Logic Pro X 10.4 出ました。メジャーアップデートっすね(Logic Pro X 10.4: New effects, and play and mix audio without a click – CDM Create Digital Music)。
1月26日 2:00AM 現在、まだApple日本語サイトにはリリースノートありませんが、App Storeでは配布が始まっているご様子。
目次
1/27追記分
1月27日に至ってもリリースノートが出る気配ないので英語のリリースノートをちらちら読んでて目についたものを補記します。
- 32bitフロートでの書き出しに対応(読み込みはNG)
- アーティキュレーションのUD化というのがわかりにくいが、メインウィンドウのトラックインスペクター最下部にアーティキュレーションという項目が増えており、そのメニューでEdit…を選択すると置き換えマップのような状態で細かく設定可能なようだ。ピアノロールのローカルインスペクタやステップエディタにもアーティキュレーション選択プルダウンがある。
サードパーティ製のインストゥルメントプラグインにもアーティキュレーションの項目が表示されるようになっている(非表示にはできないっぽい)。
釈迦に説法的な話を今さらで恐縮だが、アーティキュレーションってのは同じ楽器での奏法の違いをいう。サスティン、スタッカート、フォールなど。
で、このアーティキュレーションを可視的にピアノロールに表示するにはピアノロールの表示メニューのノートのカラーを設定でアーティキュレーションを選ぶのがひとまずの手法かと思う。
あとアーティキュレーションのけったいな活用方法をおいおい試していく予定。成果が実るかどうかは別として。
- Direction Mixerが、Pedalboardのスプリッターのように、2つの帯域に分けて別々に設定できるようになった。
- オーディオトラックウィンドウがアンドック(分離)できるようになっているが、メニューには存在しないっぽい。オーディオトラックウィンドウが表示された状態でタブをドラッグすると独立ウィンドウになる。しかしフロートウィンドウではないので残念ながら「これでflexピッチの編集がラクになったぜ!」とはならないもよう。

- Studio Oneに続きLogicもARA対応し、ネイティブな機能のごとくMelodyneが使えるようになりそう(Melodyneを新たに購入する必要があるのかは不明)。Flex Pitchはそれでも4,5年くらいは保ったほうか(Celemony announces ARA 2 Plug-In Extension at NAMM 2018)。
- トランスフォームやイベントリスト、ステップエディタ等で新たに編集対象となったフェーダーMIDIはコントロールサーフェスによって記録編集されるデータ。
- 使用中のインサートエフェクトにはMIDIチャンネルが振られて管理されるようになったっぽい。MIDI CCと混在気味だったフェーダーイベント等はフェーダーイベント専用のパラメーターとなったっぽいので混乱しやすい。
インサートエフェクトのオートメーションを書き込んだあとは、オートメーション表示レーンのMIDIチャンネルがそのエフェクトのMIDIチャンネルに切り替わっているため、モジュレーションなど一般的なMIDI CCやBendなどが「入力したのに反応がない」みたいに見えやすそう。
追記は以上。
スマートテンポ
- 高度なテンポ検出によって、オリジナルテンポに関係なくコンテンツを自動的に結合できます
- クリックトラックなしで録音されたオーディオやドラッグされたオーディオファイルからプロジェクトテンポを定義します
- 任意のオーディオファイルを追加すると、そのテンポは自動的にプロジェクトテンポに合わせられます
プラグイン
- ChromaVerbは、豊かなアコースティック空間を作り出すためのカラフルでインタラクティブなインターフェイスを備えた、洗練された新しいアルゴリズミックリバーブです
- Space Designerは新しいデザインのコンボリューションリバーブで、スケーラブルなRetinaインターフェイスになりました
- Step FXは、3つのパワフルなステップシーケンサーとX/Yパッドを使って、リズミカルなマルチエフェクト処理を追加します
- Phat FXは、サウンドに温かさとパンチを加える9個のエフェクトを使って、トラックを豊かで力強いものにします
- ビンテージEQコレクションは、1950年代から1970年代のビンテージアナログEQを正確に再現する3つのモデルを提供します
- Studio StringsおよびStudio Hornsは、独自のアーティキュレーションコントロール付きの、精緻にサンプリングされた臨場感溢れるアンサンブル音源です
- メロトロンをスタンドアロン音源プラグインとして利用できるようになりました
- Retro Synthが18個の異なるフィルタモデルを提供するようになりました
追加されたコンテンツ
- ルーツおよびジャズ風のブラシスタイルを演奏する2人の新しいDrummer
- Drum Kit Designer用2つのビンテージブラシキット
- さまざまな楽器とジャンルの800を超える新しいループ
- 150のシネマティックなプリセットが追加されたAlchemy用の新しいVisionsライブラリ
追加された機能
- ミキサーおよびプラグインアクションを取り消せるようになりました
- ファイルブラウザで、サンプルまたはプロジェクトが含まれるお気に入りのフォルダの場所をブックマークできるようになりました
- Apple Loopsに加えてオーディオファイルのループがサポートされたループブラウザで、それらをプロジェクトテンポと同期した状態でプレビューできます
- アーティキュレーションを制御するための新しいユニバーサルデザインにより、Logicおよびサードパーティ音源のインターフェイスに一貫性がもたらされます
10.3.4辺りの頃、時間が無くてざっとしか見られなかったので、以下の気付いた各スクショは10.3.4で既に機能追加OR変更のあった部分かもです。ご了承ください。
環境設定
メインウィンドウ、ピアノロール





サウンド・ライブラリ、音色
Vintage EQ
一通り音の質感チェックしてみたところ、利きは良好なのですが、こんなにクッキリとサウンドが変わるもんか?と思わないこともないです。が、Pultecもどきは凄まじいです。いちばん僕の感覚に近い自然なかかり方します。聞くところによると元のPultec EQ自体は偶然の産物らしいんですけど、こんなに定着するとはね…。
Chroma Verb, Phat FX, Step FX
前のアップデートでデュアルモノってのが備わってMSベースの処理ができるようになったのはいいのだけど、それならPedalboardのようにインサートエフェクトをシリアル、パラレル接続できる仕組みになったほうがわかりやすい気がします。
毎回、バス辿るのわかりにくくて仕方ないので。
追記 180206:
こちらも一通り音の感じをチェックしてみたところ、Chroma Verbはだいぶ使い道を選びますね。EDM用にはいいかもしれませんが、精細なサウンドメイキングにはちょっと辛いかなという印象があって、さらなる進歩に期待したいと思います。
Phat FXやStep FXはすこぶる使いやすくはないものの、個々のパーツとしては面白い効果がかかるものもあるので少し味付けを変えたいときに使うのがいいかもしれません。エフェクターのドライ/ウェットを個々に設定することはできない、となるとインサートスロットに複数のPhat FX/Step FXが挿さるという若干気持ち悪い見栄えになることも有り得そうです。
なお、予想通りPhat FXとStep FXの順序は下部のリストをドラッグすることで変えられます。