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スニペットなど用意する気もねえとまで言わせているのは何なのか
1年くらい前までBandcampは再生し放題で、ダウンローダを使えばブッコ抜きし放題でしたが、いつしか、制約ができた模様。
多くのサイトのようにプレビュー音源を用意または生成したらいいのにと思ったもんです。そのくらいの体力あるでしょう?
と、Bandcampのヘルプに「30秒スニペットを実装する気はない。理由はこれ。」とあるのを見かけました。
New Music Strategiesというサイトの2007年の記事です。
要約します。
THING2: 聞いて/気に入って/買う
音楽マーケ手法には多々あるが、基本的な原理の点でトチっていないか?
図書館で見た本が気に入って本屋で買うって流れもあるが、映画が好きだからと映画チケットを買うことはない。つまり一般的な行動原理としては購入の後に消費がある。
映画を気に入ってDVDを買うみたいな流れもあるが、一般的には、映画館でチケットを買って見て気に入った上で買う、とやはり購入が先立つ流れだ。音楽は違う。ラジオでオンエアされまくって気に入られた上で購入に至る。
ポップスは聞き手にちょっと刺さったくらいじゃダメで、リスニング以外の面すなわち露出を増やす方向で宣伝活動が繰り広げられる。音楽の消費は多くの人にとって重大な行為だ。
買って聞くだけじゃ物足りず、収集し、勝手なコンテキストを加えられたりする。衝動買いにプラスアルファの何かしらを提供することで、制作者は鑑賞者の世界に食い込むわけだ。
ものがポップであれポリティカルなパンクであれ、実験音楽、アヴァンギャルドであれ、聞いて、気に入って、(運が良ければ)消費される。その順序は覆らない。買ってから聞いて気に入るなんてことは起きない。そこいくと30秒のサンプルなど愚の骨頂だ。
そんなものより、聞かせ、心に留めさせ、虜になさい。イイ曲だろうが仰山の選択肢の一つでしかないのだから、ケチケチせずバラまきなさい(そのほうがよほど簡単でしょう?)。
消費者との関係を結ぶなら制約なしに何度でも聞かせて所有欲をくすぐりなさい。
価値を提供すれば報酬を得られるのが資本主義だろう? 価値を決めるのも君ではないんだ。
極論気味なのはこの手のサイトの作法(いわゆる演説のてい)で、「なるほど当時はそういう檄が飛んだのだなあ」程度に読むのが妥当。
この檄がBandcampにも響いたってことですね。
つまりBandcampは「購入欲を掻き立てる自信がある貴方の作品を我がサイトで取り上げるのに、30秒のサンプルなどといった腰の引けたプロモーションをサポートする必要ないですよね?」というスタンスであると考えてよいでしょう。
もちろん、だからといってBandcampがブッコ抜きを許してると解釈するのはポリシーを理解できてなさ過ぎ。気に入ったなら買うという約束のもとに閲覧者に与えられた自由試聴の権利に過ぎません。
bandcampの試聴音源を手放しダウンロードできるyoutube**(伏せ字)というのがネットを探すと見つかりますが、現在多くのbandcamp上の作品はDL不可能です(特にレーベルもの)。
Bandcamp にアップ可能なボーナスアイテム
What file types can I include as bonus items in an album download?
The usual: png, jpg, gif, pdf, doc, docx, txt, ppt, pptx, mp4, m4v, m4r, mov, wmv, avi, mpg, mpeg, swf, flv, torrent, cue, afm, amxd, otf, sib, ptb, mid, midi, gp5, gpx, fxp, fxb, vst, mod, it, xm, mtm, nsf, ttf, sav, epub, mobi, vst3, and alp. Most music file types are deliberately not included. If you want to include a track as a bonus item in an album download, upload it like any other track, but check “bonus track.”
すっごく大雑把に分けると、
- png, jpg, gif, pdf, doc, docx, txt, ppt, pptx, nsf, epub, mobi : 画像、文書
- mp4, m4v, m4r, mov, wmv, avi, mpg, mpeg, swf, flv : 動画
- torrent:torrentファイル
- cue : ディスクイメージ(cueシートのみと考えたほうがいいかも)
- afm, otf, ttf : フォント
- amxd, alp : liveおよびmax for live用のファイル
- sib, ptb, gp5, gpx : 楽譜
- mid, midi : MIDI
- fxp, fxb, vst, vst3 : vstと設定ファイル
- mod, it, xm, mtm : soundtracker, impulse trackerファイル、Amiga系派生ファイル
- sav : たぶん何らかのセーブデータ
こんな感じでしょうか。対応ファイルが追加/削除される可能性もあり。
「一般的な音楽ファイルをボーナスアイテムとしてアップロードできるようにはしていません。それをしたいなら、トラックとしてアップロードして”bonus track”にチェックを入れてね。」とのこと。
前にもちょこっと書いた通り、特定のプラグイン固有の拡張子はサポートされてないので、現在プリセットファイルの配布が地味に流行っているものの、Bandcampはあまり向いていません。
自身のサイトにEC機能がないなら、synthmob(アーカイブ)やその他一般的なアップローダを使用するのが順当と考えます。