Spitfire Audio “Air Studios Reverb”

Spitfire Audio “Air Studios Reverb”

Spitfire Audio初のオーディオエフェクトプラグイン、Air Studios Reverbがリリースされました。例によってお値段がかなりのものです。

Spitfire Audioの各種オーケストラライブラリーの収録場所として重宝されてきているのがAir StudiosのLyndhurst Hallで、この特徴的な響きを単にIRの収集などでは済まさず、ユーザーが手元でバランス取れるようにしたものとされています。

情報

  • Windows, macOS対応
  • VST, VST3, AU, AAX
  • 定価$349、イントロ価格$279

IRを活用

Lyndhurst Hallは建物が六角形のような形をしており、奥にパイプオルガン、手前上部にギャラリー席と下部にコントロールルームとブース、上部には高さを変えられる天蓋が設置されています。

ハンスジマーはこのホールを通常とは真逆つまり観客席に背を向けたスタイルで収録するなどしていて、それに倣うべく、このリバーブプラグインでは通常配置と逆配置両方の残響を得られる仕組みになっています。

ただ、実際に動作を確認したわけではありませんが、マニュアルによれば複数個所のポイントで収録されたIRのパンニング等を機械的に反転させられるってだけのようであり、はたしてハンスジマーが意図していたのと同じ響きを得られるかというと少し疑問です。
一方で、多くのIRリバーブがそういった反転機能を有しておらず(VRは少しこの文脈と異なる)、逆位置の響きを得ようとしたなら別のIRを読み込まねばならないのも確か。そのほうが逆位置の響きとしては確実に正しいものではありますが、結局、利便性を取るか正確さを取るかって選択に必然的になるでしょう。

響きの融和

制作の場で、オーケストラライブラリーと(他社製を含む)ほかの楽器群とで響きに融和をもたらす効果も、Spitfire Audioの狙いとしてあるでしょう。
そのためには各ソースが最低限ドライである必要がありそうですが、それでもちょっと馴染ませるためだけでもLyndhurst Hallの残響特性を利用できるメリットは大きいかもしれません。


追記

Air Studios ReverbのNFRを頂戴し、動作確認後𝕏に感想を流した通り、思っていたより手応えがあります。
調整するパラメーターによっては再計算のタイムラグがありますが、特に距離感の違いに伴う周波数分布の変化と、ステレオ幅を調整しても一定の成分のステレオ感が残る部分にリアリティを覚えます。ひとえに数か所におよぶIRをまとめたVPT手法の性能が思いのほか高いのでしょう。
リバーブレータは決定的なもの1つ持っていれば充分って考えに自分は否定的なのですが、そう考える理由が初めてわかった気がします。VPT同様に複数箇所の適切なIRを統合する手法を使えたなら、幾つものホールのIRを収集するより効率よく適切なリバーブを得ることができるはず。

May 20 – 26 【週間まとめ】 – makou’s peephole