Noisebud “Skyline”

Noisebudから、マルチバンドイメージャー Skyline がドネーションウェア($19)でリリースされました。
フリーバージョンもありますが、こちらは数秒おきにウィンドウが開発情報で隠されます。
ハース効果をベースとした一部のステレオスプレッドエフェクターは、処理後にモノラル環境で聞くとコムエフェクトがかかって聞こえてしまうのですが、Skylineだと完璧に原音が保たれる点にウリがあります。

試してみて、元の曲のミックス具合に効果がかなり左右されるなあという印象でした。イメージャーだけに左右、ってやかましいわ。
マスタリング用とされているだけあって、地味な音色に対して使うより、レンジの大きな音色やミックスバス、2ミックス音源に対して使ったほうが効果は大きい。それでもやはり元の音の状態に結果が大きく左右されます。

We still consider Mac builds experimental, seems to work perfectly though… So far so good」

(Mac版はまだ試験段階なのだけど、今のところ完全に動作しているようではある)

Skyline |

とのことなので、うまく機能しない環境もあるかもしれません。

SpreadとWidthという似たようで違う2種類のパラメーターが各帯域に備わっていて、この辺りの説明は(DAW再生中に限り)ウィンドウ内左下に表示されるのですが、曰く、Spreadのほうは右にノブを動かすとモノ成分をステレオ化して左に回すとSideチャンネルを強調し、Widthのほうは右にノブを動かすと左右チャンネルの差を増幅して左にノブを回すと左右チャンネルの和を増幅する、とのこと。

Skyline前後
Skyline前後

ざっとSkylineを挿す前の音源と挿した後の音源のステレオフィールドをキャプチャしてみたところ。
設定値を控えめにしたせいもあって(本記事冒頭のスクショが、マスタリング前の手持ちの音源をもとに、このくらいの設定が理想かなと調整した状態)極端に大きく違いは出ていないものの、効果が皆無ということもありませんでした。
ビジュアライザーではサイドにバンバンと飛び出してる瞬間があるんですけど、実は聞いててもあんまりわかんない。単純に、でかい音ほど強く効果が出てるってことかもしれない。したがって何とも言い難い結果。というか、どっちかというと音のデカいアタックに対してでなく、余韻に対してかかったほうが実用性があるのではと思ったりも。
あとピアノは比較的減衰が遅めなせいか、効果を強く感じましたね。しっとりしたリバーブは逆に効果が薄い。

しつこいですが元の音源のステレオ状態によるところが大きい。ということは、Skylineとしてのテンプレ設定を作れず、曲ごとに結構いじらなきゃいけないわけで、これは地味に面倒かもしれません。
そこいくとiZotopeのマルチチャンネルイメージャーは(お手製の)テンプレのままかけてイイ具合になるので、研究されてるんだなあと。
Skylineが決してダメではなくて、これはこれで仕組みに慣れればえげつないかけ方をできそうな気がしますね。特に低域はかなりハッキリ効果が出ます。