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BLEASS “Fusion”

BLEASSの新作、Fusion。今回もCDMが推しています。
BLEASS Fusion, a wavetable distortion extra value meal for iOS, Mac, PC
Waveshapingによるディストーションの元波形をWavetableでbendしてしまうという、その発想はなかった式のプラグインエフェクトで、つまり入力音がモノフォニックであればシンセのように響き、ドラムやパーカッションのように複雑なものであればまったく別の楽器のように響き、それ以外のものであればいよいよどんな音になるんだか、って代物ですね。
モーションシーケンサーやフィルターの効果で、音程感を保ちつつもかなり攻めた音作りができそうです。
購入ページの注意書きを見る限り、BLEASS Saturationって開発名称だった時期があるっぽい。
Moises、さらにパワーアップ

以前少しだけ触れたAIの支援する音楽ソフトMoisesが、ユーザーの要望を取り入れた3つのツールを追加したようです。
AI Music Generator
その内容はなんと、歌詞の書き起こし(Transcription:ただし英語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語あたり)やコードの拡張(ジャズっぽい響きに対応の意味らしい)、楽曲構成(これは最近の多くのDAWに搭載されたアレンジメントツールに相当し、AIの力を借りた構成が行えるっぽい)。
つまりは、初級者をもちろん引き続き歓迎しつつ、もう少しレベルの高い中級、上級者の音楽活動にとって「大したことでもないが、やるとなると今まで面倒だったこと」をもカバーすると考えられます。
プレミアム登録して使える機能らしく、じっくり使ってみないと何とも判断しがたいので、もう少しいろいろ余裕が出てきたら試してみようと思います。今のところ、AIの使いどころも含めて注視する必要のあるサービスの1つだと思います。
【関連】
コード進行、フレーズ生成、リズム作成…、初心者からプロまで作曲を効率よく行うための高性能・高機能ツール、RapidComposer
BABY Audio “Transit x Andrew Huang”

BABY Audioが、音楽系YouTuberとして随一のAndrew HuangとのコラボによるTransitをリリース。
入り組んだエフェクトプロセッシングをとにかくラクに行おうと、並べ替えやプリセットの呼び出しも瞬殺で、さらに1個のマクロノブに対して複数のコントロールを柔軟に連携させられるようになっていて、かなりの完成度だと思いました。
またノイズを含むオシレータがモジュールとして搭載されているのも興味深いし、ロック機能や範囲指定を利用したランダマイザで思いもよらぬエフェクトチェーンが構築できるのも面白い。
唯一気になるのが、他のソフトだとまったく違う機能を意味するアイコン/ボタンが幾つか見受けられること(特にAudiomodern社のそれとかち合ってる気がする)。ライブパフォーマンス等で、違う方面に気を取られてるとうっかり押してしまうことがあるかもしれない。
とはいえ、これ1つ持っているだけでいい具合に曲を壊したり、瞬時にもとに戻したりなど、面白そうなことが多々可能だと思われるので、一家に一台あってもいいのかもなと思いました。
Impact Soundworks “MBG Percussion: Boobams”

Impact SoundworksからKontakt用に、Boobamsなる一風変わった打楽器のサンプルライブラリー。
Boobamsとは長さの異なる竹筒を並べた楽器に由来するもの(なので、Bamboo→Boobamの名)で、非常にアーシーなサウンドで映画音楽等に好まれて用いられたそうですが、本作では木箱の上部にヘッドを張ってクロマチックに並べたものが使用されています。プリミティブな響きは変わらず。
で、MBGとはハリウッドで活躍するパーカッショニストM.B. Gordyのことで、彼の手を借りつつ、初めてBoobamsがサンプルライブラリーとして完成したと説明されています。
音としては、動画見るとわかりますが、スリットドラムっぽくもありボンゴカホンっぽくもありで、これを手指やブラシ、ロッド、スティックで叩いたものが収録されています。頑張れば物理モデリングのシンセで作れるでしょうけど、生々しさはやはりサンプリングに敵わんでしょう。
周知の通り、Kontaktのリサンプリング技術はなかなかで、これらのピッチを下げて演奏してもジャギーな感じになりにくく(高域は削れる)、本製品に搭載されたストレッチサンプルの機能を使って和太鼓のような音にまでピッチダウンしても、わりあい誤魔化しがききそうです。