Zynaptiq “MORPH 3”
ZynaptiqのMORPHがバージョンアップしてMORPH 3に。
製品ページに動画が貼られてますが、これは9年前にアップされた前バージョンのもの。それにしては、いま見ても充分すごい。
最近個人的に、サウンドのモーフィングの新しい手法が何かないかと考えていたところでして、タイムリーというか…。
プレスリリースによるとMORPH 3には通常版とPRO版があり、アルゴリズムの追加(INTERWEAVE V3、IMPRINT SMOOTH、IMPRINT CRYSTAL、ENHARMONIC、PRO版にはさらにFUSION、SONANCE)、リアルタイム・スタイル・トランスファー・モジュール、トランジェント・バイパスなど、より自然に近く、より実用性を高めたアップデートになっているらしい。
機能、操作感
前バージョンを覚えておらず(スルーしたかも)、参考になることを書き残せる自信がありませんが、せめてデモ版をダウンロードして少しいじってみた限りの所感を記します。
確実に何らかの形で出番がありそうなソフトであり、面白いって印象ありつつも、思い通りの音OR予想外の音を得るには、特に、素材やアルゴリズムのチョイスを徹底的に体得していくORマニュアルを読み込む準備時間が充分に必要そう。
設定方法や素材の選定(つまりソフトの習熟度)にもよると思いますが、使う場面はデジタルな、またはテクノロジカルなテイストが必要な場合に限られそうです。有機的なサウンドを得る用途にはピースがまだ何個か足りない印象。
たとえばボコーダーやトークボックスがとことん滑らかな出音だったなら、それはもうボコーダーでもトークボックスでもないみたいな話で、いかなZynaptiqのような技術力の高いブランドのソフトといえど、ぬるぬるすべすべしたような出音を生めるほど入力信号同士に共通項がなければ、現在の真っ向勝負な技術じゃゲットオーバーしにくいのかも。そこを埋めるのが膨大な参考資料からの機械学習、ひいてはAI予測になるんでしょうけど、今の情勢だとそこいらを突き詰めていくにはしんどいのかもしれない。
ともあれ、用途が絞られ、基本的に操作対象となる部分が多くはないのですが、掘ると深く広いですし、組み合わせ爆発的な潜在価値もあります。
価格もコスパも妥当中の妥当じゃないですかね。