BLEASS “Multiband Compressor”
今週は妙に新着が多いですが…。
BLEASSからMultiband Compressorがリリースされてますね。
BLEASSは当初、独自の視点からの製品が多くて面白かったんですけど、ここんとこの3,4製品に自分は”ふつう”感を覚えます。
Multiband Compressor科OTT属
OTTを先導として、この種類のカチコチのUpward+Downwardマルチコンプには、有償無償問わず後続が多々あります。
- SerumおよびSerum FX内のCompressor(Serum: Advanced Wavetable Synthesizer)
- Vital内のCompressor(Vital – Spectral Warping Wavetable Synth)
- Slate DigitalのMO-TT(MO-TT | Slate Digital)
- WA ProductionのXTT(XTT By VINAI | W. A. Production)
- SoundspearのKTT(Kill The Top | Soundspear – High end digital sound processing – VST – AU)
- OxydspのOxyOTT(OxyOTT – OTT Multiband Dynamics Plugin – oxydsp)
OTTの由来については既に記してきたので割愛するとして、上記のソフト群もそれぞれに細かな個性が備わっています。好き嫌いが案外大きく分かれると思うので、オススメはコレみたいなマネはしないでおきましょう。
ただ、OTTの部類とはまったく異なりますが、Devious Machinesのマルチコンプ、Multiband X6は見た目のややこしそうさに反して思いのほかよくできてました。あと一歩感もありつつですけど。
機能、操作感
起動直後、チュンチュンいうようなPhase Disperse感(再現するにはKiloheartsのDisperserがGood)があって、何らかのレイテンシーがもたらしたものかな…?と。
見た目はいつもどおり、視認しやすさは別として、統一感を失わないのはとてもよい。
入力信号に何を選ぶかにもよりますが、アグレッシブなプリセットも多く、その切り替え時には急な爆音が発生する場合もあるため注意したほうがよさそう(auto compensatorを搭載したほうがいいような気も)。
OTTばりのキツめな設定のものは、INPUTのゲイン調整で効果が大きく変化します。これをやってる間はなかなか手応えがあってよいです。
それと並んで、右に見えるコンプレッショングラフは、出音のイメージをしやすくてよい。ちょっと幾何学的に動きすぎな気もしますが、これはこのソフトの特徴と解釈。
もちろん、一般的なマルチコンプのように繊細な効果を発揮するものもあります。
アップワードコンプに当たる部分はエクスパンダーとしても機能し、極端な設定にすればゲートにもなりそうで、単純に設定幅の大きな2段階のダイナミクスエフェクトとして使う手は当然アリ。
BLEASS製品には、オモテ面とウラ面(詳細設定などが備わる)がある印象があったのですが、このソフトに関してはオモテ面にすべて集約されています。LookaheadやSidechainはウラ面でもいいような…。
このSidechainですが、上のスクショ左端にも見えるように、3つの帯域のいずれかまたは複数に対して効かせられます。
OTTの代用ととるか、フレキシブルなマルチコンプととるかによって製品の印象が異なりそう。
前者として見ると若干物足りなく、後者として見れば(少しデジタルっぽさが強すぎる感もあるが、機能としては)悪くない。そんなふうに感じました。