Logic Pro 10.5 はかなり大きなアップデートになったもよう。
Live Loops
- グリッドでループ、サンプル、オーディオを使ってセルをアレンジ、トリガして作曲
- 自由なアレンジのアイデアを演奏してトラック領域に取り込み
- Filter、Gate、Repeater、Bitcrusherなどのクリエイティブなエフェクトを使用できるRemix FXを追加
- iPadまたはiPhone上のLogic Remoteでマルチタッチジェスチャを使ってLive LoopsやRemix FXを実行し、複数のループまたはエフェクトを同時にトリガ
サンプラー
- ドラッグ・アンド・ドロップのワークフローで、洗練されたマルチサンプルの音源を作成、編集
- 単一ウインドウのインターフェイスで合成、マッピング、ゾーン編集ができる現代的な新デザイン
- 開始位置、終了位置、ループポイントを細かく制御できるゾーンエディタを内蔵
- サンプルをキーボード全体に素早く柔軟に割り当てることができるマッピングエディタ
- サンプラーにFlex Timeが組み込まれたため、ピッチにかかわらずサウンドを同じ長さで再生可能
- Auto Samplerで、MIDI対応のハードウェア音源とソフトウェア音源をサンプラー音源に変換する処理を自動化
- 既存のすべてのEXS24音源をサポート
Quick Sampler
- 1つのオーディオファイルを読み込んで、再生可能なサンプル音源を素早く構築
- Quick Samplerで、ルートノートと最適なループポイントを自動的に識別し、プロジェクトのテンポに適合
- スライスモードを使って、キーボードでトリガできる複数のスライスにボーカルサンプルやドラムサンプルを分割
- マイクや外部ハードウェアを使って、あるいは任意のトラックまたはバスからライブサンプルを録音
Drum Machine Designer
- Drum Machine Designerでサンプルをドラッグしたり整理したりして、カスタム・ドラム・キットを構築
- 任意のパッドでQuick SamplerまたはDrum Synthのコントロールに直接アクセス
- あらゆる音源や他社製プラグインをパッドに簡単に割り当て
- 任意のサウンドを半音階で演奏して、ベースラインやその他のメロディパートを作成
ステップシーケンサー
- クラシックなドラムマシンのワークフローを模したインターフェイスを使って、独自のビート、メロディ、エフェクトオートメーションを構築
- ベロシティ、リピート、チャンス、オフセット、ステップレート、スキップ、タイを行ごとに制御して、パターンを作成、編集
- Quick SamplerやDrum Machine Designerで作成したカスタムキットを含め、あらゆるパッチをサウンドソースとして使用可能
- 150以上のリズムパターンとメロディパターンを備えたライブラリ
追加されたコンテンツ
- 最新とクラシックのヒップホップ、エレクトロハウス、レゲトン、フューチャーベース、テクノ、トランジションエフェクトを含む、さまざまな音源やジャンルのループを2,500以上新たに追加
- エレクトリックおよびヒップホップに対応する17のLive Loopsスターターグリッド
- 70以上の新しいDrum Machine Designerキット
- 1,500以上の新しいパッチ
- ビリー・アイリッシュの「Ocean Eyes」のオリジナル・マルチトラック・プロジェクト
追加された機能
- 専用のサウンド加工コントロールを使って合成のキック、スネア、タム、ハイハットを生成するDrum Synthプラグイン
- 個別または複数のオーディオファイルやソフトウェア音源リージョンを空のトラックヘッダにドラッグして、Sampler、Quick Sampler、Drum Machine Designer、またはAlchemyの音源を素早く作成できるオプション
- 性能と安定性を向上
- Apple Logic Pro X 10.5: 1st-look review, new features, In-depth videos : macProVideo.com
- New Logic Pro overhauls EXS24 Sampler, takes workflow cues from Ableton and Maschine – CDM Create Digital Music
- Apple Logic Pro 10.5 A Massive Release For Electronic Musicians – Synthtopia
- Logic Pro X 10.5 update is out: the biggest enhancement since adding Alchemy – gearnews.com
全般
Live Loops
いちばん大きなポイントは、一時期のiOS用のGarageBandのスタイルにも通じるこのLive Loopsでしょうね。Ableton LiveやBitwig的な香りがします。
