Sampleson “ElectroNylon” : バリエーション欲しいよなあ

Sampleson “ElectroNylon”

Samplesonが新しく出したのは、スペクトラル・モデリングという技術に基づきエレピとナイロンギターの中間的な音を出すことのできる ElectroNylon というシンセ。

CGのインパクトが強かったため椅子から腰を浮かせてしまったのだけど、そんなにでも…でした。
デモ版が見当たらないので実際に確認できてはいないのですが。

モデリングによる音色って、リアリティがそこまで出ないんですよね。傾向として。
物理モデリングになりますが、LogicのVintage Electric PianoやAASのLounge Lizardはかなりいいとこまでいってるけど、ダイナミックな曲になるとボロが出てしまう感じ(これはモデリングに限らずシンセ一般が抱えてる課題でもある)。
LogicのVintage B3やIK MultimediaのB-3X、MODO BASS、MODO DRUMは非常によく出来てると思います(ただしMODO DRUMはセットの切り替えがあまりに重過ぎる)。
Reaktor Prismは制御が少し面倒だけどそのぶん質もよくて、AASのChromaphone 2は強弱の振れ幅が少々小さすぎ、AASのGS-2やLogicのSculptureについては「あ、はい」という感じ。
もちろん好みの問題もあると思うし、必ずしもリアリティが必要な場面ばかりでもないし、「あ、はい」と感じるものこそ活用に燃えてしまうのですが。

思い起こすと実はGoogle(Magenta)が以前ニューラルシンセとしてAbleton Live用にデータを公開してましたね。

Making a Neural Synthesizer Instrument
In a previous post, we described the details of NSynth (Neural Audio Synthesis), a new approach to audio synthesis using neural networks. We hinted at furthe...

チェロとファゴットの中間的な音など出せます。
うちでも実際にダウンロードして試してみて技術の素晴らしさを感じはしたものの、元データがMP3のせいなのか、やはり粒が粗く、実用に堪えるとは言い難かった。
使うかどうかって点を置いとくしても、これが高精度の結果を生み出しつつぬるぬると変化するさまを見てみたい欲求はあります。

ひとまず、ナイロン弦とエレピはいずれもそんなにややこしい発音機構じゃないため中間的な音を生み出すのにもそこまで大変じゃないだろうと素人ながらに思っていて、じゃあこれがもう少し技術進展してスチール弦とピアノの中間的な音、SuperSawと鐘の中間的な音が鳴らせるようになったらどうなのか、そのアルゴリズムがぐんと性能上がったら今みたいなインターフェースでカバーし切れるのかなんてことを思わされました。