BLEASS “Vox”

こちらも準備中の情報を受け取りました。この手法、流行ってるのかな?
BLEASSのVox、こちらはWindows, macOS, iOS対応のボーカル用エフェクトと見られます。
こうした、入力されたボーカルを滑らかに変化(Metamorphosis)させようといったエフェクトは、クオリティ差し置いてもこれまで掃いて捨てるほどリリースされてきており、どんな個性的な機能を持っているのかが気になります。
現状、動画でのみ告知が行われていて、音は実に今どきって感じですが、インターフェースを見る限りVIBRATO以外に他の競合製品と変わった様子もなく、どう捉えてよいのかといったところ。

追記240220

リリースされてました。上の動画で見たものとインターフェースはずいぶん違う印象を受けます(iOS版の画面なのかもしれない)。なので、新しくWebページに掲載されているほうの動画も貼っておきますね。

デモ版を確認したところ、LogicではMIDI制御エフェクトのみで動作。いわゆるサイドチェーン入力のみで動くソフト音源としての機能になります。
ひとまず、大まかにはトランスポーズとロボボイスの2モードがあり、いずれも和音入力を受け付けていて面白い(環境によっては重くなるかもしれない)。相当昔にこの仕様のVSTエフェクトが出現して歓喜したものの結構すぐなくなってしまったことがあり、数年越しにようやく同じ仕組みを持つものが現れたのかと、懐かしい思いに駆られました。
動画、マニュアルの細部まで見ていないのでインターフェースのパッと見でだけの話になりますが、トランスポーズにはDetune(Fine)が見当たらず、表向きトランスポーズは半音単位のみになります。LFO等のdestinationとしてFineが存在してはいるのですが。ちょっとこれは嫌いだなあ。自分が求める用途とは合致してない。
LFOやシーケンサー、アルペジエイターは、一般的に負荷高めなボーカルピッチシフトに対しても非常にキレ良く反応しており、最適化能力の高さを感じさせられますね。これらのモジュレーション機構は、他のBLEASSソフト同様に充実したパラメータ群を形成しており、マトリクスの組み方次第でだいぶ奇天烈な効果が得られると思います。
肝心要のボーカルピッチシフトのクオリティについては他社製品と比べて格別よくもなく悪くもなくで、クオリティを導入可否判断の根拠とするには弱い。時間軸に対してblurをかけるVocoderのようなスムージング機能がピッチシフト後の音声に備わっていたら自分は少し靡いたかも知れない。まあアルゴリズムが異なるのでそう簡単には無理だろうけど。
そう考えると真価はやはりこれらのモジュレーション機能になるでしょう。これに対する見事な活用方法を編み出せたなら強力なツールとなると思います。