Cradle “The God Particle” – 軽量サウンドスカルプター

The God Particle - Cradle
The God Particle – Cradle

以前 Prince をチェックした、いい意味でオタク臭が漂う Cradle から新製品、The God Particle (ヒッグス粒子を指すらしい)が登場。今回は音源ではなく、ミックスバス(またはマスター)用のある種のバイタライザー。
試してみたら、これ、かなり好みです。ここんとこの自分にしては珍しく、即ポチ。

アナログライクなコシの強さ、揺れなさ、しっとりとさせつつ、バイタリティある音を吐いてくれるので、2ミックスがそれなりに整ってさえいればマスターに使っても、ダイナミックレンジの保たれた(印象の)飽和感ない音圧が得られます。
低域はかなり低いとこまで、高域はかなり広い範囲で拾い上げ、密度が濃くなりがちな中域は強めに検出しつつ適度に圧力を散らしてくれるので、Ozoneやついでに差すエンハンサーも要らなくなりそう。強い。

海外の掲示板では、「彼(Jaycen Joshua)の設備と同じものを揃えれば再現可能なものを良しととらえるべきか否か」とか「自分が好きなジャンルのエンジニアではないからなあ」みたいな評価を見かけました。
うちで、マスタリング済みの分厚め打ち込み曲と、薄めのニカ曲と、手持ちのアンプラグド曲そのそれぞれ2ミックス、あと作りかけのジャッキン・ハウスっぽい曲に対してかけてみたところ、おおむね、入力を多少煽りつつリミッティングを少し抑えたくらいのほうが解像度の高い(ように聞こえる)音が得られる印象で、今のところOzoneなどのような失敗感がありません。

どうもガサガサしたサウンドになってしまう人や、自分の耳に自信がない人にとっては、助けになりますね。ただし、もっと仕上げを追い込みたい人には調整可能なパラメーター数に不足感があると思います(でも、決め打ちパラメーターだからこそ価格も負荷も抑えられているはず)。
もちろん好みがあると思うので万人向けとは言いませんが、現状プリセットが未配備なので、これが出揃ってくるとオールラウンドに使えるようになる可能性が高いです。価格は$79(8690円)。お手頃。

220630追記

MusicTech誌にレビューが載っており、特典は10点満点中8点。減点理由の主な部分は、万能ではないことと、出力をLUFSで表示してくれないこと。ほぼ私の感想と一緒で、ちょっと安心しました。
大事なのはミックスバスの前やマスターバスの前できちんとミックスできていることと、適正な値に微調整すること、それとこのプラグインが自分の音源にマッチしてるかを判断できること。したがって、The God Particleは便利であるものの、これを使わない場合のエフェクトチェーンも自力で作っておく必要があるといえるでしょう。Ozoneに関しても以前書きましたけど、わからずに使ってるといざというときに困ります。

後半のまとめ部分をDeepLによる翻訳で抜粋します。

テストでは、あるトラックでは、10以上のプラグインのミックス/マスターチェーンを削除しても、The God Particleと少しのプリEQを使うだけで同様のサウンドが得られることがわかり、衝撃を覚えました。CPU使用率やレイテンシーが比較的低いことも、これをより魅力的なものにしています。とはいえ、すべての状況でうまくいくわけではなく、いくつかのトラックは少しハイパーすぎたり、鈍かったり、過剰にワイドなサウンドになったりしました。これは、最初からプラグインにミックスすることが推奨されているため、それに応じてミキシングの判断が変わってくるからだろう。

プロデューサーによっては、多くの処理を行い、その仕組みやコントロールを隠してしまう「ワンノブワンダー」プラグインを軽蔑するかもしれませんが、私たちはこのプラグインに好感を持ちました。このプラグインは、初心者や手っ取り早く修正したいビートメーカーを対象にしているので、微調整が好きな人には向いていないかもしれません。また、コントロールが限られているため、ミックスが特定のサウンドに偏ってしまい、すべてのジャンルやトラックでうまくいくとは限りません。

このままでは少々値が張るので、将来のバージョンではもう少しコントロールの幅を広げて、柔軟性を高めることができるかもしれません。このことはさておき、結果はそれ自身を物語っており、それが機能するとき、それは驚くほど迅速かつ簡単に使用することができます。