Cory Henry が請われて急遽演奏し、真骨頂と言えるアドリブをぶちかます動画があって、気になった部分があったのでこの機会に採譜してみました。
新進気鋭のキーボーディスト、Cory Henryのセッションでのアドリブプレイをざっくりと採譜。細かいパッセージも好きなのですが、白眉は後半からグイグイ押してくる即興のリハーモニゼーション。たぶん十八番の技法なんでしょう。
スペースの都合上”半テンポ”で採譜したので実際には1小節となるモチーフ、これ、譜面の最初の方にメモしました。堂に入ったアウトを織り交ぜたパッセージと、目立つフレーズの繰り返しを用いて、前半で充分に空気を醸成し、後半からは元のモチーフをリハーモナイズしつつゴージャスに…という流れですね。
あえて譜面の中にオーディエンスの反応を記しました。ふだんよほどのものを聞いて過ごしているのでしょう、非常に反応が早く、一方でテクニカルな内容を弾いても”続き”を期待するかのように黙って見つめていたりします。つまりそういう世界なんだと羨ましくも辛くもあり。
下にあとで紹介しますが、ビートルズのYesterdayをベースと二人で演奏したものも、即興ながら非常に印象に残るフレーズを丁寧に紡いだ逸品です。
ちらりと書きましたが、Gospel Chopsのドラマーの豪腕の印象が強く、いまどきのゴスペルというと個人主張のひしめく場と思ってしまいそう。しかし、そもそも彼らは物心つく頃から非常に内容の濃い、かつ猛烈に評価の厳しい場所で育って来ていると思われますし、(ドラマーに限らず)目につきやすい豪腕な部分以外を鑑賞しないともったいないですね。