第一報を半年ほど前に記した Heavyocity の無償サンプルライブラリー “FOUNDATIONS” シリーズ、旧記事を消して新しくざくっとまとめます。
概要
Heavyocity製品といえばいわゆる「やりこみ要素」の濃さで知られますが、価格もそれなりなので、冒険的に手を出すには少ししんどい。そんな求めに応じる形の、ちょい見せシリーズって存在です。
3月末にPIANO、続いて4月末にSTACCATO STRINGS、6月末にNYLON GUITAR、そして先日SYNTH BASSが登場。定期的とは言いにくいですが継続的にリリースされていて、誠実さを感じますね。
インストール
必要なのはKONTAKTまたはKONTAKT PLAYER、つまりAU, VST, AAXに対応したDAW環境があれば手に入るってことになります。
あとは、HEAVYOCITYにユーザーアカウントを作って各製品を無償購入し、ページ最下部のPortalと書かれたところからHEAVYOCITY PORTALをダウンロードして、インストールして、ログインすると、各製品シリアルナンバーを登録して製品をダウンロードできるようになります。
NATIVE ACCESSを持っている人は、そこにもシリアルナンバーを入力して製品を登録しておくと、KONTAKTのライブラリーウィンドウにFOUNDATIONSの製品リストが並ぶようになります。
LOCATEとする画面が出てきた場合、インストールされたフォルダーを指定し直してやります(HEAVYOCITY PORTALの画面からFOLDERを開くとラク)。うちだと、CONFIRMをそれぞれ2回ずつ行う必要がありました。
機能
いま現在4種類のライブラリーがありますが、機能的には一緒で、楽器音とレイヤーのパッド音色とをミックスさせ、そのままMIDIキーで鳴らすもよし、アルペジエイターまたはゲートを使って鳴らすもよしと。フィルターこそないものの、サンプルスタートを調整できるので楽器音もなんならシンセっぽく鳴らせます。
有償の製品はもっと複雑に機能が噛み合っていて、FOUNDATIONSではその原動力部分を体験できることになりますね。説明としては非常に淡白になりますが、プリセットを鳴らしてみると思いのほか他社製品よりも「なるほど」感が強い。もっと端的にいえば、けっこう直接的にインスピレーションを刺激してきます(HEAVYOCITY製品使ってる人は今さらでしょうけど)。
音色に関してはふつうにリアルな音で特に文句なし。SYNTHBASSだけ、おそらく想像とは異なる音。上のスクショでは音色プログラムを右下から選んだ図ですが、実際には上のスナップショットから選ぶのが正解。
率直な感想
ただ、個人的にすごく率直な感想を書くと、もちろんインスピレーションの刺激はかなりなもんですが、PIANO、STACCATO STRINGSまででシリーズ完了という感じがします。一貫した構造というのは今の時代、一番と言っていいほど大事なファクターであるのは言うまでもないのですが、NYLON GUITARやSYNTH BASSではそこまで仕組みが活かされてる気がしません。
とはいっても、抑えめのライブラリーサイズであり、無償環境で無償のライブラリーとして使え、インターフェースも整い、機能もナイスなのは、掛け値なしに素晴らしい。
今後のシリーズ製品にも期待したいと思います。次はいつですかね。