“ÇIFTELI – FREE” [Decent Sampler] – サズのようなアルバニアの楽器

チフテリと発音するらしいアルバニアの民族楽器で、開発にまつわる動画が肉厚な内容で面白かった。

このフレット配置に由来するチューニングを、4度違いの2弦に対して一括して反映しちゃうのはどうなのと思わないこともない。もっとも、実際の演奏ではドローン弦側を特異なフレットで奏でることもなさそう(7度音程をたまに鳴らすことはあるっぽい)なのでまあいいのかも。と思うと同時に、動画で見られるようにドローン弦側は、1弦を鳴らすと勝手に鳴っちゃう仕組みにすれば何とかなるんだろうかと思ったり、いやいや必ずしもドローン弦も同時に鳴らす曲ばかりではないのよと思ったり。エコノミックな仕組みにする手法はあるだろうななどと。
ちなみにこの動画内でも引用されているCifteli populloreなる動画は音程だけでなくリズムにもちょっとした訛りがあって(左手の運指に由来するものと見られる)、実際どうなのかと思って取り込んでみたら、こんな感じ↓でした。

4連の4つ目が前倒しになってると捉えるか、4連の1つ目がモタってると捉えるかは解釈次第ですけども。こういうのはさすがにサンプラーエンジン側で対応するのも現実的ではなく、DAW側にグルーブを登録して、打ち込み時にクオンタイズで反映させるのが穏当な手法でしょうね。
とはいえ他の演奏動画を拝見する限り4連の訛りが発生してるのはこのケースだけだったので、そこまで再現性に関わるものでもないかもしれない。

いつぞやは、民族音楽に造詣の深い作家が今のDAWでマイクロチューニングを駆使して楽曲制作する映像作品がありました。DAW側のカバー力も昨今上がってきてはいるものの、まだ一筋縄にはいかないんだなと感じたところ。
同様にリズムの訛りもグルーブ登録できるとはいえ、だいぶ前に個人的に試してみたように、テンポの速い遅いで訛り方が変わるラテン訛りみたいなのもあって、こちらもやはり一筋縄に済むもんではなさそうだなと思ったのでした。