Wide Blue Sound “Silencer”

Wide Blue Soundなる新興デベロッパーから、特許出願中の技術を搭載したSilencerが登場。
昨日ニュースサイトで見かけていたのだけど、全体的に説明が抽象的なのでスルーしてました。

動画を見てもデモ版を立ち上げても今ひとつ何していいのかよくわからなかったので、解説を見てみると、要するにリバーブのバッファを周期的にクリアして残響成分内の音のぶつかりを回避したり、設定を記録したり、残響成分にポンピングエフェクトを与える恒例のギミックを既存のリバーブプラグインに追加するメタプラグインと見られます。まだ、ローカルのVSTエフェクトのスキャンが50%に達したばかりで動作確認できてないので、誤認があったらすいません。

どこまで作り込みできるかは現段階だと未知数なのですが、やっぱりJ-Popのようにコード進行が複雑な音楽にとっては非常に有り難いと思いますね。あとネオソウル系もそうか。
VSTを中心に動作させられる環境ではおそらく直接MIDI信号をプラグインエフェクトに送り込めるので便利だと思います。
Logicだと少し使いづらくなるのかなという気はしますね。

ちょっと不安なのは、特許出願中の技術ということは(内容にもよるが)少々ムチャな仕組みを備えているかもしれないこと。そうした仕組みのものはDAWやOS自体がバージョンアップしたり、ものによってはインサートするリバーブエフェクトがバージョンアップすると使えなくなったり、最悪クラッシュしてしまう可能性があります。早い話、親方の仕様変更にキャッチアップする責務が発生してしまうため、後方互換性に危うさが出ますね。
もっと泥臭い手法としては、たとえば表向き1個のリバーブエフェクトが挿さってるように見えても、内部的にはリバーブタイムを使い切るぶんのリバーブエフェクトを複数個挿していて、順番にミュート解除を繰り返しているとか。CPUを浪費してしまうので、さすがにそんな仕様じゃないとは思うのですが。
もしくは瞬時にリバーブタイムを縮めたりしているのか。

14日間動作可能なトライアル版が用意されており、こちらは数秒おきにノイズがフェードインしてきます。

追記

今ようやくVSTスキャンが終わったので動作確認してみました。ちょっとわかりにくいですが、上の動画をYouTubeで見るとIndexが記されているので、TimeGateの箇所に頭出ししてみると一発でわかるでしょう。10dB(これは画面右側のTRIGで設定した値のようだ)辺りをスレッショルドとしてトランジェントを検出しているのか、きちんとリバーブテイルをカットして新しい入力信号に反応してくれるのがわかりました。なので、入力信号同士の間が極端に詰まっているとバッファのクリアは行われないみたい。
あとサイドチェーンでのコントロールはMIDIと記したボタンを有効にする必要あり

UI面では直感的と少々言い難いとこがありますが、改善されるか、慣れるか、たぶん誰かDTM系のYouTuberが解説動画を作ると思うので、アテにして待つといいでしょう。
ちなみにお値段的にはまあまあしますので、面白そうなことが好きだったり、元が取れそうなら入手するとよさそう。

以下、残響バッファに関連する過去記事。