Audiomodern “Opacity”(discontinued)

audiomodern社の新製品 Opacity の情報が。

Opacity | Audiomodern
Opacity | Audiomodern

audiomodern社製品としてはPATH、PATH 2に続くもので、音の作り込まれ方はある程度信用していいと思います。

定価が€99でイントロ価格が€79。

僕が所有している音ネタでいうと過去にSpectrasonicsがサンプリングCD形式で販売していたBizarre Guitarと少々カブります。
Bizarre〜のほうは歪み要素高めでしたが、Opacityはクリーンでピュアでスペイシーなほうにベクトル向いてますね。Opacity(透過度)というくらいだから、そりゃそうか。

Kontaktも採用しているトランジェントベースのタイムコンプ、ピッチチェンジエンジンは、滑らかな音にピッキングノイズが瞬間的に入る部類のサウンドの処理が実は苦手なので、その部類の音を使う際にはなるべく元サンプルのピッチやBPMを変えずに使うのが慣習。
どうしても音質を最大限に維持しつつピッチを変えなくてはいけないなら別エンジンに取り込んで鳴らすなどしますが、幸か不幸か、元データが.ncwのlosslessでエンコードされていて(いったんMIDIで鳴らして書き出さない限り)別エンジンで使えず。もどかしい。
なので個人的にはここまで自信のある音源ならばConstructionKitのSamplePack形式で販売してくれたほうが有り難かった。
でもKontakt崇拝がこんだけ進んじゃってるとKontakt形式で売らざるを得ないのか、とも。

グリッチーになるのを避けられない場合、

  • 映像用の音楽として指名依頼されて作る中でそれが素材としておいしく使われている
  • グリッチミュージックとして(作り手、評価手、鑑賞者ともに)許容しうる仕上がりになっている
  • あるいは「こいつはたまにおかしなことをするから仕方ない」と認知してもらえている、またはノイズを許容せざるを得ない制作費である

ならば許容され得ますが、もしも楽曲販売サイトに登録するとしたらノイズ対策不充分としてハジかれる可能性があって正直危なっかしい。
もとより、この手のキャラの強い素材を楽曲に大々的にもしくは素の状態で使うのは商業倫理の面で一般にタブーとされます(著作権上の引用要件の理解に近い)。とはいえそうした露骨な使い方に対する検出の仕組みが整っているとも言えないので、現状見過ごされてるものもあるかもしれません。あんまり悪質だと遅かれ早かれ炎上するとは思いますが。

話戻って、Opacityがイカした製品であるかどうかというと、イカした製品だと思います。
国内の映像向け音楽(劇伴含む)はクッキリした音像のものが好まれる傾向あるためほぼ出番なさそうですが、海外向けの(それこそcinematicとされる分野に放り込む)楽曲や、個人の作品としてリリースする楽曲でフィーチャーするにはいいんじゃないでしょうか。