Tone2 “Icarus2” アプデ

予告なく(だと思う) Icarus2 のアップデート来ました。
Black Friday, Cyber Mondayでお金使い過ぎちゃった方には「ちょっとぉ!」ってとこかも。
デモ版はこちら(Download high-end VST / AU plugins for free)。

Icarus2 synthesizer VST AU plugin
Icarus2 synthesizer VST AU plugin
Icarus2 synthesizer VST AU plugin
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早速。
アップデートにおいて旧版は上書きされるので「インストール失敗した?」と思って何度もやり直す必要はありません。ライセンス(t2k)も新しくなるので古いライセンスは処分していいかも。

アップデート内容

アップデート内容ですが、上のスクショでご覧いただける通り、画面がデカくなってFilterなどを頻繁に切り替える必要がなくなりました。
下部中央のアルペジエイターやFX、モジュレーションマトリックス(ルーティング)、セットアップ類は切り替えの必要あり。
ほか、本バージョンで売りと思われるのが、DRUMSという5トラックのサンプラーかつシーケンサー、およびSugar BytesのEffectrixライクなグリッチャー。Icarus2にアップデートしてプリセットをチェックし始めてすぐは「なんだ、どうやって鳴ってんだ!?」と思ったものの、蓋を開ければそういうこと。
機能追加としては以上。
まあ、Tone2製品のたとえばフィルター種、エフェクター等の増強はこれまでもマイナーバージョンアップの中で行われてきているので、本バージョンでは新しいフレームワークへの進展と理解したほうがよさそう。

サウンドクオリティが低下して聞こえちゃってる

プリセットを最初から順繰り鳴らしていくと、音悪くなった?という印象になりました。
早い話、これはプリセットの最初に位置する「1 Key Hold」に、音が悪く聞こえるような力技の音色が集中してるせいかと。
つまり…DRUMSのようなパンチのある音も同一出力から鳴らされ、比較的シンセ音に特化した仕組みの内蔵デジタルLimiterがトータルでキツめにかかっちゃってるってのが1点。トランジェントを拾って巧みにマキシマイザーかけて云々みたいな時代にこの仕組みで音鳴らしちゃうとそりゃやっぱり音悪く聞こえます。
またノイジーに聞こえやすいWavetable化されたボイスサンプルが多用されているのが1点。これも内蔵のデジタルLimiterでノイジーさが増幅されるわけですからジャギジャギに聞こえちゃう。
プラグインソフト1個でDAW並みの機能を擬似的に再現しようとして、逆に「しょうがないじゃん、だってDAWじゃないんだから…」ってのが表れちゃってます。

あと、ついでなので。DRUMSに読み込めるサンプル群のフォルダをチェックしました。

サンプルフォルダの中身
サンプルフォルダの中身
末尾にノイズが
末尾にノイズが

フォーマットがバラバラで、サンプリング周波数96kHzや11.025kHz、16ビットや32ビットが混在。
もちろん、こういうのは他に一緒に鳴らす他のサンプルとのバランスもあるんで一概にどうこう言えないんですけど。
それと、上のスクショ右はファイルの最後にゴミが残ったもので、ワンショット用サンプルで使うと、再生するたびにプチプチ鳴ってしまう。さすがにトリートメント必要だったのでは?(ただ、アタックのタイミングを調整する目的で、こういう波形の状態にしなきゃいけない場面が決してないわけではない)
本製品のプリセットの制作を色んなクリエイターに依頼して最後に取りまとめて、結果、サンプルフォルダがこういう散らかった状態になったんだと思いますが、これだとDCオフセットの面も若干心配なので、気になる人はこのサンプルフォルダもまとめてチェックして、必要に応じて修正する必要があるかもしれません(後々またバージョンアップで上書きされるかもしんないけど)。

総評

見せ方に失敗してる感ありますけど、基本性能は変わらず高いまま。
将来的な機能増強に向けて提示された新フレームワークとしては、現状じゃまだ判断しきれませんが、個人的にはもうちょっと違う方向のものがよかったかな。
とはいえ、この仕組みだからできるようになった斬新な機能がいずれ提示されたときに盛大に掌返しする心の準備はあります。