それらのユーザーを取り込むってよりも、新しい作り方を試してみませんか的な機能として理解したい。
起動時のテンプレ選択画面からLive Loopsもしくはスターターグリッドに入ります。
Ableton LiveのようにSession ViewとArrange Viewとの編集切り替えができるのかというと、そういうバウンスにおける伸縮自在性は備わっていないですね。
いや、手順としてはこんな感じらしい↓
下の解説動画、2:58辺りからの展開がとても楽しい。
で、このLive Loopsはハードウェアとのコンビネーションで活きてくる機能だと個人的に思ってるので、これに触発されるメーカーが出てくることに期待したいです。おっと、Logic Remoteが追従アップデートですね。
お、そしてNovation Launchpadが早速食いついたっぽい。
- New support for Novation Launchpad in Logic Pro X 10.5 : macProVideo.com
- 5 Things We Love About Logic Remote and the new Logic 10.5 update – ADSR
AppleのLogic Pro XのWebページ下部にある「Graduate from GarageBand.」の文言が少し気になります。GarageBandはこの機会に消えてしまうのでしょうか。
Sampler, Quick Sampler
Sampler、Quick Samplerについてですが、EXSじゃそろそろ辛いよね的な話は以前から書いてまして、遂に!と。
上に挙げたADSRによる動画でもSampler周りの機能にかなり価値を高く認めているように見えます。
無機質ながら機能をしっかり絞り込んでるように見受けられますが、EXSでも近年になってやっと実装された複数サンプルの同時編集や、モディファイアキーを伴うことで便利になった編集手法は、この新機能によってまたリセットされちゃうんでしょうか。ちょっと心配。
Auto SamplerはMainStageからの移植ですね。CPU負荷の履歴機能もMainStageからもらえませんかね。
新しいSamplerは、その内部でFlexデータを保持できる点で非常に優秀です。ただし、ある程度こなれてこないと使いこなすのが難しいかもしれません(Logicのテンプレ選択画面にあるチュートリアルをいちど見てみることをオススメします)。
新旧フィルターの対応関係
EXS | Sampler |
HP12dB | HP 12dB Creamy |
LP24dB | LP 24dB Lush |
LP24dB Fat | LP 24dB Lush (Fat) |
LP18dB | LP 18dB Lush |
LP18dB Fat | LP 18dB Lush (Fat) |
LP12dB | LP 12dB Lush |
LP12dB Fat | LP 12dB Lush (Fat) |
LP 6dB | LP 6dB Lush |
BP12dB | BP 6dB Creamy |
Step Sequencer, Drum Synth
Step Sequencer、Drum Synthに関しては、note repeatなど(Spectrasonics Omnisphereのアルペジエイターにインスパイアされたもの?)細かいギミックが簡単にかつ重ねて設定できるような仕組みになっていて、よく出来てるなと思いました。
ただTwitterで少し書いたように画面の入れ子化が深くなってしまって、小さめのディスプレイで編集するのがキツくなりやしないか、また入れ子が深くなることで設定値がかち合いやしないかという懸念もあります。
でも結局たぶんMIDIリージョンのビジュアルが変わるって程度の認識でいいのかもしれません。
Drum Synthというのはより細かくエディットできるようになったDrum Machine Designerのことか?と思ったら、Apple Logic Pro X 10.5: 1st-look review, new features, In-depth videos : macProVideo.comの画像を見ると、単独のソフト音源のようですね。僕の作風だとそんなに出番がありませんが、これを妙ちくりんな使い方してやるのが楽しみ。
Drum Synthは自分にとっちゃ必須なものでもありませんでしたが、Alchemyで808BD的なものを作ったりするより圧倒的に汎用性はあると感じています。
即アプデ推奨かどうか
必要に応じて、本記事の加筆修正を行います。
なお、このメジャーアップデートによってLogic自体に何らかの問題が起きる可能性ももちろんあります。
何らかのプロジェクトを進行中の方や、あと素直に不安な方はこの日記も含めさまざまなサイトでのレビューが出揃うまでアップデートをお待ちいただくとよいかと思います。