Minimal AudioのCurrentを記事で取り上げたのが2023年の10月ってことで、およそ半年。
制作意欲が少し焚きつけられるならってことで導入してから結構経っていて、やっとじっくり触る時間ができ、あれこれいじってみての感想をまとめます。
いいところ
大まかには先の記事で記した通りで、改めて感じたのは下記
- パーツが整然と揃っていて見栄えがよい。
- ファクトリーコンテンツの波形データが非常に多い。
- Bend方法はVital同様に2つの軸を持っている。
- ステレオスプレッドをモジュールが備えているのが面白い。
- SUBオシレータのパラメータが独特(特にKNOCK, DECAYパラメータ)
- EFFECTSに、同一エフェクトを2つ入れられるのがよい。
- EFFECTSの各エフェクト内のパラメータが独特で面白い。
- これらのエフェクトはMINIMAL AUDIO社からスピンオフでリリースされていて、意外と導入価値があるかもしれない。
よくないところ
- 機能によって切り替わるパネルがわかりづらく(同じ箇所を再度クリックすれば前画面に戻るのか、✗ボタンを押して閉じるのか、区別がつかない)、かつ切り替え時のマウスポインタ移動距離が長い。
- ボタンなのかプルダウンなのか、ラベルなのか入力欄なのか、上下ドラッグなのか、見た目の区別がつかない。
- 同じ音程を連続で鳴らすとリリースが途切れる(これはSerumのGLOBALのPREFERENCESにおける”Limit Polyphony to One of Any Note Numberにチェックが入っているのと同じ)。
- ポリ数の設定がない。
- LEGATOとMONOの関係がわかりにくい。またSerumでいうSCALED LEGATOがないためフレーズに制約が生まれる。
- 次のバージョンで修正されるらしい。
- ルーティングのマトリクスがないため、覚えておかないと忘れる。または複雑な結線をするのは危なっかしい。
- LP, HP, BP 18がほしい。
- 読み込み等の選択画面が、読み込みたいモジュールを覆い隠してしまうため、読み込む波形などを目視で確認できない。
- LFOの波形軸が中央にあるように見えるが、実際は−∞のところにあるため、一般的なソフトのLFOとは異なる設定をしないといけない(特にBipolarに設定したいときはかなり厄介)。
- 思っていたよりGRANULARやSAMPLERでできることは多くない。
- CLOUD STATUSのアイコンとSTREAMのアイコンは同じ画面を開く? どちらかでいいのでは?
- アンプシミュのようなエフェクトがほしい。
- ステレオスプレッドはよいが、ステレオウィズス(Stereo Width)もほしい。
といった感じで、音色の自作には少々難がある印象でした。
自分の中での位置付けとしてはSerum, Spire, Vital, Current, Surgeが競合しているのですが(Avenger, Nexus, Phase Plantは除外)、バランス、UI、サウンドクオリティ面ではSerumとSpireが抜けていて、Currentはそれに比べると劣る印象です。
個性はもちろん買うので、使う場面を選ばざるを得ないかなと。
ぜひともあと一息、インターフェース的に不足を感じる部分に手が入ってほしい。