Sound Particles “Brightness Panner”

Sound Particlesの新製品は Brightness Panner と。Air, Energy Pannerと、この日記ではこれまで二度取り上げていて、何か別のソフトの物真似ってのと全く違う立ち位置なので、個人的に注目しているメーカーの1つです。
処理としては若干重めですが、ソフト自体の動作はすこぶる滑らかで軽快。パラメーターいじるだけでガタついたり、操作の感触がイマイチ伝わってこないソフトが結構あるんで、堂に入っている…原義通り「堂に入っている」印象です。

それで、見た目的にほぼ変わらないEnergy Pannerと何が違うのかというと、Energy PannerがいわゆるEnvelope Followerすなわち音の大きさに連動する形で動作するのに対し、Brightness Pannerは周波数または音程に連動する形で動作します。つまり入力音の明るさに連動させるのが1つの基本的な使い方で、このプラグインをMIDI制御エフェクトとして扱い、定位を動かしたいソースをサイドチェーンとして拾ってくるのがもう1つの使い方。まあ、これはLogicの場合だとそういうフローになるっつう話なので、CubaseやStudio One、Ableton LiveだとBrightness Pannerに直接MIDI信号を送り込む、もう少し直感に近いフローになるかと思います(試してない)。

なので、処理対象(または別ソース)の音の種類にもよりますが、音量に対して連動する方式よりも値が暴れにくい。アタックタイム、リリースタイムの設定を緩やかにすれば確かにEnvelope Followerも穏やかな動きになってくれるのだけど、曲の構成によって反応速度や最大値を変えるっていうオーガニックなこと考えると、途端にオートメーション情報が大量に必要になるわけで、それより少ない制御信号で定位を操作できるとなるとBrightness Pannerの方式のほうが便利になりますよね。とはいえ相変わらずサイドチェーンを使う方式だとトラックでの視認性は低くなりますけど。

現状、ソース別にEnergy PannerとBrightness Pannerというふうに分かれていて、さらにまた幾つか同様のものが登場するのかその辺りはわかりませんけど、1つのソフトの中でソースを選べるほうが、重くはなっても、取り回しはしやすいはず。

ちなみにBrightness PannerもEnergy Pannerも3D音響気味に捉えることはできますが、縦方向の変化は仕込まれてません。立体的定位が好きな自分としては少し物足りず、以前導入したDearVRも僕の中では評価が低いので、決定打的なものを待ちつつ過ごしています。

余談ですが数週間前、Googleがひっそりと3Dオーディオに関わる会社Dysonicsを買収していて、その方面に手を出すのではと一部で伝えられとります。COVID-19禍以降、美術館のバーチャル見学なんかがすぐさまメディアでも取り挙げられたので、今度は音楽会やコンサート、DJパーティー、レイヴをバーチャル化するのかなとも思ったのですが、イヤフォンやヘッドフォンなどハードウェア方面が期待されるらしい。

前の日記でも触れた、モノラルにしたときにどうかって点についても記しておきますと、ドップラー効果は仕組みとして持っていないようなので、モノラルにした際にはフランジングというよりフェージングの形でサウンドに影響が出ます。これを良しとするかは人によるかも知れない。僕はわりあいフランジングよりフェージングのほうがマシと考えるタイプ。でも同時に、フェージングが気持ち悪いという人の気持ちもある程度わかります。
そういったフランジングなりフェージングなどの副作用が出ないような定位操作エフェクトを目指すと結果的にステレオモードでの使用時に効果が薄くなるってなもんで、あくまでステレオまたはMSまたはバイノーラルでの使用に用途を絞る、つまりは映像作品用に用途が絞られるのが現実かと思います。個人的にはそういうふうに聞き手の環境を考慮して創作時の手段が縛られると「うーん」ってなるので、リスニング用途の曲にもガシガシ使いますけどね。

価格ですが、Brightness Panner単体が定価$49(5390円)でイントロ価格$39(4290円)。Bright Pannerとのセットだと定価$69(7590円)でイントロ価格$49(5390円)、AirやDopplerと合わせた4種のエフェクトとのセットが定価$199(2万1890円)でイントロ価格$179(1万9690円)とわりとお手頃となってます。