2017年現在のLogic Pro Xからはこの言葉が姿を消していますが、アップデート直前まではTrue Peakを Inter sample Peaks と記していました。そもそもこれは何か。
- Why You Need an Inter Sample Meter When Mastering Music : Ask.Audio
- Inter-sample peaks? Do they exist, or are you worrying about a myth?(アーカイブ)
- 左近治のたわごと:So-netブログ(アーカイブ)
紹介した記事で説明充分な気もしますが一応。
多くの解説記事で「迷信のような話だが」的に語られているのは、過小に見積もられてることへの警鐘とも言えます。
Inter sample Peaks (ISP)
極端な例でいうと、カッツカツにマキシマイズされたデジタルオーディオデータは天井を切り取ったような波形になっていて、アナログに復号化されるとき、直前の勾配が加味されて天井を飛び出す形になります。
MP3などの圧縮音声が展開されたとき随所でクリップしちゃうのを連想するとわかりやすそう。
それを計算に入れてマキシマイザーの値を設定しないと再生機器を痛めたりリスナーに不快な思いをさせる可能性があります、と。
Inter-sample Peaksのクリップが起こりにくくなるようなケアを施すマキシマイザーと、わりとその辺り無頓着なマキシマイザーとが世にあるとも考えられます。
個々のトラックでクリップしてもミックスの段階で相殺されることはありますし、今どきのDAWにはピークを超えた値も保持してくれる仕組みが備わってるので、個々のトラックでそこまでナーバスになる必要はないかもしれません。
ただマスターデータでISPクリップが起こり得るデータを完成とするべきではないですね。
YouTubeのFabFilterアカウントが提供するPro-Lのチュートリアルでは、マキシマイザーの各パラメーターがどういう効果をもたらすか、ひいてはK-Systemとは何か(cf. K-Systemとは:Studio Gyokimae)ってとこまで映像付きで説明してくれてます。