SoundSpot “Union”

今日はもう1つ取り上げましょう。
Plugin Boutiqueのポイントがちょっと溜まってたので、ニュースで見かけたSoundSpotの Union でも…と見たら、叩き売りにも程がある値段だったのでゲットしちゃいました。

SoundSpotにはもともと「見かけ倒し」の印象しか持っていなので、95%引きという暴力的な値引きのなされた代物であっても、値段分の価値があるかは正直疑わしい。

実際、使ってみてどうかというとUIは相変わらず直感に程遠いのですが、仕組みにはアイディアがあって、サウンドクオリティも悪くありません。
Wavetableと紹介されるとSerumやMassive、Falconのようなものを想像してしまいますが、PropellerheadのEuropeのほうが比較的イメージに近い。
マニュアルが見当たらないのでとりあえず手当り次第触ってわかったところでいうと、仕組みとしては2つのオシレーターから3つ目のオシレーターとしてWavetableを生成し、それがLFO等に制御されて音が鳴るというもの。

この「Wavetableを生成」というのがキモで、一般的なWavetableシンセで準備されたWavetableで飽き足らない場合どうするかって問題が、Unionではその場で解決されます。結果もいい意味で不安定なので、何遍でも試せます。
何度かWavetableの自作を試してきたものの、結局自分の好みが影響してしまって新鮮さが得られることは少ないんです。それを個性と嘯ける僕ではない。
だから感覚任せ、いっそ博打感覚ででもザッと生成して面白いものが生まれたほうが、創作意欲につながって嬉しいんですね(博打感覚自体は褒められたものでもないが)。

Unison発音が最大32でポリ数が最大32というのはイカれてますね(設定通り鳴っているかは定かでない)。
Unison発音って実際、7辺りを超えると大差ないので、それだったらポリ数を膨大に増やしてくれたほうが実用的な気がするんですが、CPUへの負荷もそこまで高くはないですし、32ユニゾンを実現したことは称えるべきかもしれません。

エフェクトとして備わっているのはWavetable生成用としてPhaserとDelay、Distortion、Reverbで、マスターエフェクトとしては他にChorus、Flanger、Filter、Dynamics、Equalizerがあります。順序の変更は可能。
Reverbは同社のOracleだったかいうのが恐らくそのまま流用されているかもしれません。原音との混ざり具合は良くない。嫌い。

プリセットはそこそこの数揃ってますね。
ただ、直前にCheeze Machine Proの根性を体験してしまったせいか、物足りない感あり。

フィルター部分はLPFとHPFの2種類しかありませんが、それぞれ12, 24, 36, 48dB/octと段階的に揃っています。
フィルターでもって差別化を図る他のWavetableシンセとは違う用途のものと理解すべきでしょう。
でもBPFとPKFくらいはあってもいいかな。バージョンアップに期待します。

総論として、どこを触ると何が起きるのか全くわからん絶望的なUIを除けば、コスパのいいシンセだと思います。
ただ、前面に出るような強さまでは持っておらず、その代わり制作中の音楽の物足りない部分を補うサブ的な位置づけを担わせるものとしては有用。
同じ位置づけのものとしてInitial AudioのSektorを以前紹介して酷評した覚えがあって、さらに鞭打つようで申し訳ないけど、価格的にも機能的にもUnionを選んだほうがずっとマシな気がします。