Logic Proでのオートメーション不可項目

今日は更新の予定がなかったんですが、いろいろ調べ物をしているうちに整理が必要だと思ったんで、日記を使わせてもらいます。全体にとっ散らかってるのはお察しください。

レビューというか紹介記事をまだ書いてない、EvabeatのMelody Sauce 2ってソフトがありまして、詳しくは来週の週明けくらいに書こうと思ってるのですが、基本、この種類のソフトの中ではかなり有効活用に期待できる代物だと感じてます。

プラグインパラメータの明示性

Logic Proの仕様上の問題でもあるとともに、このソフトの設計上の問題(仕様?)かと思うのですが、Logic Proからのオートメーションに向きません。ゆえに、Ableton LiveやCubase、Studio One等ならいわゆるライブパフォーマンス時に活用できるものの、Logic Proでのライブパフォーマンスに使用するのは少々厳しい。
要は直接的なオートメーションがまったくできないわけです。Logic Pro(に限らず)でのオートメーション(ならびに対応パラメータをチェックする方法)にはいくつか種類があって、

  1. トラックのオートメーションパラメータのリストに表示される
  2. トラックをWriteモード(LogicではTouchまたはLatch)にして、再生しながらプラグインのパラメータをいじるとその操作が記録される
  3. 「ミックス」メニューの「Readモードでオートメーションパラメータを自動選択」をOnにしておくと、プラグインのパラメータにマウスポインタで触れるだけでトラックに呼び出される
  4. プラグインウィンドウをコントロール表示にするとパラメータがリストアップされる
  5. スマートコントロールのフェーダ/ノブ/ボタン/スイッチに対するパラメータマッピングのリストの、「オートメーション不可」以外のリストに表示され、これらのコントロールを介してオートメーションが記録される
  6. MIDIラーンをアサインする
  7. MIDI FXのLearn Plug-in Parameterを選択して、プラグインのパラメータをアサインできる

主にはこんなとこかと思います。この1、2を直接的と表しました。
おそらくほぼ全てのプラグインにおいて、上記1、4、5、7は同じ内容が表示されるはず。どうも、まれに5の方法でオートメーション可能になるものもあるらしい。

変則的でもワークアラウンドは可能か

この問題のワークアラウンド(回避策)をあれこれ探っていて、基本的にはこのソフトの設計上、Logic Proでオートメーションを行うのはほぼ無理だろうと考えています。オートメーションと便宜上書いてますが、要するにMelody Sauce 2のインターフェースを画面に表示していない状態で、たとえばMIDIコントローラで操作するのはほぼ不可能ということ。Logic Proでライブパフォーマンス時にMelody Sauce 2をコントロールしようとしたら、Melody Sauce 2のインターフェースを表示した上で、マウスで地味にぽちぽちクリックしないといかん。もしくは、何らかのスクリプトを介するか。

そこで、スクリプトを介する代わりに、いわゆるメタプラグイン(あるいはPlugin-ed Pluginとカテゴライズされる)Excite AudioのChain LeaderにMelody Sauce 2をロードしてみたところ、こちらはインターフェースのパラメータをクリックしただけでマクロパラメータと結びつけることが可能でした。ただし、プラグインエフェクトのスロットにプラグインインストをロードするという変則的用法のせいか、Logic Proごと落ちてしまったりで危なすぎ。
ならばってことで、プラグインインストのほうにロードできるものとしてKomplete Kontrolに読み込んでみたのですが、安定性が多少よくなる程度で、扱いやすさとしては特に変わらずでした。

繰り返しになりますが、Ableton Live等で扱うぶんにはあまり困らないと思います。
ネックになっているのが、推測になりますが、モードの切り替えスイッチふうに見えているほぼすべてのパラメータが、個々にOn/Offを持っていて内部的に優先度で動作を決定しているところではないかと。これだとモードを切り替えるために、モードの数に相当する数のオートメーションを動かさなくてはならなくなります。

実際の使用時

そして、欲を言えば、右側に見えるMELODY BANK。切り替える必要があるときに、これはAbleton Live等でもマウスでクリックしないといけないため、便利とは言いにくい。
なのでいま思いつく限りですが、実際の使用時のワークフローとしては、DAWを走らせながら適宜メロディ生成をして、よきものが生成されたならDAWプロジェクトのトラックにMIDIとして貼り付けて、MODEをDAW MIDIに切り替え、適宜修正を施したのち、別のフレーズを生成する必要が生じたら再びMODEをCREATEに切り替えてメロディを生成して同様にトラックにMIDIとして貼る、という使い方になるんじゃないかなと思います。

また、Logic Pro上でどうしてもMelody Sauce 2に対してオートメーションを使いたい場合には、せめてスマートコントロールを使用したほうが、特にOn/Offといった2値パラメータに関しては記録しやすいと思います。

念のため、これまたしつこいですが、本製品、生成機能としては優れていて、Ableton Live等で使用するぶんには有効に活用できます。Logic Proで使うとしたら活用方法の半分くらいは失われそうなとこが、至極残念ってことです。
機能的には歓迎光臨だけど、操作性の面では諸手を挙げて喜ぶことができない、というのが私の感想。


ここ数年、デベロッパが増えたぶん斬新な切り口を持ったソフトも増えてます。と同時に、変則的な操作体系のソフトもちょくちょく目に入るようになりました。個人的にはですけど、Logic Pro擁するAppleさんには、もう少しこうした「あっちのDAWではできるのに、こっちのDAWではできない」的な差異が生じないようなガイドラインでも立ててもらいたいところ。特異性ではなく、ユーザビリティの話。

参考