押しながら縦にドラッグすると、クリック位置より後ろのMIDIノートすべてをスケールしてベロシティ変更できます。
連番リネーム
リージョンやトラックを複数選択した状態で、リージョンインスペクタまたはトラックインスペクタを使用して、末尾に数字の入った文字列に名称変更すると、選択中の対象が連番にリネームされます。
プロジェクトオーディオのウィンドウでは行えません。
マルチティンバー音源のトラックカラー
メインウィンドウではトラックカラーの変更が適用されず、ミキサーには表示すらされないため、マルチティンバー音源をマルチティンバー音源として使わない(フリーズもできなくなるしね)のが最適解ですが、当該トラックを選択した状態でMIDIエンバイロメントを開いてカラーパレットで色を指定するときちんとトラックカラーが適用されます。
追記:現バージョンではメインウィンドウからもトラックカラーの変更が適用されるようになっています。
ライブラリから開くたびにセンドを追加しない
ライブラリウィンドウでサウンドを指定する前に、ライブラリウィンドウの左下のギアアイコンで「パッチの結合を有効にする」のチェックを外して「センド」のボタンをオフにしてからサウンドを指定すると、いちいちセンドバスを追加せずにサウンドを読み込むことができます。
Drum KitのProducer KitsやElectronic Drum Kitが1つのチャンネルに完全にまとめられるので、人によっては相当ラクになるかもしれません。
オーディオドライバのバッファサイズ
M1チップ搭載以降のmacOSは負荷分散が効率化されたらしく、従来よりもかなり小さなバッファサイズでオーディオを扱えるようになっています。
うちでは、混み入った曲は最悪バッファサイズ1024まで必要になることがありましたが、現在は256でほぼ同じ程度の負荷で動作しています。低レイテンシーモード時には128まで下げてもいいくらい。
表示されていないOutputの表示
Logic 9以前のプロジェクトファイルをLogic Pro Xで読み込むと新バージョンのプロジェクトファイルとして新たに保存し直されますが、このとき、指定していたメインのOutputが表示されなくなるときがあります。
これはエンバイロメントの設定とかではなく、Mixerの表示メニューを調整すると治ります。
Logic Proのオーディオドライバを複数に設定
バーチャルオーディオケーブル等を使用する方法もありましたが、現在はネイティブで設定可能になっています。
macOSのAudio MIDI設定を開いて、追加ボタンから「複数出力装置を作成」を選択すると右図のような画面が表示されるので、同時出力したい項目を選択しましょう(スクショではうちの設定の都合上バーチャルオーディオケーブルであるBlackHoleを設定しています)。
ZoomAudioDeviceやMac本体からの出力も選べるため、出力モニタリング等が用意になります。
設定完了したら、わかりやすい名前をつけて保存しておきます。
Logicのオーディオ設定で、この設定名を呼び出せば、Logic全体の音声も複数の装置から出力されるようになります。
Logic : Preview チャンネルを消しちゃったら
とある仕事で必要になったため、10年以上前の古いLogicのデータを引きずり出してLogic Pro Xで開いたら、色々とトラックのカテゴリーがおかしなことになっちゃってたので、新しく各トラックを作り直して再構築したのですが、どうやらその流れの中で Preview チャンネルを消してしまったらしい。
このPreviewチャンネルというのは、たとえばApple Loopsの試聴やインポートした動画の音声などに使用されるもので、通常、ユーザーが直接触る必要はないのですが、わりと簡単に触れるように仕組み的になっちゃっていて、うっかり消してしまうリスクがあります。んで、消すと色々不便になります。
復元方法は次の通り。
以上の通り、MIDIエンバイロメントウィンドウで新規にオーディオチャンネルストリップを作成して、チャンネルを最大の番号に割り当てると、自動的にPreviewトラックとして蘇生ます。
本来、消せちゃいけないものだと思うのですが、それを消せる仕組みも用意されていたのが元々Logicの強みだったんですよね。クリックの機能もその一つ。
Logic Pro: メトロノーム用オブジェクトを消しちゃった場合どうするか
某所でそんな話題を見かけたので、ここでも取り上げることに。
この記事は一定期間表示後、小ネタ集に移動します。
方法1
結論: 現状どうしようもないので、新しいプロジェクトに旧プロジェクトをインポート
いちおうご存知ない方のために。たとえば何かの拍子にぶっ壊れてしまったプロジェクトファイルを救出したり、以前別の曲で使ったあのトラックをまるまる持ち込みたいなどというときには、Logic Proの「ブラウザ」で「すべてのファイル」から特定のプロジェクトファイルを指定し、ダブルクリックでその構造を表示した上でインポートすることが可能なのです。
これを利用して、まっさらのプロジェクトに作りかけのプロジェクトをまるままインポートすることで、正しいClickオブジェクトを使うことができます。
ただし、もとが極端に古いファイルであった場合には予想外のことが起きる場合もあります。
方法2
細かく試していないので、もしかしたら齟齬が起きるかもしれませんが、エンバイロメント・ウィンドウ(現バージョンではメニューから消失している)の「オプション」メニュー内の「エンバイロメントを読み込む」のいずれかのメニューからLogicのテンプレファイルを読み込むことで正しいClickオブジェクトを取り戻せる可能性があります。
このテンプレは個人用テンプレでも古いバージョンのLogicのものでもOK。
ちなみに現バージョンにデフォで備わっているテンプレは、Logicのアプリパッケージ内にあります。
本来メトロノーム用オブジェクトは消せない
LogicのPreview(AppleLoopsその他、あらゆる試聴時に使用される)とClickオブジェクト(メトロノームで使用する)は、それぞれAudioとInstのch256が排他的に割り当てられた、いわゆる予約オブジェクトです。
過去のLogic(某所によると10.4.5)ではユーザーの手でAudio, Instのいずれも256に割り当てることで環境の修復ができたのですが、現在この操作はブロックされています。
そもそも現状、エンバイロメント・ウィンドウに辿り着ける人のほうがよっぽどアレなので、消しちゃうってのもよっぽどアレ。
とはいえ、私のようにめちゃめちゃ古い時代のプロジェクトファイルを掘り起こして何かしようという人はおり、古いプロジェクトファイルを現Logicで開いたときに合致しないオブジェクトタイプをエンバイロメント・ウィンドウ上でやむなく補修する羽目になる場面もありはするのです。
プロジェクトを再起動することで復旧
という提案&報告もあったのですが、必ずしもうまくいかない場合があるそう。
単純なコピペでは困難っぽい
正常に動作している別のプロジェクトのエンバイロメント・ウィンドウから、オブジェクトをコピペしてみると、Previewオブジェクトは復旧できてもClickオブジェクトはBusとしてペーストされるようで、解決にならない。
同じ数のインストゥルメントトラックを作成した別プロジェクトからペースト
Appleがこのバグに気づき、「同じ数のインストゥルメントトラックを作成した別プロジェクトのClickオブジェクト」をコピペすることで解決できるようにしたとも記されていましたが、これを解決と宣うのもなかなかの勇気を感じます。
で、こんな面倒なことをしてもうまくいかない場合があったと報告されています。
理想は、ソング設定のメトロノーム設定の項目をいじった段階でプロジェクトデータ内のオブジェクトのチェックが走って、おかしければ自動的に直す、という方式ですかね。
仮手法として
諦めて、Klopfgeistのインストゥルメントを作って、MIDIデータとしてクリックを打つってのがあります。